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いわくつき。  作者: 山手みなと
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「いわくつき。」 もったいないお化け

[第43話] もったいないお化け


私は陸上部で高校総体に出場する予定でいる。


短距離走が得意であるため、選考会では上位を占めている。


しかし、ある時...。


履き慣れた靴が汚れてきたから


新品に取り替えようと履き潰した靴は捨てることにした。


翌朝、捨てた筈の靴が玄関の外に立て掛けてあった。


母親に尋ねるが、なぜ置いてあるのか分からないという...。


「あんたが洗うつもりで置いたんじゃないの?」


汚れが落ちないし、使い古したから思い切ってゴミ捨て場に出したの。


何だか腑に落ちない私だったが、

気持ちは新しい靴を履くのが楽しみで、次の日には古い靴のことはすっかり忘れていた。


再び選考会に出場したが、全くタイムが出ない。

このままでは選考会どころか大会エントリーすら危うい状況だ。


一方で、古い靴は捨てる度に玄関に舞い戻ってくる状況が続いていた...。


それを見兼ねた母は、古い靴を一生懸命に洗って綺麗にしてくれていたのだ。


「洗えばまだ使えるじゃん。とりあえず、この靴でもう一度走ったら?」


「タイムが出ないのは、きっと、" もったいないお化け " のせいなんじゃないの?」


物を大切にしないとバチが当たると言うが、まさにその通りかもしれない...。


そして、選考会の当日...。


結果は、全体のトップタイムで見事大会出場の権利を勝ち取ることが出来たのだ!


やはり、物を大事にしたから良い結果に結び付いたんだなと思った。


しかし、靴が戻ってくる現象については違和感を拭えないでいた。


それもそのはず...。


玄関の防犯カメラに、ある男子生徒の手よって靴が戻される映像が残されていたんだから...。


「物が勝手に戻ってくるって、おかしいと思ったんだよね〜。」


後日判明したんだけど、その男子は、私のストーカーだったみたいで


捨てた靴の匂いを嗅いだ後、何かイタズラするように家の玄関に戻しに来たようだ。


数日後、彼は不慮のアクシデントに遭いこの世を去ることになってしまった。


それでも靴は戻ってきたようだ。


幽霊になってまでも彼は同じ行動をしていたようだ。


" もったいないお化け " は、もしかしたら誰かの霊が物に宿ってメッセージを伝えようとした結果なんじゃないかと思った。


そして、本戦の高校総体では優勝を飾ることも出来た。


その後、しばらくして彼の49日を迎えた朝...。


その靴は、忽然と玄関から消えてしまっていたのだった...。


捨てた覚えもないし...。


じゃぁ、靴は幻だったの?


玄関外にもゴミ捨て場にも無い...。


母に聞いても全く知らないと言う...。


よく考えると、彼はストーカーだったけど、同じ陸上選手でもあったんだっけな。


もしかしたら、彼の思いが靴に宿って速く走れたのかな?


真実は分からないけど、最終的に彼の成仏と共に靴が消えたのは納得がいった。


1ヶ月後、新しい靴を履いて短距離に挑む私。


もし、この靴を捨てようと決める日が来たとしても、何とか使えるのであれば最後まで大事しようと思った。


それをしなければ、" もったいないお化け " の手によって、再び舞い戻ってくるのだから...。

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