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思い出作りの準備




 「海に行くことか……」


 今回のヒントはヒントとして機能していた。俺が呼ばれたことと海に行くことを繋げればいいだけ。まぁ深く考えずとも答えの予想はついた。


 「日焼け止めとか海で使うグッツを買いに行くのか?」


 俺は日焼け止めは塗らないし海なんて倉木とも行かないのでグッツがあってもどんなものなのかまでは知らない。俺は家の外の世界に疎い。


 「んー正解かな」


 「当たったのか?珍しいこともあるな」


 「100%ってわけじゃないけどね。ホントは水着を買いに行く予定でしたー」


 「水着?」


 盲点だった。2人なら水着なんてすでに持っているものだと思っていたしそもそも男を誘って買いに行くようなものでもない。ついていったとして俺は何をすればいいのだろうか。


 「私は久しぶりだし楓華は初めてだから持ってないんだよーん」


 「あー、そう言われれば弓波が水着を持ってないのも分かる」


 「なんで私だけ?」


 「俺と似たタイプだから」


 神山はもう毎年海に行っては思い出を作っているだろうから持ってないことはないと俺の中では決まっていた。実際久しぶりということでそんなこともなかったようだが。でも弓波ははしゃぐタイプじゃないからきっと夏の思い出なんて俺と同じ空白だと思っていた。


 「それで、俺がついていく理由がないんだが」


 「ホントに?来栖くん海パン持って無いでしょ」


 そこで初めて気づいた。弓波と俺は一緒と自分で言っているのに俺は海パンを持っていないことに。


 「……無いな」


 「でしょ?知ってた。だから来栖くんも買いに行くんだよ」


 海に行くなら海パンも必要だよな。海に行く=海ではしゃぐ美少女2人を眺めるだけだと無意識に思っていたのだろう。俺も泳ぐのか……。


 一応泳げるので遊ぶことには困ることはない。


 「ってかなんで俺が持ってないって分かるんだよ」


 「それは来栖くんだからだよ」


 「……そうか」


 自分でも納得できる答えだった。そりゃ傍から見たら陰キャな俺が夏休みに海でワイワイしてる姿なんて想像つかないだろう。悲しいが現実はこうだ。仕方ない。


 そういうことでこれから俺たちは水着含め、海で使える物を買いに行くことになった。荷物持ちではないがせっかくなので海パンを持ってないことに気づかせてくれたお礼としてできる限り2人の荷物は持ってあげたいと思う。


 俺と神山はソファにて弓波が着替え終わるのを待つ。その間も神山の男女の距離感はバグっていて、ソファに座るなり寝転んだままくっつこうとしてくる。


 「やめろよ」


 猫のクッションを変わりにくれてやる。


 「ホントは嬉しいくせにー」


 ニヤニヤとし表情は見慣れたと言えるほど見てきたが種類があるようで飽きない。それに可愛いので見ていられる。やはり美少女という存在は偉大だ。


 「来栖くんの反応面白いから好きなんだよね。嫌がってるけど照れてるのを隠そうとしてるのめっちゃ面白い」


 「……うるせー」


 バレているのは恥ずかしい。隠そうとしていることがバレているときほど恥ずかしいと思えるものはない。自分はバレていないと思っていても相手は全部わかっていて、それを俺に合わせて知らないふりをされていることを後々知ると恥ずかしすぎて学校に行けないレベルだ。


 俺は顔が赤く染まりやすいらしい。だからバレたのだろうが、バレやすくても隠したいと思うのは普通のことではないだろうか。


 神山と2人になるのはいろいろと危険だ。隠し事をしてもすぐバレそうな、そんな洞察力を持ってそうだから。


 「お待たせ」


 戻ってきた弓波は1言で言うとめちゃくちゃカッコよかった。そもそも163cmの身長のためスタイルがよく、顔も可愛いよりキレイなので、総合的に見ると美人だ。そんな弓波が黒を中心とした服を着こなしているとこを見ると釘付けになる。クールに見えるが容姿だけだ。友達として会話を始めたらイメージが180度回転する。


 ちなみに隣にいるポンコツ神山はというと身長157cmで顔は誰が見ても可愛い寄り。服もカジュアルで似合っている。2人とも何を着ても似合うのだろうが今がベストといったとこだろう。見てる側がお金を払うレベル。


 「思ったより早かったね」


 まだニヤニヤしている。そんなに俺をいじるのが楽しいのだろうか。ニヤニヤしたまま弓波に話しかけるのは変だと思われるだろうに。


 「そう?急いでないけどね」


 何が?と首をかしげる。何をニヤニヤしているの?という疑問も含まれているのかもしれない。


 「それじゃ楓華も来たことだし行こうか」


 ソファから腰を上げる。まだ涼んでいたいのだがそんなことは聞いてもらえない。


 「なるべく早く帰れるように選んでくれよ?」


 「任せて。私はちゃっちゃと決めるから」


 「神山じゃない。弓波に言ってるんだよ。絶対、これにしようかなこれにしようかなの連続になるだろうから」


 「そこまで言うならホントにそうしてあげるけど?」


 「すみませんでした」


 弓波は意外と拗ねる。ギャップなので可愛く思えるが、拗ねるとめんどくささが増し増しになるので扱いが大変になる。今はメリットよりデメリットが圧倒的にでかいのであまり負荷をかけないようにしなければならない。


 真っ先に玄関を出ると再び陽光が肌を刺す。本当にチクチクと伝わるものは紫外線だけだろうか、上からだけではなく後ろからもチクチクと伝わってくるのは勘違いだろうか。

 少しでも面白い、続きが読みたい、期待できると思っていただけましたら評価をしていただけると嬉しいです

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