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匠の仕事
ユウキは生い茂った山菜群に向かい掌を構える。
「カマイタチ!!」
掌から放たれた風魔法は殆どの山菜を根元から切り落とした。
「鑑定!」
~~~ ~~~
ユウキは食用可能な物だけ異空間収納に放り込んでいった。
「はいっ!終了。更に~!!」
ユウキは小屋の裏手にある林にむかって風魔法を放った。
放たれた風魔法は背丈の高い雑草を刈り取り比較的大きな木にぶつかった。
バキ・・・・・・バキバキバキ・・バキバキバキバキ。
ぶつかった木は1発で綺麗に刈り切ることは出来なかったものの3分の2ほどまで切り込んだ傷が自体の重みによってゆっくりと倒れていった。ユウキは工具箱から腕程のサイズのノコギリを取り出し細い枝のみ落としていく。切り落とした枝はさらに細かいサイズにし家の隅に重ね薪として利用する。ユウキは剪定された大木を見つめ考えていた。
(これで少しはマシな家に改築したいな。今が何月かはわからないけど、ここが日本なら必ず冬は来るはず。)
ユウキの髪を心地よい冷たさの風が通り抜けた。




