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いわくつき。  作者: 山手みなと
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「いわくつき。」 誰かいる?

[第56話] 誰かいる?


私達家族は最近、この古民家に引っ越きてきた。


なんでも街おこしが関係していて市から補助金が出て格安で移住できるという魅力で両親は即決だったらしい。


周りは自然が溢れ、畑で野菜を自家栽培できる環境だ。


私としてはどこでも良かったが、

都会の暮らしに疲れていたし私と妹も成人していることもあり、何も心配する事は無かった。


ただ、ショッピングセンターが近くに無いのが少し不満だった。


でも買い物に行く時は車を走らせれば、そんなに苦労はしない場所でもあるので生活には意外と直ぐに馴染むことが出来た。


そんな何気ない日常のある日、天井裏で物音が聞こえてきた。


よくある、ネズミが這う音だろうと最初は思っていた。


しかし、その日を境に謎の声が聞こえてくるように...。


そう、この物件は元々空き家で以前の家主は謎の失踪を遂げた後、行方不明のままらしい。


しかも江戸時代には大黒屋だったことも聞いたことがある。


だから、霊現象が起きてもおかしくないのかな?という感じである。


本当に霊現象なのかは分からないけど妙な違和感だけ抱きつつ、何となく日々を過ごしていく。


そして夏休みの今、私達家族は1ヶ月の豪華客船旅行に出掛けていた。


無事に旅を終えて帰ってくると、何か雰囲気が違う...。


お風呂場が妙に湿っている...。


冷蔵庫の中身が減っている...。


そして、後日...。


公共料金の請求書が...。


高い...!!


防犯上、電気は夕方に点灯するように設定していたが、それ以外に電気代は冷蔵庫くらいだよな...。


他に使わない限りおかしい。


もしかして、漏電かと思い業者に依頼するも点検では配電に問題無しという結果だった。


ふと、私はある都市伝説を思い出した。


家の中に違和感があった時は、

" ベッドの下に何者かが潜んでいる " という怖い都市伝説...。


知らない間に侵入し、物色し、ベッドの下に身を潜めて暮らしぶりを間近でストーキングしている恐ろしい奴の事...。


とりあえず確認で、恐る恐るベッドの下を覗いてみる...。


だが、誰もいなかった...。


そして、謎の音が聞こえるという屋根裏を疑ってみた。


蓋を開けライトで照らすと...。


何者かが普通に布団に入って寝ているではありませんかっ!!


バレたら襲われる...。


私は身の危険を感じ、音がしないようゆっくり蓋を閉めた。


そして直ぐさま、通報。


侵入者はあっという間に御用となり無事に終わった。


どうやら、その犯人は空き家にこっそり忍び込む常習者だった。


この地域は空き家が点在しているこてもあり、狙われやすい場所であることが問題であった。


しかも、霊が出るからいわくつきだと言われていたのは、ただの噂に過ぎなかった...。


噂と真実は違っていて、霊だと思われていた音や声の正体は侵入者の仕業によるものであったのだ。


そして、私達家族が引っ越してきた時に抜け出すタイミングを逃したらしい。


しかも旅行の間に犯人が家で暮らしていたとなると憤りを通り越して恐怖でしかない。


噂では " いわくつき " ではあるが、霊よりも人の方がやはり怖い。


振り返れば、いつから天井裏に潜んでいたかと思うと、今でも恐怖がフラッシュバックしてしまいます。


ベッドの下、押し入れの中、カーテンの裏...。


どこに隠れているか分からない恐怖...。


あなたの家は大丈夫ですか...?

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