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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【BL】優先順位の一番目

作者: Ag/あぐ

※このお話は、王道学園の脇役主人公というジャンルを理解されてる前提のものとなっております。十年程前に流行ったジャンルなので分からない方は検索してみて下さい。


■白石翔/主人公

王道転校生の隣の席の爽やかイケメンスポーツ少年。親衛隊は結成されてないが人気者。


■小松勇気

王道転校生。地味でオタクのような見た目。主人公と森川は親友。何故か美形にモテる。


■森川修平

王道転校生と同室の一匹狼な不良少年。主人公になかなか名前を覚えてもらえない。美形。


自サイト掲載: 2010.10.15

朝練を終え、クラスメイト達に挨拶しながら教室に入ると、居眠りが出来る最高の窓際一番後ろ席の隣に新品の机が用意されていた。


(なんか時期が変だけど転校生か!)


皆も其処が気になっているようで、今まさにその話題で騒ついている。


(席は俺の隣になりそうだし、面白い奴だったら楽しくて良いよな!)


一人機嫌良く笑って自分の席に座る。早速机に日差しが当たって暖かい。取り敢えずHRまでの間俺は眠るぜ。


と、そう思ってすぐに寝ていたらしい。


「んぁ…?」


ふと目を覚ますと、教壇に担任と初めて見る生徒が立っていた。目元まである前髪と眼鏡の少年だ。彼らの上にある壁掛け時計を確認すると、俺は15分位は眠っていたようだ。んん~っと前方に腕を伸ばしながら欠伸をして、何やら既に親しげな二人に注目する。


「おら、勇気挨拶しろよ」


「おう!」


(ん?)


あの担任が生徒を下の名前で呼ぶなんて、珍しい事もあるもんだな。


「俺は小松勇気(こまつゆうき)だ!って言います!皆仲良くしてくれますよな!!」


教室内に響き渡るような大声に、敬語下手くそかとツッコみたくなるようなヘンテコ挨拶をかました小松。笑いの沸点が低いと自負する俺は、眠気もぶっ飛び思わず噴き出した。正に眠気覚ましに丁度良い!


俺が口を押さえて笑いを耐えている間、他の生徒達は小松を見ながらこそこそと話している。俺はその内容を聞き取れなかったが、小松は途端にむっとした表情になる。


「人を見た目で判断すんな!そういうの最低ですぞ!…ふんっ前言撤回だ!仲良くしてくれなくて結構です!」


「っ…」


素直な性格には好感が持てる。でも正直すぎる言葉につい吹き出した。敬語も相変わらず滅茶苦茶だ。


「ぷっ…ははっ、あははは!小松、お前面白いな!俺は気に入ったぜ。なっ、早くこっち来いよ。お前たぶん俺の隣の席だから、こっち来て話そうぜ」


「!…お、おう!お前名前は!?俺、小松勇気!」


「ふはっ、それはさっき聞いたわ!俺は白石翔(しらいししょう)。これから宜しくな」


「おう!」


慌てたように素早く隣の席に座った小松は、俺の言葉にパァッと明るく笑った。長い前髪と眼鏡で分かりにくかったが、近くで見ると彼は結構可愛い顔をしていた。


『嘘…白石君が…』


『くっ…あの地味オタク!』


ん?

なんで皆そんな怖い顔してんだ?


俺は訳が分からなかったけど、これから毎日が面白くなりそうで、ついニカっと笑顔を浮かべた。


+++


あっという間に一限目の授業が終わり、休み時間になった。授業中にこっそり小松と話したが、やはり彼は無理して敬語を話していたようだ。あれはあれで面白かったが、俺の腹筋がもたなくなるのでやめてもらった。彼は結構表情がコロコロ変わって見ているだけでも楽しい。彼とはすぐに下の名前で呼び合うまでに仲良くなった。


「あっ、修平ー!」


「あ゛ん?…って、勇気か」


俺が学園について簡単に説明していると、勇気がいきなり立ち上がり大声で廊下にいる人物へと話し掛ける。教室内の視線が集まったが勇気は気にならないらしくあっという間に出て行った。俺はそんな勇気の姿を視線で追う。


「修平、遅いじゃん!授業はちゃんと一限から出ないと駄目だろ!」


「…あー、悪い」


そこには、このクラスで俺が唯一まだ話した事がない、陰で一匹狼と呼ばれている不良少年が立っていた。勇気は彼とも親しげだ。


「あ、そうだ。おーい翔!」


「んー?」


そんな一匹狼不良と話していた勇気だが、最中にいきなり俺に向けて手を振ってくる。不思議に思ったが俺はそれに笑顔で振り返した。


「ちょ!振り返してねぇで、早くこっち来いよ!」


「え?あ、ははっ!俺これ呼ばれてたのか!」


勇気の突っ込みについ噴き出してから廊下へと出る。


おお!

この不良少年は、遅刻はしてくるし、ちょくちょく授業をサボるので話し掛けるタイミングが今までなかった。この先まともに対面出来る日は来ないんじゃないかと思ってたのにこんなあっさり間近で見れるとは!勇気マジックってやつか、すげぇ!ホント面白い奴!


「修平!こいつ隣の席の翔!俺の親友!」


「は?」


「おっ?俺ってもう勇気の親友に昇格してたのか。そりゃ光栄だな」


「おう!で、翔。こいつ寮では同室の修平!親友だ!」


「勇気…」


「あっはは!そいつも親友なのか。親友が沢山いて何よりだなっ」


「だろ!」


グッとサムズアップしながら勇気に笑顔を向けていると、狼不良少年の彼がじっこちらを見ている事に気が付いた。ってあらら?これはもしかして睨まれてんのか。


「なぁ勇気、こいつの名前なんだっけ?」


「え?修平ってさっき教えただろ!」


「おっとそうだったな!えーと、修へ」


「森川だ」


「ふはっ、名前呼びして良いのは特別な勇気だけって事なんだな。って名前は森川な、森川!なぁ森川、同じ勇気の親友同士これから仲良くしようぜ!」


「…は?ふざけんな。なんで俺が」


「つーか近くで見る森川マジ格好良いな!」


俺は睨んでくる狼不良に笑いながら手を差し出した。


「っ…うぜぇ奴」


その掌をパシンと叩かれた。

お?これはお怒りか?と思ったけど、彼は視線を逸らしてむっつりと名前を名乗った。


「…森川修平(もりかわしゅうへい)


「それはさっき勇気に聞いたぜ!」


「っ…てめっ!」


話してみると、この狼不良もなかなか面白そうな奴だ。俺はワクワクしてきてつい笑顔が止まらなかった。


+++


それから数時間後。

四時間目の授業は体育だ。


体育の授業は二クラス合同で、今日は体育館でクラス対抗バスケをしている。俺と勇気達は前半に出て今は後半戦を隅の壁際で見学している所だ。


「それにしても勇気は足が速いんだな。すばしっこくて相手チームがやりにくそうだったぜ」


「翔も滅茶苦茶速いじゃん!俺について来れる奴ってなかなかいないのに!何かスポーツとかやってんのか?」


「おう!毎日部活で体動かしてるぞ。サッカー部な」


「そうなのか!」


「そうそう!」


俺達が仲良く話していると突然、も…森下…いや森谷…いや違うな森本…あれ?……狼不良が二人の間にぬっと割り込んできた。


「うお!?どうしたんだよ修平!」


「あっはは!狭いぜー」


「近ぇ…」


ボソッと呟き、彼は俺をじっと睨んでくる。俺はそれにニッと笑い返した。すると調子が狂ったのか、すぐにバッと視線を外される。


「なぁなぁ、暇だからカバディやろうぜ!」


そこで勇気が急に立ち上がりそんな誘いをしてきた。俺はついキョトンとする。見ると狼不良もキョトンとしていた。俺達気が合うじゃん。


「えっと、勇気ごめん!カバディってなんだ?」


「…」


「えっ!?カバディ知らねぇの!?」


「マジごめん、でも知らねぇ!あ、その様子だとお前も知らないよな?えーと、森…?」


同意を得ようとしたが名前が出て来なかった。


「ってめ!森川だって数時間前に教えたばっかだろうが!」


「あ、そうだったそうだった。森川な森川。うんうん、まじごめんなぁ」


「………はぁ」


「そうか、カバディ知らねぇのか…ショック」


俺と森川が話している間、勇気は落ち込んだ様子で床にのの字を書いて座り込んでいた。あからさまな様子が笑いを誘う。


「白石くーん!」


「ん?」


ふいにコートの方から名前を呼ばれてそちらに視線を向ける。どうやら怪我人が出て助っ人をお求めのようだ。


「あ、俺行ってくるわ。カバディについては後で教えてくれな」


二人に手を振りコートの中へと走る。クラスの仲間達に笑い掛け、パスされたボールをスリーポイントラインから投げ入れた。スポッと気持ちが良い位に綺麗に決まりガッツポーズ。


今日は面白い奴が隣の席に来るし、あの不良少年ともお近付きになれたし、俺の生活充実してんな。あと恋人なんか出来たりしたら完璧だよな。


俺は爽やかな汗をかきながらコートの中を動き回った。


+++


体育の授業が終わり、待ちに待った昼飯の時間だ。俺は勇気達と共に食堂にやってきた。


この学園の食堂は入り口付近だけはいつも騒がしい。毎日そこを陣取っている生徒達がいて、クラスも名前も知らないが顔だけは知ってる彼らに今日も嬉しそうに手を振られたので笑顔で振り返した。格好良い森…不良が一緒だからか、いつもより賑やかだった。


相変わらず混み合ってる食堂内。しかし森…不良のお陰であっさり譲ってもらった席に座りながらメニューを開く。


動いた後はがっつりいきたいぜ!という事で、俺はカツ丼を頼んだ。見ると、勇気はオムライス、森…不良は日替わり定食を頼んでいた。


いつも感心するが、この混み具合にしては料理が届くのが早い。今日もたった五分程で料理が届き、早速カツ丼をガツガツ食べ始めていると、入り口付近だけでなく食堂全体が騒がしくなった。


「ん?なんか…」


「…チッ、面倒臭ぇのが来やがったか」


「?どうしたんだ二人とも」


勇気は入り口の方に背を向けた状態で座っているから気付いていないが、入り口からこの席の間の通路にいた生徒が避けに避けて、ここまでの道だけ人がいなくなった。モーセの十戒みたいですげぇ。なんだこれ面白っ!


「ななな、勇気後ろ向いてみ。すげぇから」


「あ、おい!」


「後ろ?…うわっ!なんだこの状況!?」


左右に割れた生徒達に、勇気は若干引き気味だ。


「て、あれ?生徒会役員達がなんかこっち来てるような気がすんだけど、気のせいか?」


「気のせいじゃねぇよ、確実にこのテーブルに向かって来てんだよ!」


「おっマジかよ。俺、生徒会役員を近くで見んのも初めてだ」


「っ………お前」


つい顔を輝かせると、森…不良は疲れたように溜め息を吐いた。意外に苦労性なのかもな。


「勇気!」


「へ?」


森…不良と話している間に黒髪センター分けの美人が一番に勇気に駆け寄って来た。勇気はポカンと間抜け面。なんだその顔!


「勇気、昨日振りだね」


そんな勇気の様子には気付いていないのか気にしていないだけなのか、美人はもう一度名前を呼んで勇気に抱きついた。


この人は生徒会の副会長だ。

嬉しそうに微笑む姿は流石絵になる。


普段はもっと黒いオーラの様なものを発しているのだが、今はそれもドピンクだ。あの副会長さえもこんな風にしてしまう勇気って奴は、益々面白い奴!


「オイそいつか?お前が気に入ったって奴は」


今度はスラリと背の高いイケメンが近寄ってきた。物語の王子様のような見た目のキラキラ生徒会長だ。まさか実物をこんな間近で見られる日が来るとはな。今日はホントすげぇ一日だ。


「言っておきますが、彼は僕のですからね。絶対に手を出さないで下さいよ。もし出したら…どうなるかくらい分かりますよね?」


「はっ!どうだろな。ま、んな地味なオタクみてぇな奴は俺の好みじゃねぇけど」


これが噂の俺様と腹黒ってやつの会話か。展開が面白くてついニヤニヤしちまうわ。


「お前!」


そこでいきなり、二人のやり取りに割り込む様に、副会長の抱擁から抜け出した勇気が生徒会長を指差し怒鳴った。


「人を見た目で判断するなんて最低だぞ!」


「ぶはっ…!」


「…」


相変わらずビシッと言ってしまう勇気に思わず噴き出した。隣で森…不良が俺を呆れた表情で見てくるが、もしかしてこれは俺の性格を早くも理解してしまった感じか。


「……く、くくっ!俺にそんな口をきくなんてな。面白い奴だ、気に入ったぜ。お前も俺のセフレにしてやるよ」


「は、はぁ!?意味わかんねぇ、ふざけんな!」


「会長!」


真っ赤になって怒る勇気と、黒いオーラを発して睨む副会長。しかし会長はニヤニヤした表情で余裕そうだ。


「……あ?」


「?」


するとそこで何故か会長と目が合った。


「…おい、てめぇら」


俺達が勇気と同じテーブルで食事を取っていたのだと今気付いたのか、会長は睨みながら俺と森…不良を見てきた。


「おっ、何すか?」


「こいつとどういう関係だ」


「こいつじゃねぇ!俺は小松勇気って名前があんだよ!」


「じゃあ、勇気」


「よし!」


(っ…)


二人のやり取りにまた噴き出しそうになった。この学園の生徒ホント面白い奴ばっかだよな。


「で?勇気のなんなんだ?」


「はい、親友っす!」


ニカッと答える。

しかし会長はそれにハッと鼻で笑ってこんな事を言い出した。


「どうせてめぇらも勇気狙いなんだろうが、残念だったな。今からこいつは俺のもんだ」


何やら勘違いをしている様子の会長だ。

俺は右手の指先をヒョイヒョイと振りながら笑って否定する。


「ははっ、違いますって!俺は勇気をそういう目で見てませんスから」


「はっ、本当かよ」


何故か疑ってくる会長。でも本当に本当なのだ。


「そもそも俺、勇気ってタイプじゃないんで」


「あ?」


会長が怪訝顔になる。気付くと、副会長も勇気も俺を見ている。いや、生徒会のせいで周囲の視線独占じゃん。俺はそれでも笑顔のまま、ピッと親指で隣を指差した。


「どっちかっていうと俺、森…不良の方がタイプなんすよね」


あ、やべ。

思わず森…不良って口に出しちまった。

また本人に怒られっかな。


「…もしかして森川君の事?」


その前に、ぱちくりと瞬きをした副会長が聞いてきた。すげぇ、もしかして全校生徒の顔と名前覚えてたりすんのか。


「そうそれ!森川だ、森川!はい、俺は森川みたいなのがタイプっす」


「しょ、翔!?」


お。勇気がめちゃくちゃ驚いてる。

俺そんな態度見せなかったしな。


「てめぇはどうなんだよ」


俺の発言に、若干呆れた表情に変わった会長は、今度は森川に視線を向けた。すると森川は面倒臭そうにボソッと答えた。


「俺も別に勇気に、んな感情持ってねぇよ。面白い奴だとは思ってるけどな」


お!やっぱ気が合うかもな森川。


「それに、俺も勇気より白石の方がタイプだ」


「はい!?」


勇気が目をまん丸にして固まった。表情が豊かすぎる!


「つかぶっちゃけると、白石には一目惚れた」


「お、マジか。俺達両想いだな!」


俺はつい嬉しくて森川を見上げる。すると森川は静かに、だな…と答えた。


「じゃあ、付き合うか!」


俺は益々笑顔を深くして言い放つ。それに森川は少し表情を険しくして俺に顔を近付けてきた。


「別に付き合ってやっても良いけどよ、ヤる時はてめぇが下だからな」


「あっはは!いきなりそんな事言ってくるとは予想外だぜ。面白いな森川は。俺、女の人としか経験がねぇから男同士のヤり方はよく分かんねぇけど、いいぜ!でもあんま激しいのは無しな」


「分かってる」


いきなりだけど恋人が出来たぞ!体育の時に思ったのはフラグだったんだな。これで俺も完璧ちゃんだわ。


「おい白石」


「ん?どうした森川」


ここに来てやっと森川の名前をちゃんと覚えられた。今まで顔がタイプ過ぎて逆に覚えられなかったのだ。恋人になった途端にストンと入り込んできて、俺って現金な奴!


「キスさせろ」


「「「は!?」」」


『きゃあああああ!』


「ははっ!意外と大胆なんだな森川って」


森川の発言に勇気と会長、副会長が間抜けな声を発した。周りの生徒達は何故かすげぇ興奮している。


「いいぜ、来いよ」


俺は思わず笑って受け入れ体勢だ。

森川はそんな俺にムードねぇなと呟きながらも俺の頭に手を添え顔を寄せて来る。


公共の場でいきなりキスさせろっていう森川には言われたくねぇよな。


「んっ」


あ、ちょっと長い…。


「好きだ、白石」


キスが終わると間近で目を合わせ告白してくる森川。俺は相手の顔の良さとキスの余韻で少しボーとしてしまった。だが嬉しさが勝り直ぐに、正気に戻る。


「森川まじかっけぇ、俺も好きだ!」


俺達は抱き合った。触れ合って気付いたけど、スポーツやってる俺より逞ましい身体してるぞ。


ブー…ブー…


「ん?」


やたら首やら耳やら髪やらにキスされていると、ポケットに入れていた携帯が震えた。


「あ、勇気!」


「…っ、へ、え!?」


きゃあきゃあとまだ騒がしい食堂で、一人呆けていた勇気に話し掛けると、勇気は慌てて返事を返してきた。


「悪い、部長に呼ばれたから残りの時間少し部室行ってくるわ」


「えっ…は、えっ!?」


「あ、森川もついて来るか?部員じゃなくても入れるからさ」


「行くに決まってんだろ」


「じゃあ、一緒に行こうぜ。勇気、また教室でな!」


手を握ってきた森川に笑いかけ、勇気に向かって別れを告げる。すると勇気は慌ててひき止めてきた。


「ま、待てよ!親友を一人置いて行くなんて最て…」


「悪いな勇気」


「え?」


俺は勇気に向かって三本指を立てた。


「俺の中の優先順位!一に部活と恋人。二に飯と睡眠!で、友達は三番目なんだ!」


そう言ってウィンクを飛ばすと、勇気は口をぱくぱくさせて、もう何も言って来なくなった。


ごめんな、勇気。

お前の事は面白くて友達として好きだけど、一番はやっぱ、部活と恋人だからさ。


俺と森川が去った後の食堂。

三番目と言われ置いて行かれた事にすすり泣く勇気とそれを哀れみの目で慰める生徒会の二人。注目されていた中での出来事と、全てを持っていったような二人がいなくなった事により、この三人が全校生徒に温かく見守られ続ける姿があったとさ。


END

当時、マイナーな一匹狼×爽やかスポーツ少年を書いてみよう。と挑戦した結果がこれです。

この二人のCPは結構気に入ってたりします。


ちなみに最初の方で森川が主人公に対してツンとしていたのは、一目惚れ+照れ臭さで素直になれなかったせいです。読み返してみて、そう見えるようになっていると良いのですが…。


そういえば、当時あまりにも主人公が某マフィア漫画の野球少年に似ているという意見があり、後から台詞など修正したのは今では懐かしい思い出となっていますね。


ここまでお読みくださりありがとうございました。

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