さすがに冗長ってもんでしょう(ネタバレ編)
本文を引用したためか、キャラが多いためか。
7000字近くあります。・・・どうしてこうなった・・・。
まずは続編「「教育実習」の難題」の反省から。
前作とは逆にキャラクター小説を目指したのですが、そのわりに中心人物はなし。そして、コメディーのはずが、魔獣たちに重点を置いたせいか全編に哀愁が漂っているという。あ、あれー?
もこもこふさふさ、たまにつるつるした丸っこいモノたちがそこら中にいるにもかかわらず、あまりモフ萌え小説にもならなかったのが筆者の誤算。萌えって難しいもんですね。
では、ネタバレ含む、固有名詞紹介いってみよう。(本文からの抜粋含む)
①ジレースの世界
それはもう頑丈な動植物にあふれ、ある意味平和で、いろんな意味で多様性に満ちています。
生物は基本温厚、食物連鎖はあってもそれ以外の争いというのはせいぜい小競り合い(ただし破壊力はある)。一方的に破壊される側である植物も、頑丈さと生命力では動物の追随を許さぬような力あふれる存在。多少の小競り合いによる傷跡はあっという間に復元されるため、多少のやんちゃでは損なわれることもありません。
● 創造神ジレース(変幻神:可能性の神)
誰もが認める「お人好し」として神々の間で有名。放任主義で、自分の創った世界をただおおらかに見守っています。創造物との距離は非常に近く(頻繁に己の世界に降臨している)、相談されればともに悩み、祝い事があれば共に喜ぶ、己の創った世界を肌身で感じることを好む神であり、創造物に大層愛されています。
○ ジレースの民
お人好しの創造神が、頑丈に創った摩訶不思議生物。非常に頑丈・温厚・長命。
神の力によって生まれるため、生殖による繁殖はしません。当然性差なし、生殖機能なし、番う必要もありません。ジレースの世界では、子供はある日突然その辺に転がっており、それを回収して安全な場所で育成するのは大人の務めです。
なお、さすが変幻神の民というべきか、姿かたちは変幻自在、動物型で生まれますが、気分によって(?)植物になることもできます。植物になった場合は自由に移動することは出来なくなるし、その後の変幻は不可能となるので(ただし他者の手助けがあれば再び動物型になることが可能)、大抵は年経たモノが植物型となってそのうち生涯を終える。・・・つまり上記のたまに破壊に巻き込まれる植物たちもジレースの民です。植物との意思疎通も可能(ただし個人の能力による)。
無機物以外はジレースの民、と考えると、食物連鎖といいつつ共食いですね。
● ソシミア (人型時:銀がかった緑髪に黒っぽい銀瞳の優美な姿をしている)
第376代王。陛下。ジレースの御世話役。(ジレースの世界には国の隔てはないので、王は一人だけ)
世界を一家族と見立てた場合、頼りになる長子(ただし最年長ではありません)。
トラブル体質のお母さんをフォローして、家庭の平和を守り、お母さんの引っ張ってくる外的難題からも家族を守る。ちょっと想像するだけでも大変そう。実際は、度々世界の中に顕現してふらふら歩き回るジレースの尻拭いとして民からの苦情に対応し、我らが神にお小言を言うのが主なお仕事。王とは民の代表であり、民がつつがなく日々を送れるようにあれこれ手配する大変なお役目であるため、民から尊敬されています。・・・誰もやりたくないから。
たぶんジレースの世界で一番の魔法の使い手であり、苦労人。
大抵のモノに対して親切丁寧ですが、ボーノンに対しては結構投げやり。
即位してから200~300年経っています。後300年くらいで次に譲ろうと考えているもよう。
● ボーノン (人型時:赤髪金瞳の美丈夫に見える)
宰相閣下。王の手足筆頭。時には代理もこなす。(一家と見たら、長子を支える明るい次子?)
王の部下たちは基本、「大変ご苦労な御役目である陛下のために、少しでもお力になりたい」というボランティア精神でもって務めていますが、ボーノン氏は昔馴染みのよしみで務めています。そしてソシミアが苦労する姿をもっとも近くで眺めて楽しんでいる節があります。
魔法の腕はそこそこ。基本何事にも動じないお気楽人。
○ 教授 (固有名詞ではないが)
禿頭のいかつい男。男って言ってるけど、性別はありません。人間の感覚では男に見えるというだけ。
「教育実習」へ向かう学生たちに事前講習を行っていました。「教育実習」経験者。
ちなみに、ジレースの民は、建物の中で活動する折には人型をとることが多い。姿は己の好みで形づくりますが、どことなく本質が現れた容姿になるため、どんな姿をとっても知り合いであればそれが誰だかわかります。「難題」の中で実習生たちが陛下を見知っていたのは、偽送還陣で送り出す際にその場にいたから。
○ 実習生 (魔獣たち。全て仮名)
ふわふわの体毛を持った獣の子供、色鮮やかな羽を持つ鳥、澄んだ色の鱗を持つ爬虫類、と一体ずつ全く異なる特徴を持ち、姿に統一性はありませんが、膝に乗るくらいの大きさの、やや丸みを帯びた体躯の小動物というくくり方は出来ます。
ライディアスの持ちかけた「子守り」の仕事は当然ながらほとんどの神に断られ、ジレースだけが断りきれずにうっかり引き受けてしまったため、この契約に従事する人材として「教育」に関心のあるモノを選んであたらせた、というのが「教育実習」の本当のところ。
● シャーレン(仮)
第26期生。丸っこい、頭のでっかい黒猫(しっぽが極太→ユキヒョウ並みに大きなしっぽです)。
穏やかな人柄と面倒見のよさから、魔獣たちに大変慕われています。召喚者の召喚陣の出来が今一なのか、言葉の訛りが酷い。そして元の口調からかけ離れた翻訳になっています。
「みゃーてーした話じゃーにゃーけどんも、そろそろ陛下がこっちに来るんずら」
(それ程大層な話ではございませんが、もうじき陛下がこの世界へおいでになるのですよ)
● マリーター(仮)
第32期生。白っぽい毛玉。アンゴラウサギに似ているが、足運びは猫。
ややそそっかしい? 今ひとつ要領の悪い末っ子タイプ。翻訳の相性は結構よいようです。
「あ、いたいたっチュー。みんなこっちに集まっていたっチュー?」
(ああ、いたいた。みんなここに集まっていたんだねー)
● スキール(仮)
第32期生。淡い黄色をした翼持つ犬のようなすがた。
どちらかといえば女性的な感覚の持ち主。姉御肌? 召喚者のことは可愛いと思っていますが、翻訳以前に人語を話せません。
「ピヨピヨピヨピヨピヨ……」
(待つのはいいけれど子ども扱いはやめて……) ←このあと「あたしも離れたくない~」とか言われる。
● ペール(仮)
第32期生。黒褐色の鱗をもつトカゲ。大きな目が特徴。
ガキ大将的性格。言葉遣いは悪いが気のいい兄貴。翻訳はこんなもんだろと納得しています。
「ひゃー、マリーター(仮)ひゃ、にゃーかあったのひゃー」
(よう、仮名マリーターじゃねぇか、何かあったのか?)
● イズング(仮)
第32期生。小さく丸い耳、細い手足、毛に埋もれてどこにあるのかわからないしっぽとふさふさの体毛からいって、モルモットに似ています。ただし、幼児の胴体くらいの大きさ。
実はハムスターとモルモットどちらにしようか迷って写真を見比べたというどうでもいい裏話あり。
ややうっかりさん(微妙にマリーター(仮)とキャラがかぶっている)。翻訳はかなりマシ。たぶん召喚者の腕がよいのでしょう。
「ううぅ、口が滑ったんキャ。もう勘弁してほしいっキャ」
(うー、口が滑ったんだよう。もう許してくんないかなぁ)
● サフィー(仮)
第32期生。濃紺のごつい顔の猫、仔ライオンのような姿。
中身がごついおっちゃん(たぶん地声は渋い重低音)でも、ふわふわの体毛を持った小型の獣であるため、かわいらしい名前を付けられた代表。その上、翻訳がやたらかわいらしいため違和感がはんぱない。
「スキール(仮)の言うとーりキュルン。何か変な解釈がされてるキュルン」
(仮名スキールの言うとおりだぜ。どうも理解できねー解釈があるみてーだぞ)
● ジルファー(仮)
第32期生。赤と青の羽毛を持つ鳥。全身はほぼ真っ赤で、風切り羽と尾羽は目の覚めるような青色。鳥型なのに丸すぎて飛べない。
サフィー(仮)と似たような中身おっさん(ただし脱力系)。ただし翻訳との相性はさほど悪くありません。
「に、にん? そんな話あったにん?」
(ええっと、そんな話あったかねぇ?)
○ ピンクの魚(っぽい何か):名前出てないけど一応あります。テンテス(仮)。
第32期生。移動はどうやっているのかちょっと気になる魚型。オコゼみたいに胸鰭で移動するのか、それとも尾鰭で地を蹴ってピョンピョン進むのか?
やたらと「魔王」に引っかかっていた1体。翻訳はさほど気にしていない、かな。
「魔王……って、何ポン?」
(魔王って、何なの?)
○ カンガルーに似た魔獣:マリーター(仮)のセリフの中に名前が出ている。ツリム(仮)
第32期生。実は「悲哀」の方にも出ていた。
これもどことなくオッサンっぽいキャラ。翻訳はまだましだな、と思っています。
「全員集まったニョー。シャーレン(仮)、もっかい説明してやってニョー」
(全員集まりましたな。仮名シャーレン、もう一度説明していただけますかな)
○ コンパーロ(仮):マリーター(仮)のセリフに名前が出ているけど、「難題」では出番なし。
第32期生。「悲哀」の最後に出ています。ただ、姿は決めていない(笑)。
丁寧語キャラのわりにだるだる。暑さに弱いのかも? 翻訳はうっとおしく思っています。
「あぁ、今日も暑いッピー。この木陰は風が通って快適だッピー」
(あぁ、今日も暑いですねぇ。この木陰は風が通るので過ごしやすいです)
②ライディアスの世界
人は幾つもの国をつくり、それぞれ協力し合ったり争ったりと、常に勢力を変化させながら時を過ごしています。これはライディアスが創造した当初から「変化すること」を世界に織り込んだことが影響しているのですが、かの神はうっかり世界に規定を設けすぎた(自分の創った世界には直接関われないという規定もある)ため、「変化」を促すため(外部刺激によって、世界が固くならないよう)に異世界との契約を行っています。
ちなみに、それ以外の異世界との契約の理由が「おもしろそうだから」であるのは、ジレースやその周りの者たちには常識。
● 創造神ライディアス(契約神:変化の神)
実はうっかり者のお調子者ではないかとジレースの民の一部(歴代の王とか)に思われています。
ライディアスとジレースがあまりにも頻繁に契約を結ぶため、過去にジレースの民の王がジレースに直接交渉用の器をつくらせ、それを使って契約内容の確認を行っています(通常は異世界の神との直接相対は不可能である)。思い付きをすぐ実行するため細かいところまで決めていない契約神ライディアスには、便利に思っている節さえあり、契約神はジレースの民の王とは結構気軽にやり取りをします。
世界を創る折に色々細かい設定を入れてしまい、更に自分の性格から後で変更を重ねては世界がもろくなってしまうと思って、世界には直接関われないという制限をかけました。
○ ライディアスの民 (人間)
5つある大陸に無数の国を作り、興亡を繰り返している。
基本的に、世界のあり方を何も知りません(知らされていない)。特に、神については秘匿されているので、彼らは「神」という概念を持ちません。
「魔法使い」と呼ばれるものたちは存在しますが、「魔法を操る」という才能は与えてられていません。魔法は意志の力によって世界に働きかけるものであり、世界を動かすには具体的に作用と結果を想像する必要があり、これは経験がものをいうので、もともと魔法を操る才能のないものにはどうにもできません。ただし逆に言えば、才能さえあればライディアスの民にも魔法を使うことはできます。「魔法を操れない」という規定はないので。
そんなわけで、主流は「精霊魔法」ですが、この精霊が契約神との契約によって仮の存在を与えられた異世界の住人であることはもちろん知りません。魔法といわれる力が実は彼ら自身のものではなくて、異世界人の思念によるものだということも。
魔獣の召喚についても、当然契約神と変幻神の間において契約が成り立っているのですが、その詳細を知らされていないため、彼らは魔獣と直接契約を交わしていると思っています。
● バーニャン学園 (「魔法学園」)
5つある大陸の一つに昔からある中堅国、バンスケット王国の中央よりやや北方寄りにあります。バンスケット唯一の魔法使い養成学校。世界で唯一「魔獣の召喚」の技術を持っています。
5年制で、入学資格は13歳以上(上限なし)。魔法の才能(そこいらを気ままに漂っている精霊を感じ取れるかどうか、というもの)のあるものはほとんどが15歳までにその片鱗を見せるので、20歳を越えて入学を希望するものは滅多にいません。素質のある国民は学費免除。
尚、魔法の才のない者(魔法使いを目指すのではなく、魔法そのものを研究するのが目的)も入学できますが、彼らは無料ではありません。
他国の者であっても友好国の者は受け入れています。
○ 学園の教師
大部分が魔法使い。無邪気なお子さん方を相手に「魔獣は大人だから相応の扱いをするように」と口をすっぱくして言い聞かせているはずなのに、全く努力が報われていません。が、ひそかに魔獣たちから感謝の目線をもらったり、やたら愛らしい仕草でお礼を言われたりして内心ではもだえています。
モフ好きにはたまらん職場。(教師は魔獣召喚はしません)
○ 学園生
国際的な評価が高い魔法学園ですが、バンスケット国民にはそのありがたみは全く実感ありません。
生徒たちは基本、学園の外には出られません(貴重な魔法使いの卵が犯罪に巻き込まれないようにするためには仕方ない)。そのかわり、日用品などは学内に小売店が幾つかあり、自分好みの服を買うこともできるようになっています。たまに、同好会で作った物を売っている事もあります。
生徒たちには、月々の生活費として小遣いのようなものが与えられており、最低限の生活が保障されているからといって、お金の使い方を忘れるという心配はあまりありません。(最長8年在学できる)
● ケゼウス
3年生、15歳。やんちゃ系少年。無駄に自信満々。ペールの召喚者。
やや調子ノリ? 物語の大魔法使いに憧れています。
「……そんで、悪い奴らを特大火炎魔法でぶっとばしてさぁ……」
● ニシェロ
3年生、16歳。気弱に見えて、芯はしっかりしています。
「正しい知識だと思います」
● モーフェン
3年生、15歳。召喚陣を作るにあたって必要なもの、という質問に答えられませんでした。
● セイガット
3年生、15歳。学ぶことが好き。モーフェンのかわりに質問に答えました。
「陣の手順を正しく理解することです」
● ワーイネル
3年生、17歳。名前が出ただけ。召喚陣の中に含まれる言葉とその意味について、という質問をされました。
● ファル
3年生、15歳。天然……だったらまだ許せる(?)スキールの召喚者。
魔獣大好き。というか、授業はちゃんと聞きなさい。そしてとある劇の勇者様の信奉者。
「あの子達って、やっぱり子供よね? 魔王様は大人でしょうから、もっとおっきいんじゃないかしら」
③異世界間交流
異世界同士の交流には、当然制約があります。直接の行き来は出来ないし、一方の意思で他方を利用することも出来ない。このあたりは神々の道理に準じているとも言えるし、そもそも世界というものは創造神の身体の一部、そこへ外部のものが入り込むことは例え神であっても不可能だということでしょう。
神々の道理とは、同格の神同士の間で一方的な関係は成り立たず、何か頼まれたならば対価が必要となること。これは創造神の存在に刻まれた道理であり、そこから外れることは如何なるものにも不可能。それは本能のようなものです。
○ ソシミア王第126号契約 (俗称「教育実習」)
細かい事は設定編に書いてある(「魔獣召喚」参照)ので、書きそびれたジレースの民が受け取る対価について。
ジレースが受け取るのは「ジレースの民が何らかの経験を得る」というあいまいなものですが、契約時の対価として上げられた文言は、「可愛い子供と遊べるよ?」でした。……そりゃ誰も受けないよ。
ちなみに、ライディアスの世界で「精霊」と呼ばれている異世界観光客たちの契約は、ライディアス「世界へ刺激を与えること」、観光客「異世界という非日常(創作活動の糧、避暑地、別人気分を味わえる、など)」をそれぞれ得ることになっています。当然、ジレースの世界以外からも多数の観光客が訪れています。尚、「魔物」と呼ばれる召喚魔法によって呼び寄せられるものは、この観光客が多数ですが(召喚魔方陣によって契約神に器を作り変えられる)、わざわざライディアスが他の神に契約を持ちかけて特別仕立てで己の民に会わせる場合もあります。だからこそ「召喚魔法」は特別な魔法となっているのでしょう。
以上、「教育実習」シリーズ冗長すぎる解説でした。・・・我ながら、設定多いよ・・・。
ご意見、ご感想等ございましたら随時受け付けております。
今更「教育実習」シリーズって、種類としては「群像劇」に分類されるんじゃあ、と気付きました。
遅い。




