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はんぶんこ。

作者: 藍沢茉結
掲載日:2011/01/14


―――窓際だった。

それはまだ春で、午前中で、柔らかい陽射しが真っ直ぐに私に届いていた。


ねえ好き。

ずっと好きだよ。


届かないんだろうとは思ってる、分かってる。


叶わないなんて知ってるよ。

でもそれが、恋ってもんでしょ?


「ねえ、定規貸してー」


後ろからかけられた声に、私は振り向かないまま返事をする。

「やだよ、折るから」


気づいてる?

貸さない訳ないって事。


絶対負けちゃうの。


「折らねえよ失礼なっ」

「今まで折らなかった事がないでしょー」


ふふっと笑いながら、私はやっと振り向く。

なんで最初はちょっと抵抗するのかって、それはこのくらいの会話がしたかったから。


どんな会話でもよかった。

心がほわわんってあったかくなって、その短い会話だけを頭の中で反芻するの。


…ねえ、すごい好き。


満面の幸せを顔に表す。

表したい訳じゃない、だけど自然に表れてしまう。


「折っちゃ駄目だからね」

言いながら、30cmの折り畳みの定規を手渡した。


「さんきゅっ」

受け取って、すぐさま遊び始める。


…そう、いつもの事。

そしていつもの如く…。


「…あ」


折ったな。


その、文字にすれば一言で。

私はすぐに勘付くの。


「ごめん」

全く悪びれていないように笑って、そう言った。


「あほ」

私も笑いながら、言ってしまう。


何本目か分からない、その定規。

折ったのは、全部君。


それでも嫌いになれないのは何でだろう?


「これ、半分頂戴」

0cmから15cmまでの方。


折れた半分を私に見せながら、にっと笑う。


「ええー…」

苦笑しながら私はそう言った。


ほんとは、持ってて欲しかったんだろうな。

だって16cmから30cmの方を私が持ってる訳で。


ちっちゃなちっちゃな、本当に小さな日常のペア。


「いいじゃん、お前の物は俺の物」

笑いながら、そんな事を言う。


その笑顔に、負けた。


「…いいけどさ」

「さんきゅー」


持っていた半分を、自分の筆箱の中に入れた。


はんぶんこ。

君と私で、はんぶんこ。


幸せっていう感覚。

…この時は、ね。


3日後くらいに、床に落ちてる半分の定規を見なければ、ね。




「ねえ、これ」

君が持っていた半分。


「は?いらねえよ」

変わらない、半分の定規を私から奪った時の、あの笑顔。


…そうだよね。

そうなんだよね。


気付いてた…でも自惚れてた。


もしかしてって、ちょっとだけ心の隅っこにあったのかもしれない。


だって全然思ってなかったら、こんなに胸が痛い訳ないでしょ?


「だよね」

何で私、それでも笑ったんだろう。


何で私、笑えたんだろう。


ああもう。

好きじゃん。

すごい好きじゃん。


ホント、何で好きなの?

分からな過ぎる。


だって好きな所上げてって言われたって、1つも上がってこないよ。

何処が好きなのかって、答えられないんだよ。


苦しかったのに、泣きたかったのに、馬鹿って罵りたかったのに。


それでも笑っちゃうんだ。

嫌われたくないからって、今の関係壊れるのが嫌だからって。


めんどくさいって思われたくなくて。


何で好きなの。

何処が好きなの。


ねえ、好きじゃなくなればいいじゃん。

どうしてそれが出来ないの。



―――言ったじゃん、「お前の物は俺の物」って。

ねえ、それだけでも嬉しかったよ?


私自身は必要とされてなかったと思う。

それでも嬉しかったよ。


でもね、嬉しかったけど悲しかったよ。


物だけじゃ嫌。

物だけじゃなくて…私をあんたの物にして。


それともやっぱ、私じゃ駄目?



半分に折れている定規を、そっとポケットに入れた。


End…


はい。

実話です(ぇ


中2だったかな、確かww

実話をもとにした短編を書こうと思いました、しかし最終的に完璧実話に←おい


だからあんまり、語る事もありません^^;


ただね、本当に好きだったよ。

伝えた事はないけど、本当、大好きだったから。


…あはは、恥ずかし(笑)



それでは。

ここまで読んで下さった皆様に、最大の愛と感謝を込めて。


With love…


ありがとうございました!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 「定規」をなんとなく「ていき」と読んでいたことはおいといて(自分でも飽きれた。ってか定期かしたら自分はどうやって帰る?30センチの定期?...おっと失礼) ほほぉ...実話なんですね。たしか…
2011/01/17 00:35 退会済み
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