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生体兵器は自重しない。  作者: 風来坊
王都編
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第13話

ジーク先生、起動。

昨日のうちに親父さんと少し話したのだが、お金の価値を教えて貰った。


銅貨・銀貨・金貨・白金貨とあり、銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、金貨10枚で白金貨1枚になるそうだ。


そう考えるとキングボアの肉はかなりの価値がある事がよくわかる。

3000年前はお金の単位はクレジットで、銅貨一枚=100クレジット位だったからな。



((悪かったなジーク。肉あげちゃってさ。))

((構いませんよ。そのおかげで宿も確保できましたし。ギリルさんもドーラさんも良い人だったじゃないですか。))

((まあな。))


あんないい人たちに巡り合えたのは幸運である。

こういう出会いは大事にしないといけないって博士達にも言われてたしな。


冒険者ギルドに付いたので中に入っていく。

昨日の騒ぎはかなり広まってしまったようで、みんながこちらを見てくるが気にせず受付に向かう。


「リーフィアさん、おはようございます。」

「イクスさんおはようございます。早速注目の的ですね。」


営業スマイルなのか、それとも本気なのか分からないけれどニコニコしながらそんなことを言ってくる。


「正直勘弁してほしいですよ。」

「まあCランク冒険者を簡単に倒してしまう実力に、魔法も体術もランクとはかけ離れているほど高い。注目されない方がおかしいですよ?・・・・・それにかっこいいですし。」

「・・・えっ?」


最後に何か言ってた気がするがうまく聞き取れなかった。

「何でもありませんよ?それより今日から本格的に依頼を受けますか?」

「そのつもりで来ました。いろいろあって宿が確保できたので、お金を貯めようかと思いまして。何でもいいので仕事貰えますか?」

「そうですね・・・これとかどうでしょうか。」


依頼ランク:E

依頼者:シルヴェリア王国

依頼内容:王都周辺のゴブリンの討伐

依頼期間:常時

報酬:ゴブリン1匹に付き銅貨2枚 但し、討伐証明が必要。


「ゴブリン退治か。一匹見たら10匹入ると思えって魔物ですもんね。で、討伐証明って言うのは何ですか?」

「討伐証明っていうのは魔物や魔獣の部位の事ですね。ゴブリンは右耳が討伐証明になっています。」

「なるほど。じゃあこれ受けます。」

「分かりました。では受理しますね。お気をつけて。」

「あ、因みに討伐証明さえあれば狩るのは俺じゃなくてジークでもいいのかな?」

「構いませんが・・・その子は戦えるんですか?可愛い犬にしか見えませんが。」

「大丈夫です。そこらの冒険者より強いですから。」

そう告げるとギルドを後にした。





シルヴァーン周辺の森の中に俺達は居た。


「さて、いよいよだな。ジークの実力見せてもらうぞ。」

「ゴブリン相手に実力が発揮できるかどうかは分かりませんが。魔法や闘気は使ってもいいのですか?」

「いや、そんなに目立つことはしなくていい。基本能力だけでやってみてくれ。」

「分かりました。」


俺達のいる場所から10メートルほど先にゴブリンを見つけた。


「数は30ってところか。洞窟にいるって事は、ゴブリンの巣だなこれ。行けるか?」

「いつでも。イクスは見ていていいですよ。」

「よし分かった。行ってこい相棒!」


そう声をかけた瞬間ジークは一気に駆け出した。


洞窟の前で警戒していたゴブリンが2匹ほどいた。そこにジークが迫る。

加速したジークはまるで弾丸のようだった。

相手が反応するまえに一瞬にしてゴブリンの横を通り過ぎると一瞬相手の首をかみ切っていた。

もう一匹のゴブリンが異変に気づいた時にはもう遅い。

すでに反転していたジークは相手を押さえつけるように飛びかかり、そのまま喉元を食いちぎった。


「では、行ってきます。取り逃がすのかもしれないので、穴から逃げてきた奴はお願いします。」

「ああ、了解だ。」

「では行ってきますね。」


そうしてジークは洞窟の中に入っていった。

ジークが入って行って30秒ほどたっただろうか。

ゴブリンたちの阿鼻叫喚ともいえる叫びが聞こえてきた。


暫くしてその叫び声も聞こえなくなると洞窟の中からジークが出てきた。


「終わりましたよ。久々だったので頑張ってしまいました。」

「そうか、よくやったぞジーク!」

そうしてジークを撫でてやる。

「てへへ。」


撫でられながらジークは照れていた。


「おっし、討伐証明右耳だったな。外の奴はもう剥ぎ取ったから、洞窟の中の奴の分も剥ぎ取ろう。取り終わったら焼却だな。疫病や他の魔物の餌になっても困るし。」


外のゴブリンの死体をファイアボールで処分する。

洞窟の中に入るとゴブリンの死体が散乱していた。


何があったのか胴がまるで破裂しているものや、体が縦に半分に裂けているものもいた。

「ジークさんや。」

「何ですかイクスさん。」

「これはやりすぎとは言わないのかい?」


ジークは顔を反らしながら、


「久々に頑張ってしまったので。」

と、つぶやいていた。


「まあ安心したよ。お前も結構規格外だってことが。」

「イクスほどじゃないですよ?」

「大差ない気がするけどなあ。」


そう言いながらゴブリンの耳を回収し終わると洞窟の入り口から炎を作り出し、洞窟ごと焼却処理をした。

討伐箇所は袋にまとめてストレージにしまった。

「よし、帰るか。今ならまだお昼に間に合うだろうし。」

「そうですね。いい運動になりました。ギリルさんの屋台に行きましょう。ご飯が美味しいですよ。」

「ははは、そうだな。」



ギルドに戻った俺達は早速受付に行った。

お昼時は空いているのかすぐに対応してもらえた。


「もう討伐してきたんですか?やけに早いですね。」

「相棒が優秀でね、おかげですぐに終わったんだ。」

「はぁ・・・まあイクス君についてはもう驚きませんよ。多分。ここで討伐証明だされてもテーブルが汚れてしまうのでこちらへ。」

そう案内されたのは受付の奥にある部屋だった。


「ここは討伐証明の物を数えたり、魔物を解体したりする場所ですよ。専門の職員が担当しています。それではこの机の上に討伐証明を出してください。」

町に入る前にゴブリンの耳が入った袋はすでに出しておいたのでそのまま机の上に広げる。


「この短時間でこんなに狩ってきたんですか!?」

「あーうん。ジークがね。」

「え?」

「いや、だから。俺は何もしてないよ。ゴブリンの死体は焼いたけど。狩ったのはジークがやったんだよ一人で。いや一匹で。」

リーフィアさんは驚いた表情でジークを見つめた。ジークは照れているのか顔を反らした。

「・・・冗談よね?」

「冗談なんか言ってませんよ。そう言えばさっき、もう驚かないって言ってませんでしたっけ?」

「イクス君に関してはね!この子がこんなに強いとは思わなかったの!」

「ちゃんと冒険者より強いって言ったじゃないですか。」


そうして数えてもらったら討伐証明は34個。銅貨にして64枚だった。


報酬の銀貨6枚と銅貨4枚をもらい、俺達は昼食を取るべく親父さんの屋台へ向かうのだった。

正直洞窟内の戦いも書いたのですが、ジーク先生がテーレッテーしてるだけ、しかも魔物の中でも最弱の部類の奴が相手だったので、全部消しました。自分でも読み直してみて、面白くないなって思いましたので。


因みに1クレジット=1円位です。金貨が1万円、白金貨は10万円ですかね。

一般市民で白金貨を使うのは、基本商人と高ランク冒険者くらいです。一生見ずに終わる人もいたりいなかったり。

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