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海水浴① 誰か水着の褒め方を教えてくれ




 今朝のテレビニュースによると最高気温が36℃という猛暑日らしい。こんな日に外に出たいとは思えないが、運悪く今日が弓波と神山と海に行く日になっていた。たまたま被った猛暑日、今からでも予定変更といきたいが忙しい神山にそんなことはできない。


 あの日から2人とは1秒すら会っていない。1週間ほどしか空いてないが寂しいのは慣れが影響している。暇だと思えば思い出し、掃除中でも集中できずにホワホワと浮かんでくる。これだから美少女と関わるのは危険なんだ。


 集合場所なんて弓波の家かと思っていたが現地集合という珍しいチョイス。集合時間は13時、今の時間は12時半過ぎで1番暑さを感じるとき、俺は砂浜を見ては陽キャの集まりを視界に捉える。なぜ陽光よりも陽キャたちをみてより暑さを感じるのか、謎だ。


 待つのは嫌いじゃない。待たされたことが今までないからそう思えるのかも知れないが。


 今まで遅れたことのない2人ならきっと遅れることはないだろう。そう思っていてももしかしたら遅れる可能も考えられるのがあの2人の不思議なとこ。スボラとポンコツ、自由人とイジるの大好きコンビならわざと遅れるなんてこともしてきそうだ。


 それから待つこと20分、珍しく読みは外れ、時間前に2人はやってきた。


 「やっほー来栖くん」


 「ああ、思ってたより早かったな」


 「来栖くんが私たちがわざと遅れてくるとか思ってそうだったから遅れるのはやめとこうって結奈が」


 「なるほどな」


 なぜこの神山という女子は俺の心を読めるのだろうか。俺が自分自身の思ってることが周りに漏れる能力でも持っているのかもな。


 「それじゃ早速行きましょ」


 弓波は海に行きたくてしょうがない衝動を頑張って抑えているようだが、だだ漏れしている。普段こういうとき行こうとか自分から言い出すことはないのに、張り切ってるときだけはこういう1面を見せる。


 「そうだな。暑いし」


 日本でこれだけの暑さ、赤道直下ならもう生きていける自信がない。長袖とかを着たことなかったりして。


 そうして俺たちは砂浜を目指して歩き出す。神山が片手にパラソルを持っていたので代わりに持ってやる。重いものは持たせるわけにはいかない。


 「お、ありがとう。優しいねー来栖くん」


 「まぁな」


 否定はしない。


 弓波の隣を歩く。横を見ないのは目のやり場に困るから。まぁここでジロジロ見るほうがおかしいと思うが。見たいとは思うがそれよりもカウンターを食らうのを避けたい。


 顔を赤く染めるのは俺じゃなくて水着を褒められる側だけでいい。


 「よーし、ここらへんでいいんじゃない?」


 「そうだな」


 ついたとこはいい感じに人がバラけており周りにも少ない。いや、2人の覇気に押されて退いたのかもしれない。そりゃこんなスタイルの良い美少女2人が近くにいて他の女性は一緒に見られたくないだろう。男は逆に寄ってきそう。


 パラソルとシートを砂浜にセットする。ハワイで見るやつを想像していて、ほとんど大差ないほどにできた。2人が居ればどんなに適当でも映えるかもしれないな。


 「それで会って1回も褒められてないんだけど?」


 「……めっちゃ似合ってる。2人とも」


 「ありきたりね。もっと語彙力ないの?」


 「そんなに褒めてもらいたくて着てたのか?それなら悪い。あと、俺の語彙力が原因じゃなくて2人が似合いすぎててそもそも日本語じゃ表現できないだけだ」


 このためにいろいろ調べてきたんだが結局2人を前にすれば忘れてしまった。なんだっけ、オフショルダー?とかいう水着を着ているのは神山で、白を基調に花がちらほらしている。胸も中々にでかく、可愛い神山が着れば見る男の鼻血を誘うことは間違いない。


 弓波はまだ上着を羽織っていたので詳しくは分からない。が、麦わら帽子だけでも十分に破壊力はあった。


 「なかなかいい褒め方だよ、それ」


 「そうか?それなら良かった」


 女子の褒め方は義務教育にでもしてくれないと世の男子は選択をミスりまくってどん底に行ってしまう。女慣れした男は今までどれだけ後悔を積んできたんだろうな。


 「2人とも泳ぎ行きましょ」


 「だねだねー」


 「俺、飲み物買ってくるから先に行っててくれ。あ、何か飲み物いるか?」


 さすがにこの暑さでは水分が取られていく。熱中症はこの時期1番の敵だ、気をつけなければ。


 2人とも飲み物はお茶をお願いし、海に向かって走っていってしまった。その背中を眺めるだけでニコッとしてしまう。これが陽キャの言う青春というやつかと新たな一歩を踏み出したかのように思う。


 浮き輪を持っていてたので弓波か神山のどちらかが泳げない可能性があるのか、もしくはただ遊ぶために持っていったか。スポーツ万能な2人なら泳ぐことぐらい簡単だろうから後者が正解だ。


 自販機前からでも見える2人は写真を撮ってコンクールに出せば賞を取れるんじゃないかレベル。50mぐらい離れていても周りで泳ぐ人より一際目立っていたのは俺の気持ちが関係しているのか、はたまた誰から見てもそう感じるのかは誰もわからない。


 3本ペットボトルを持ちパラソルの下へ戻る。誰か残らないといけないが、盗まれても大丈夫なように近くで遊んでいるところを見るにホントはしっかりしているんじゃないかと錯覚させられる。

 少しでも面白い、続きが読みたい、期待できると思っていただけましたら評価をしていただけると嬉しいです

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