四日目
これはカオスか?
モリモリライフで遊んでいた、リス、タヌキ、クマ、キツネであったが、そのスコアがおかしなことになっていた。
共通通貨はグリーンと言うのだが、タヌキさんはそのグリーンを100億グリーンほど有している。
そう、ゲームがまだ終わっていないのにも関わらずだ。
行くマス行くマス、必ずグリーンの貰えるマスに当たり、どんどん稼いだ結果と言えよう。
リスさんもマスの当たりは弱かったが、ギャンブルコースで大博打して大儲け、タヌキさんに次ぐ二位の成績だ。
キツネさんは意外にも普通に人生をエンジョイしていた。『職業、サラリーマン』
このゲームでは領地も買うことが出来るのだが、それも、盤台の7割がタヌキさんに残りはリスさんが持っている。
僕かい?僕は……どこで道を間違えてしまったのだろう。
最初の頃、僕は教師という、みんなのための職業に就いていた。領地もそこそこ持っていて順風満帆な生活、でも僕は三つの過ちをしてしまう。
一つ目、僕は新しい職業、タレントになった。
教師で成功し、欲に目が眩んで芸能界で一発大儲けを狙った。
しかし、出目は1のみ恐ろしい引きの悪さで給料を碌に貰うことが出来なかった。
二つ目、保険に入っていなかったこと。
保険を買うだけのグリーンを持っておらず渋々、諦めたのがあだとなった。
領地が全焼、保険に入っておらず、多大な負担が一気に押し寄せて来た。
三つ目、ギャンブル。
お金が殆ど残っておらず、少しでも稼ぎたいと考えた僕はギャンブルを行った。
しかし、結果は惨敗、逆に大目玉をくらって約一億グリーン程の借金を負うはめになった。
タレントの職もその後、すぐに失いフリーターの生活、みんながそれぞれの人生を歩む中、僕は借金という落とし穴から抜けられずにいる。
ついに、僕は崩れ落ちた。クマの着ぐるみを着たまま、頭だけ人間の僕に優しく手を差し伸べてくれた者が……!?
「クマ公、良かったじゃねーか。お前は今、底辺にいる。一般人には知られることのない肥溜めの中さ。でもな、もうそこから落ちることはねー。ただ登っていくだけだ。簡単だろう。そこで腐ればお前は糞のままだが、立ち上がれば綺麗な花を咲かせられるかもしれねー。こいよ。ゴールはここだぜ。」
周りからの拍手が巻き起こり、僕は少しの恥ずかしさをこらえその手を取った。
僕の軌跡を探す旅が今、始まる!