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期待と迷い
男から瓶を受け取ってからしばらく眺めていたが、変色したり動き出したりするなんてことはもちろんなく、本当にただの水のような見た目だった。
でも、これが、私が長年探し続けたもの・・・
そう考えると、瓶を持つ手が震えた。嬉しさからの震えなのか、恐怖からの震えなのか。もはやそんな事はどうでもいい。
これを飲めば、すべて思い出せる。
瓶のコルクを開け、一気に飲んでしまおうと口をつけたが・・・
期待と不安で心臓が張り裂けそうなほど脈打っている。あと少し傾ければ液体が口の中へと流れ込むというところで手が動いてくれなかった。
はあっ、と溜め込んでいた大量の息を吐き出し、瓶をテーブルの上に置く。
どうやら、これを飲むことはまだまだ先になりそうだ。