準備
ユウキは三日後にマンゾウに紹介された仕事に参加する。
朝、起きると貯めていた水を桶ですくい外に出て顔を洗う。今日も晴れ晴れとしたいい天気だ。使った水は密かに裏地で育てている野草達にかけてやる。
(よしよし、順調にこっちも育っているな。)
前世で土いじりが好きだった俺としてはこの世界でも畑仕事ができるのはうれしい事であった。
ユウキは部屋に戻ると昨日作って余ったキノコと野草のスープが入った鍋に火をかける。
それじゃあ、今日の分をやってみますか。
「ガチャ!」
もう、慣れたものである。いつものようにユウキはガチャを回す。
ユウキ(・・・・・・・・きたーっ!!!!!こっこれはまさに・・・・、これぞ異世界チート能力の代表!)
【UR 異空間収納・・・・異空間へ物質を出し入れできる。生物は不可】
ユウキ(レア度も今までで最高のURじゃないか。それに、出稼ぎに行くこのタイミングでこの能力を引けたのは俺って凄く幸運だな)
ユウキは早速今得たスキルを試してみる。
「異空間収納!」
ちなみにスキルは別に声に出さなくても発動できる。今回はやっぱり初回だし、雰囲気でるしね・・・・。
目の前に黒い煙のような靄があらわれた。
ユウキ(ラノベだと、ここに手を突っ込んで・・・・・・)
ユウキは靄に右手を入れるが特に何の感じもしない。
ユウキ(では、今度は何かを・・・・・・・・・)ユウキは火にかけていたスープの鍋を靄の中に入れる。
ユウキ(おっ!!!簡単に吸い込んだな。あとは・・・・・・)とにかく部屋にあった工具箱や道具袋、1つしかない椅子なんかも入れてみる。
とりあえず、あっさりとそれらは靄の中に吸い込まれていった。
今度は取り出すには・・・・・。ユウキが靄の中に手を入れるとステータスボードが表示された。
・鍋(野草と茸のスープ入り)
・工具箱(工具一式入り)
・道具袋(鎌(小)、スコップ(小))
・椅子(木製)
なるほど、この中から・・・・・・あっ、であればあれも試したい。
とりあえずユウキは外に出て手ごろな石を片っ端から入れていく。
・・・・・・・・・・1時間ほど経ち、改めて異空間収納を見てみる。
・鍋(野草と茸のスープ入り)
・工具箱(工具一式入り)
・道具袋(鎌(小)、スコップ(小))
・椅子(木製)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(小)
・石(中)
・石(中)
・石(中)
・石(中)
・石(中)
・石(中)
・石(大)
・石(大)
・石(大)
・石(大)
・石(大)
・石(大)
ユウキ(しまった、いれすぎてしまったかも。容量を知りたかったんだけど、とりあえずかなりの量は大丈夫みたいだな。)
無駄に石を入れてしまい表示がすごいことになってしまった。ほとんど石である。まあ、取り出すのも面倒なのでこのままにしておこう。いざというときは捨てるだけだしね。容量についてはのちのち検証していければいい。もう1つわかったことは収納できる物は自分でこの靄の中に入れらる物に限られる。なので家(小屋)ごと収納ということは難しいようだ。