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生体兵器は自重しない。  作者: 風来坊
帝都に殴り込んじゃったぜ編
36/43

第32話

投稿画面出したまま寝てしまいました。


話は出来てたのよ。まじで。

世界に7つしかないと言われている遺産。

至宝と言ってもいい。




その名は「神器」。





文字通り、神が使いし道具であり、創世教の教義と照らし合わせると全7種。内5種までは発見されている。


北の大帝国クロムナード帝国には「炎剣」が。


中立国シルヴェリア王国には「水槍」が。


東国・桜花国には「闇刀」が。


西の魔法王国バルバリシアには「光杖」が。


南の自由都市国家群アメリアには「地斧」が。


それぞれ国の象徴として、それを手にした者達はその全てが王となり、国を拓き、今現在も連綿と受け継がれてきた。






「そんな大切な物だというのに、君は持っていくつもりかい!?」

「ええい、俺の知ったことか!とにかくもらっていくぞ!!」


俺は今クロムナード城・神器の間の前に来ていた。

何度も止めようとしてくるエドワードや衛兵達を振り切り、俺は神器の納められた部屋へと足を踏み入れた。



俺の目の前には、真紅に染まった刀身、全てを焼き尽くさんとする魔力、そしてそこから放たれるプレッシャーを感じていた。


この懐かしい気配、間違いない。

イグニス兄さんの「レーヴァテイン」だ。


「イクス君止めてくれー!それを持っていかれたら僕が王に・・・・いや違う国の威信とかいろいろが!」

ちらっと本音が出たなこのやろう。


だが俺はそれを無視して「レーヴァテイン」の前まで来るとそっと手をかけた。



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そう唱えた瞬間、俺の意識は真っ白になっていった。













----------------------------------------------------



「ここは・・・・。」

「おや、久々に誰かと同調できたと思ったら・・・・・君だったか。久しぶりだね、イクス。」

「イグニス兄さん!」


俺の目の前には、すらっとした体躯、遠目からでも目立つ肩まで伸びた真っ赤な髪の青年がいた。

「炎星結晶」の持ち主であり、俺の兄、イグニスだった。


「いや〜久しぶりだね、元気だった?」

「ええまあ。こないだ封印が解けたばかりなので、元気だったか?と言われてもなかなか難しいですが。まあ元気です。」

「それは重畳。まあ積もる話もあるだろう。少し話していかないか?」

そうして久々に兄との会話に花を咲かせるのだった。





「そうか、3000年か。長いような短いような・・・。」

「それより兄さん達、神様認定受けてますよ?しかも宗教までできてるし。知ってましたか?」

「え、なにそれこわい。」

「俺もこの話を聞いてびっくりしたんですが心当たりは?」

そう尋ねると兄さんは少し考え込んだ。


やがて考えがまとまったのか顔を上げるとこう切り出した。

「あー・・・僕らにね、引っ付いて回る子がいたんだよ。僕らの行動を常にチェックする子でね、僕らは全員その子に懐かれてたんだよね。その子が何と言うか、僕らを特別視するような子だったからさ。宗教でもおこしちゃったかも。」

「つまりあれですか。ファンクラブがこじれて宗教になったと。」

「多分ね。いやー人間って怖いね!」

「ホントですね兄さん!」

あっはっはと笑いあう俺と兄さん。


「あ、あと文明が中途半端に衰退したり、一部の技術が喪失したりしていることに何か心当たりはありませんか?」

「それは心当たりと言うか原因なら。」

「そうなんですか?」

そう言うとイグニス兄さんは語り始めた。


「D−No.0・・・今はジークと言うんだったかな。彼が君に連れ添うために活動を止めてから10年後くらいに博士が亡くなってね。僕らは崩壊後の統一国家のごたごたに巻き込まれるのが嫌で、結界を作って隠れて暮らしてたんだ。」

博士は無くなってしまったものの、みんな戦いばかりだったから静かに楽しく暮らしていたそうだ。


だが・・・


「やはりと言うか。「侵略者」の残存戦力が復活してね。再び戦争になった。でも既に国家としての体がなっていない「統一国家」は、なすすべもなくやられていった。」

その際に「侵略者」に文明と言う文明を徹底的に破壊され、世界人口も、滅亡ギリギリの所まで落ちてしまったらしい。


「その影響で技術者も亡くなり世界は荒れた。僕ら6人位しかまともに戦えるものは存在していなかったからね。結論だけ言えば僕らは「侵略者」残党には勝った。でもその代償は大きかった。大地そのものが崩壊するほどの影響が出ていたからだ。そこで僕らは自分の「星結晶」にすべての力を籠め、エンドレスアースの『地脈』を増幅し崩壊を食い止めたのさ。その代償が今の状態さ。」


やはりそうだったのか。


「星結晶」と言うのは「星命結晶」に次ぐ世界に6個しかない属性特化の「星の結晶」で、兄さん達はそれを動力として動いている。


でも限度以上の力を出そうとすれば無理がたたる。

兄さん達の場合は自分の肉体の崩壊と言う代償が付いたわけだ。


「でもまあ。魂は「結晶」に残せたし、この中も居心地悪くないしね、結果オーライって所だよ。武器として使われる羽目になるとは思ってもみなかったがね。」

そう言うと兄さんは苦笑いを浮かべた。


「今度、ウンディーネ姉さんに会う予定です。他の兄さん姉さんたちにもいずれは。」

「そうか。それで、お前はどうするんだイクス。「僕」を持って帰るかい?」

「んー兄さん達から話が聞けられればよかったので本当ならこれでおさらばなのですが、俺の生徒の危険がなくなるわけではないので。」

「聞いた限りではもう仕掛けてこない気がするけどねえ。」

「俺もそう思うけど可能性は潰しておきたいので。」

「そうか。まあそう育てたのは僕らだしなあ。手加減などできるはずもないか。」

イグニス兄さんは呆れながらそう言ってくる。


「よくわかってるじゃないですか。流石兄さん!」

「ははは、まあね。」

「そんなわけで「アガートラーム」と融合します。俺の中で回復すれば肉体の復活などいずれは出来るかもしれません。」


兄さんは手で相槌を打つと、「確かに。」とつぶやいていた。

「僕はこのまま少し眠らせてもらうよ。イクス、あとは君に任せた。」

「分かりました。それではまた後で。」

「ああ、また後でね。」


そうして俺の意識は覚醒した。




神器一個目ゲット!の回でした。

もう何話かやったら新章?かな。章分けしてねーけど。

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