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ビッグウェーブ
何だナンダ・・・。
空一面、雲が覆い、あたりが昼間なのに真っ暗になる。
突然、強い風が吹いたかと思うと、海が荒れる。
「今だ」
男はサーフボードを脇に抱え、荒れ狂う海へと向かう。
ボードを海へとすべらし、男は両手で懸命にかき大波へとまっしぐら。
(来る、来る)
(キットクル!)
思わず余計なものまで思い浮かべた。
(集中、集中)
(全集中!)
(波乗りの呼気って違う~)
妄想よろしく、目の前のすべてが大きな波に包まれた。
(よし)
(幾三)
(俺の頭はイカレてんの)
男はサーフボードに立ちあがり中腰で波に乗る。
ビッグウェーブが男を飲み込む。
(この日を待っていた)
(あれからウン年も~)
(稲村ジェーン)
(どうかしてるぜ!)
男は見事に荒波を乗りこなし、ビッグウェーブを制した。
(よっしゃああああ!)
(漢唄)
(それ慶次)
ザバーン!
〆のツッコミとばかりにビッグウェーブが男を飲み込んだ。
妄想による自滅。
絶対絶命。
バシューン!
鯨の潮吹きで空高く舞い上がる男。
「おあとがよろしいようで」
コレダこれだ(笑)。