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カーブミラー
1
黄昏。
陽が低くなる時頃。
あるT字路にカーブミラーが一つ、陽の光を浴びる。
この時間帯だけ、スポットライトをつくる。
暗い影の一つが丸く切り抜かれる。
舞台。
世界にそこだけしかない、その時間にしかない舞台だ。
2
歪んだ自分を映す。
正しく映さないそれは。
幻だ。虚構だ。
自分が大きく、それ以外が小さい。
自分の願望か。ただの物理現象か。
暗く昏い意識に落ちてしまう。
ぐわんぐわんと揺れる。
そして今日も。
帰路に着く。帰る。
中二病っぽい。
どうかしている