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いわくつき。  作者: 山手みなと
10/53

「いわくつき。」 遺跡発掘

[第10話] 遺跡発掘


私の趣味は古代遺跡や歴史遺産に関する全ての収集。

高校生の時、修学旅行で訪れた大阪で古墳を見に行ったのが始まりで、その時に古墳や遺跡に魅力に取り憑かれた。

現在は社会人になって10年...。

いくら仕事に追われていても週末にはきっちり休み、必ず遺跡をめぐる旅をしている。


特に遺跡は全国に存在していて、その景色は日常生活に溶け込んでいるから気が付きにくい...。

そんな所がレアな感じを醸し出している...。

特に、街の一角に自然公園があったり丘になっていたりする場所は遺跡が多いみたい...。


縄文時代や石器時代、古墳時代など博物館と呼ばれる施設では、それに関する資料を目に焼き付ける事が出来るし、とても興味深い!!


そんな私は、気付いたら全国の博物館を制覇しようとしていた。

中でも興味深いのが、日本が縄文

時代の頃、ヨーロッパは鉄道が開通していたという...。


" 世界は広いな!! " と感じる...。

中には、街の再開発によって出土した遺跡も多数あるらしい。

そんな時代を超えた物を目に焼き付けて感慨深い週末を過ごしている。


だが収集には注意事項があり、古墳に関して石や出土品は持ち帰ってはいけないのだ...。

いくら訪れた記念とはいえ...。

古墳とはお墓のことだから特に...。


ね...。


その時代のお墓は偉人の功績を讃える意味で古墳に祀られ後世に語り継ぐため形を残すという風習があった。

古代文明でも埋葬するときは肉体を長期保存できる施しで、手厚く葬られる。

現代の部族にも一部ではあるが風習が残っている地域もあるようだ。

埋葬される時、一緒に石器や装飾品を入れていたために出土の際に発見される事がよくある。


だから、おみやげは売店にあるレプリカを買って帰ることにしているのだ。

しかし本物を持ち帰った場合、とんでもない目に遭うらしい...。

100%バチあたりな行為であることは誰にでも分かる事だが...。


ある週末、友人と2人で遺跡発掘のイベントに参加した。

イベントの規則は、

" 出土品を発見した際は報告すること。"

" 発見したら壊さないよう無理に採掘しないこと。" となっていた...。

しかし友人は、発見した物を黙って持ち帰ってしまった...。


ネットオークションに出品すれば金儲けになると踏んだらしい...。

しかし、待てど暮せど入札が無く1つも売れていない事態に...。

結局、手元に残ることになったその物とは、石器時代の土器の一部だった...。


下手に扱うと、悪い事が起きるという都市伝説があり、マニアの間では有名な話しだが友人は知らなかった...。

数日後、友人は謎の病に見舞われ息を引き取ったのだ...。

持病は特に無くて昨日まで普通に元気だったのに...。

恐らくいわくつきに取り憑かれたに違いない...。

現実を受け入れられないけど、やはり持ち帰ってはいけない恐ろしさがよく分かってしまった出来事だった...。


気になってその土器について調べると、その出土品に関する資料には、持主が若くして生涯を終えているとあった。(その時代の平均寿命は30歳位だったとされている)

そして、宇宙人との接触に関する記事も書かれてあった。

土器には宇宙船らしき彫刻が刻まれている...。

やはり人間も宇宙のひとつだというメッセージが...。

そんなお宝を勝手に持出すなんて...。


古墳や出土品は後世に残したいメッセージを伝える物だが、本当の意味を解読するのは難しいらしい...。

中には、" 念が込められている物 " は " いわくつき " となってしまう可能性があるので専門家などに尋ねた方が良いらしい...。

たとえ解読できなくとも第六感的なインスピレーションで何かを感じたら止めた方がいいそうだ...。


あと、遺跡にまつわる逸話がある...。

現代では再開発事業の際に遺跡を発見することが多くなってきた。特に怪しい物については壊さないように避けるように工事を進めてきた。

しかし、知らずに上から埋めるように再開発してしまった時は、工事関係者が怪我をしたりアクシデントが立て続けに起こっている。後によく調べると、実はそこは遺跡の眠る場所だったという話は昔からよく聞く。


少し話が逸れたが、出土品を持ち帰った友人は昔の人の逆鱗に触れてしまったのか?と考えた。

今となっては真相が明らかにされていないが、 " いわくつき " が原因であることに私は違和感を感じずにはいられなかった。


これからは自分も興味本位で持出さないように気を付けようと思った。

遺跡についてよく考えみると、街の景色をよく観察すると興味深い。

" なぜあの道だけ変に曲がりくねっているの? " とか...。

" なぜあそこに公園があるの? " とか...。

よく見ると立て看板があったりして、日常生活では素通りしてしまいそうな場所ばかり。

古墳に関しては地図検索すると、たくさん出てくるので、全国を見て回るにはまだ時間がかかりそうだ。

昔の名残りを散策するのも、何か新たな発見があって面白い。

目に見えている景色には全部意味があるんだなと、あれこれ考えながら週末を過ごした。


そんなある日、海外で遺跡発掘体験ツアーの募集を発見する。

運行は2泊4日のスケジュール。

彼女は思わず申し込んだ。

初めての海外進出。

国内も制覇してないのに、いきなり海外なんて物怖じしちゃうけどせっかくのチャンスは逃したくないと参加する意志は固かった。


ツアーとなる場所はエジプトで、ピラミッド付近で新たに出土品が発見されたらしく、まだこれからも出土が期待されている事から計画された物だった。


天空に輝く星が飛行機の光と区別が付かなくなるほど高度は高い。

長い空の旅を満喫しつつ...。

無事にエジプトに到着。

ガイドさんの説明をしばらく聞き入る。

「ココは深い穴だから足元に気をつけて」

真横にはピラミッドがあり、積み石についても説明があった。

「石を切り出して運んだと言われていますが重すぎて物理的に不可能なんです」

「現在は、コンクリートと同じく型に流し固めて作ったと言われています」

と、新たな説をガイドした。

確かに現在の説の方が納得いくよなぁ...。

なんて考えていると、本題の遺跡発掘は面白くなりそうだと胸が高鳴る。

しかし、本当に発掘していいものか...?

実は、発掘作業は専門家にしか許されておらず、一般には禁止となっている。

このツアーはすでに発掘済みの品を、再度埋めて宝探ししてもらうイベントだったのだ。

運動会の飴玉探しと一緒だね。

だが、宝探しとはいえ、出土品。

王様が身に着けていたとされる装飾品や武器などが出るらしい。

「これは凄いなぁ」と感心。

気が付くと周りには出土品があちこちに。

装飾品はルビーやトルコ石が光り、武器にはエメラルドが光る。

しかも、この中で欲しければ買取が出来るらしい。

「私の給料じゃ一生かかっても無理だな...」

と、諦めているところに、食器がたくさん出てきた。王様にしては装飾していないな。

これは、なにやら奴隷の人々の食器だという。

「なんだか凄いから買取りしようかな?」

しかも、タダ同然の金額に驚愕した。

後に分かる事だが、

これには裏があり、奴隷が使った食器だけに何か恨みのような " いわくつき " があるとされていたのだ。

中には生贄にされた人々の念が残っている物もあるらしい...。

過去には、食器を手にした考古学者が次々に災難に遭っている事実があり、最後には収拾がつかない事態になったようだ...。

さらに供養を考えたが、方法が分からない現地の人は、ツアー参加者の手に渡してしまおうと考えた...。


それを私は買ってしまったわけだ...。


その夜は現地に宿泊していたんだが、寝ていると妙な夢にうなされた...。

何やら戦争?合戦?みたいな状況に自分が立たされている。

未成年なのに戦場で剣をふりまわしている。王様をお守りするため、領土を守るため戦っている。

彼には妹と弟がいる。親は病気でいないため兄として面倒をみているらしい。

しかし、善戦も虚しく、相手国に切りつけられてしまう。

兄は助からなかった。家に残ったのは、その食器だけとなった。

残された妹と弟は、食器を兄の片見として、地中に埋めた。

数年後には戦争が終わっていることを願い、大人になったらタイムカプセル的に掘り起こすつもりだった。

それは夢であったが、正夢みたいにリアルな映像だった。

現地のガイドさんに昨晩見た夢を話すと、それは本当の出来事らしいと分かった。

タイムカプセルは事実のようだ。

さらにガイドさんは付け加えた。

「その願い通り、戦争は終わっていたんが、妹と弟は謎の疫病に犯されたため最後を迎えてしまったんだ。だから食器は掘り起こされることは無かったんだよ」

「それが現代になって偶然掘り起こされたというわけなんだ」

そんな歴史があったんだぁ...。

じゃぁ、これは私が手にしたから兄の夢を見させられたのか?

少し霊感がある私に見てもらいたかったのかもしれない。

日本で遺跡発掘を長年してきただけあって、目に見えない何かを身に付けていたのかな?

でも簡単にいわくつきを手にしていいものか?

せっかく買ったのに勿体ない。

そういえば、現地では供養の仕方が分からないと聴いていたな。

帰国したら供養に出そう。

2日目の夜、また同じ夢にうなされる。

心の中では、もう分かっているよ。と俯瞰で夢見る。

しかし、目が覚めると、なんだか腕に傷が!

どうやら切られたであろう箇所であった。

身に覚えが無い。

確か夢の中で切られたような気がする。

次にまた同じ夢を見たら、命が危ない。

都市伝説では、 " 同じ夢を見続けると、夢と現実が近づいてリアルになって体に異変が出る " と言われているらしい...。

「だから、気を付けないと!!」


ついに帰国のタイミングが来た。

朝を迎えたが、腕に痛みが走る...。

そして無事に飛行機で飛び立つ。

だんだん現地と離れつつある。

すると国から離れたところで腕の痛みとが消えていた。

日本に着いた頃には完全に無かったかのように、腕は綺麗だった。

現地に残る念から離れたからだと思った。

帰国するとすぐに供養に出した。

しっかりお祓いをしてもらい無事に全てを終わらすことが出来た。

その夜、また夢を見るが、

出てきたのはあの食器の持ち主の3人だった。

「やっと手にして貰えて嬉しかったよ。これでお兄ちゃんも報われるはずだよ」

と言われて夢から覚めた。

しかし、これでハッピーエンドではなかった。

あの時、なぜか供養にかかる費用はタダでしてもらったんだが、お焚き上げされておらず、現物は残っている状態。住職がエジプトの出土品だということで気に入って貴重に保管していたらしいのだ。

だから夢の中の3人の思いはまだ晴れていないかもしれない。

その住職も彼女と同じ夢を見させられていたようで、腕に傷。胸に傷。と順を追っていた。同じく身の危険を感じため、最後まで供養をやり直したらしい。


なぜこんな事になったのかというと、あの時、実は彼女に祓いはきちんと行ったんだが、供養はしておらず、ただ住職の手に渡っただけでその食器をネットオークションに出品しようと企てていたのだ。

これじゃぁ、友人が出品で金儲けしようとしたのと同じじゃん...。

危うく命を落とす所だったじゃん...。

手に渡ったのが住職でよかったよ。何かの手違いで何も知らない一般の人に渡っていたらと思うと恐ろしいわ...。


でも今は、お焚き上げも終わっているし、成仏出来ているはずだと思う。と考えると彼女は安心した。

やはり、 " いわくつき " には取扱注意だなと思った。

そんな彼女はこれからも大好きな遺跡発掘の旅に出かけるのであった...。

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