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幻日譚  作者: 麓城結社
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6

「ねー、ほんとにここにあるの?」

「ミハヤの占いは信用しているんだが、ここまで暗闇しかないとな……、近いとか何か分かるか?」

「占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦」

「えっ、ミハヤ……」

「ミハヤ、分かってるんだよね?」

 僕らの焦る声と裏腹にミハヤは淡々と言葉を並べる。

「ミハヤの占いはその地に眠るものの声を文字にするだけ。そのものが知らぬことは浮かび上がらないし、嘘を吐かれたら分からない」

「その原理は知ってるよ。でも今まで全部当たってたじゃん」

「それはミハヤの方が強いから。嘘を吐いたら消されるとわかっていて嘘を吐く馬鹿はいない」

「じゃあ、今回も当たるじゃん」

「今回は、」

 先頭を歩いていたミハヤが立ち止まる。釣られて僕らも立ち止まる。

「戻る」

「ここまで来て何言ってんの。あたしは行くわ」

 リリはそう言い放つと白いガウンを身に纏ったミハヤを押しのける。

「リリ、待って」

 ご自慢のマントが引っ張られ、リリがこちらを向いた。

「何よ」

「説明する。ここから先に進むと下に落ちる。ふっと地面が消え下に真っ逆さま。そして、そこには何かいる」

「ターゲット?」

「かもしれない。ただ進みを見るとまだな気がする。ここはいったん戻り、見極めてから進みたい」

「ふーん、分かったわ。まあターゲットかの可能性があるならアサギさんも一緒に万全で挑みたいし。シンは?」

「ああそれでいい」

「分かったわ。あたしたちだけである程度見たかったけれど、アサギさんと一回合流して下を調べるってことでいいわね」

「ああ」

「問題ない」

 そうと決まれば、とリリは向き直り、音頭を取って元の道を戻りはじめる。僕らはリリについてい行く。


僕らは4人のチームでロウ大陸に渡ってきた。ターゲットは勿論闇の龍。魔法使いのリリ、占師のミハヤ、妖獣使いのアサギ、剣士の僕だ。噂に聞いていた通り、島は闇に包まれおり持って行ったランタンの火は何故かふっと消えてしまう。ゴウラ大陸の石の光は噂とは違い随分持ったがやがて消えた。魔術を知る二人の明かりが最も持つが、体力を削ってしまう。

 前情報を頼りにダンジョンを見つけたは良いが暗くて全貌が見えない。そこでアサギは妖獣と共に、他は3人で情報集めをすることに相成ったのだ。最初は意気揚々と挑んだが暗闇で周囲が見えず、現れるのは弱いモンスターばかり、手掛かりが何も見つからないので苛々も募る。


 待ち合わせ場所に行くとアサギと相棒のシュウが一緒にいた。シュウは大人くらいのサイズの犬のような獣だ。暗闇の中でも黄金の目が爛爛と光っているのが分かる。

「やあ、おかえり」

「ただいま。アサギさん早いね」

「さっき戻って来たばかりさ、成果はあったかい?」

「あったわ。アサギさんの方は?」

「僕の方もね、とびきりのがあったよ」



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