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静かな場所を望んだ聖女の末路

静かな場所を望んだ聖女の末路(続編)

作者: ひだまり

長らくお待たせしました!!

短編「静かな場所を望んだ聖女の末路」の続編です。

どうぞ!

んんっ…なんか…明るく…?


「産まれましたよ!元気でかわいらしい子ですねー!」


転生…したってことよね?しかも赤ちゃんから…なのね。

視界がぼやけていて見えにくいけれど…私のお母さんは、黒髪、黒目だわ。珍しいわね…。

私の見た目は変わってるかしら?私の姿も早く見たいわ。

そのためにも早く歩けるようにならなくちゃね!よーっし!この日本という静かな国で第二の人生を送るわよ~!


**


私が産まれてから十一か月。

最初のうちは同じような光景、同じような日々を送っていたからつまらなかったけれど、だんだん立てたり歩けるようになってきたわ。


それで、鏡のあるところを探し出し、自分の姿を見てみたの。

そうしたら、私の顔は…前の世界の私とほとんど変わっていなかったのよ。

さすがに派手だった髪や目の色は、お母さんと同じ黒色になっていたけれど。

私自身、そんなにかわいいと思っていなかったから、顔も変わっていてほしかったのだけれど。

まぁ…しょうがないわよね。私の願い通りに転生させてくれた神様には、感謝しなきゃ!


**


それからまたまた三年。

もう少しで幼稚園というところに行くみたい。

幼稚園というところでは、同じ年の子供たちで集まって作業するそうよ。

うるさくないといいのだけれど…。


あと…最近お母さんもお父さんもお外に行ってしまっていて、全然遊んでくれないの。

なんか…つまんないわ。もっとかまってくれてもいいと思うのだけれど。


**


それからまた一ヶ月くらいたち、ついに幼稚園に行く日。

どんな子がいるのかしら?お母さんに、友達ちゃんと作りなさいよって言われたけれど…静かな子と仲良くなりたいわ。

もうあのような悪夢は繰り返したくないもの。

…あと、お母さんに声をかけられたのは一か月ぶりかもしれないわ…。

あら?あそこに見えるのが、私が今日から通う幼稚園かしら?

なんか…ボロいわね。ちゃんと人がいるのか不安になるほどだわ。


「いってらっしゃい。」


え、もう?

だって、まだすごく遠くの方に見え始めたくらいよ?

そう思ってお母さんの手を離さずにいると、


「早く行きなさいよ、わがまま娘。」


と言い、乱暴に手を離すと行ってしまった。

…しょうがないわよね。お母さんは忙しいんだもの。


…この気持ちは、何?

っ!もっとかまってほしいなんかじゃないわよ!

…しっかりして!私!!こんな静かな所、私が望んでいた空間そのものじゃないの!!

私は静かに生きるのよ!


それから少し経ち…。


『あぁ…。なんてわがままな人間なのでしょう。私の目が間違っていたわ。認めなければよかったわ。もう人として駄目ね…。』


その女神の言葉でまた一人、この世界から消えていくのであった。


~end~



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― 新着の感想 ―
[一言] なんつうかこう、人としての当たり前を望んだだけなのに、ワガママとはこれ如何に? どっちかと言うと、この女神こそが出来損ないのポンコツでは?
[一言] 女神様無慈悲!
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