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イマジネーションオブソート  作者: 斗紙 砦史
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非対称な双子1

雑だと思いますが楽しんで頂けると嬉しいです。

「はぁ…めんどい…」

倉庫の陰に隠れている少年はぼやいた。少年の名前は辻移懐里

「めんどうならやめてもいいぞ?坊や、そのかわりバイト代は無しだがな」

懐里の隣の銀髪ロングの唯我独尊ではあるが同性に優しい女性レイラ・ミレットが腕時計を見ながらそう言った。

「やるよ!てか本当にここに来るのかよ…寒い…」

時期はまだ4月の初めそれなりに着込んでいないと寒い季節、時刻はすでに0時を過ぎている。

「情報は確かだ、なんせSSTからの要請だからな」

「なぁミィ前々から思ってたけどSSTってダサいよな、なんだよスペシャルスタディチームってネーミングセンスなさすぎるだろ」

ミィとはミレットのニックネームだ。

「私に言われてもな、作った人に言え」

「お、なんか声聞こえるな」

「邪魔だ」

ミレットが懐里を押しのけて声のする方を覗き見る。

「当たりだな、抵抗すれば殺しても構わん、私は手伝わんがな」

懐里を早く行けと言わんばかりに睨みつけて指示した。

「はいはい」

懐里は気だるそうに答えて飛び出していき、取引している二人の前に出た。

「取引してるところ悪いが拘束させてもらう」

その言葉を言い放ち懐里は突っ込んだ。だが、途中で足を止め後ろに下がった。

取引していた二人が拳銃を左脇から抜き、こちらに向けてきたからである。

「なにも持たずに取引しに来ると思ったか?」

左の男がそう言いながら笑みを浮かべた。

「悪党を捕まえるのに無能力者を寄こすと思うか?」

懐里も笑みを浮かべながら言った。

「どこの誰だか知らないが例え能力を持っていたとしても勝てるとは限らないぞ?」

と言いながら右の男がやれやれとジェスチャーをした。

「そう思うなら撃ってみればいい」

懐里は露骨に挑発し前に歩みだした。

「そうか、なら死んでも恨むなよ!」

そう言い放つと取引していた二人は引き金を引いた。しかし放たれた銃弾は全て懐里に当たらなかった。そして懐里は両手を開いた。金属が地面に落ちる音がした。懐里の手から銃弾が落ちたのだ。

「な…」

左の男は驚愕して固まってしまった。

「ちっ…何をしたか知らないがこいつならどうだ!」

右の男が手榴弾を左の腰から出し投げてきた。懐里は手榴弾めがけて走り、そして爆発する前に掴んだ。

「馬鹿だなお前」

右の男は懐里を見下した。

「馬鹿?残念だがこの手榴弾は今は爆発しないぞ?」

そういって懐里は手榴弾を左に投げた。手榴弾が爆発したのは20m先に転がって行った後だった。

「どうなっているんだ…」

右の男は絶句した。

「うぉぉおおお!!!」

左の男が唐突に唸り声を上げ懐里に向かって突っ込んできた。

「自分から死を選ぶとはなんてな、楽でいいけど」

懐里は突っ込んできた左の男を右手一本で受け止めそして左の男は爆散した。だが懐里に血はついていなかった。

「お前の能力は対象を爆発させる能力なのか?」

目の前で人が殺されたにも関わらず自分でも不気味なほど落ち着いていた右の男にそう言われ懐里は説明した。

「移動系だ」

「移動系?そんな能力でなぜ人を片手で止めれる?なぜ銃弾を受け止めれる?なぜ手榴弾はお前の手の中で爆発しなかった?なぜ人を爆散させられる?」

「…あんたは移動系と聞いてどんな能力だと思った?」

「物を移動させる能力だと思ったが?」

「だからあんたは俺には勝てないんだよ特別に教えてやるよ」

そういうと懐里は自分の能力の説明を始めた。

「移動系ってのは確かに物を移動させる能力だ。だがな、移動させる過程に何があるか分かるか?」

「過程?」

「そうだ、物を動かす為に必要な過程は加速と減速、そして停止これが物を移動させる上での必要な過程だ」

「そういうことか、つまり男を受け止めたのではなく止めたのか。なら銃弾を停止させて掴み、手榴弾も停止させることも可能か…。だが、どうやって人を爆散させた?それに手榴弾の爆発も遅かった。大体銃弾にしてもどこに飛んでくるか分からないじゃないか」

「はぁ…」

少年はため息をついた。

「人を爆散させたわけじゃねぇよ、引き裂いたんだ。相手の体に無数の場所に移動させるように設定したんだよ。手榴弾は爆発する時間を遅くさせた。銃弾は思考と肉体を加速させた。つまり思考を加速させ銃弾が当たるところを予測し、肉体を加速させ、その位置に手を無理やり持ってきただけだ。ま、ミスれば体が壊れるがな」

「おい、そんなこと言っている暇があるならとっとと拘束しろ」

少年が説明していると、男の後ろからミレットがイラついた感じで出てきた。

振り返った瞬間、男が息をすることはなかった。ミレットの魔法によって凍らされたからだ。

「おい!手を出さないんじゃなかったのかよ!」

懐里は突っ込まずにはいられなかった。

「お前が遅いのが悪い」

懐里はミレットに一蹴された。

「まぁいい、今回はバイト代を出してやろう」

「まじで?」

懐里は大いにはしゃいだ

「おとなしくしろ、無しにするぞ?」

懐里は預けられた猫のようにおとなしくなった。

「後のことは私にまかせてお前は先に帰れ、明日から学校だ。遅刻してみろ今日のバイト代は無しだ」

春休みが終わり明日から学校が始まるのだ。

そうってミレットは無線機を取り出しSSTに連絡をした。

「はいはい分かったよ」

懐里はそう言って誰もいない家に帰った。

読んで頂きありがとうございます。

感想やアドバイス等お待ちしています。

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