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きわ物語  作者: ひとくい
6/32

6話

『おっ?アサイもいるじゃん!幸だけじゃなくて影も薄くなったのかー?』

ノゾミンと呼ばれた女医とは対照的にゲラゲラと下品な笑い声をあげ言った

『うるさいなぁ!いくら先輩だからって呪いますよ!』

彼が言うと洒落にならない…ほんとうに呪いが使えそうな見た目をしているのでタスクはそう思った

『冗談はさておきムツキ?ちゃんと”ヤツら”はまいてきたんだろうな?』

ケンタがムツキに向かって険しい表情をうかべながら言う

『もっちろん!俺を誰だと思ってるんだ?』

ムツキはヨユーヨユーと言わんばかりの満面の笑みでピースサインをつくって言い返した

『やはりお前は恐ろしいやつだよ…』

ヤツら…?まく…?タスクには何が何だかよくわからなかった

『あなた達そこの彼が困ってるでしょう…まだ何も教えてないみたいだしちゃんと説明してあげなさい』

ノゾミンはにっこりとした笑顔のまま言った

あぁ…すまない…

続けてケンタは言った

『我々は君には”能力”があると判断した、今までの反応を見る限り君自身は理解できていないと思うが君には特別な”能力”がある、テレビのニュースでぐらい見たことがあるだろう?』

能力がある…?俺に…?

『ちょっと待ってくれ!!俺はただの高校生だ!そんな能力なんてあるはずない!!』

タスクは信じられないというように声を荒げた

『それがあっちゃうんだなぁ…君には”奇跡”を起こす能力がある!俺とケンタンがこの目でしっかり見たんだ間違いない!!』

ムツキが言い終わると同時にムツキの頭上に手刀が飛んできた

『変なあだ名をつけるな!そんなあだ名はじめて呼ばれたぞ!』

ムツキはギリギリで手刀をかわしながらつれないなぁ!ケンタくーんっとゲラゲラ笑っていた

俺に能力がある…?奇跡…?もしかしてボールをかわしたアレのことをいってるのか?あんなの偶然じゃないか!!

『君は他の能力者に狙われていた』

アサイが口を開いた

『さっきケンタの”能力”で一部始終見たが君がボールをかわす時能力をくらっていた…能力者でもないやつが人目のつくところで殺されそうになることなんてまずないだろう…君の能力にきづいたやつが君を消そうとしたんだ』

ムツキが反論する

『えー?能力なんてくらってたかー?俺らはケンタくんの”眼の力”で彼に能力があるってわかったんだよー?しったかぶりは良くないなぁアサイーくん!!』

『人を健康食品みたいに言うな!!』

アサイは赤面しながら叫んだ

自分の予想が外れて恥ずかしかったのだろう

『まぁでもヤツらに狙われてたんだしアサイの言い分もあながち間違いではないだろう?』

ケンタが助け舟を出した

『ヤツら?』

タスクは状況整理が間に合ってないのにまた新しいことをいわれて頭がこんがらがってきていた

『…まぁ”あのお方”の前でまた詳しく話す今は気にしないでくれ』

そう言われると気になってしまう

『私は蚊帳の外かしらぁ?』

両頬を膨らせるようなそぶりをしてノゾミンが言った

『ノゾミン!年相応のことをしたほうがいいよ!いくら見た目が若くても今のは…』

ムツキが茶化している途中で声が止まった

一瞬何が起きたのか全くわからなかった

気づいたらムツキはメスで壁に貼り付けられていた

『あらあらムツキちゃーん…?特別手術をしてあげてもいいのよ…?先生はりきっちゃうんだからぁ…』

ノゾミンは顔が笑っていても目が笑っていなかった

『す…すみません…ケンタくんに言えと命令され…』

ストトトトン

さらにメスがムツキの黒コートにささる

『すみませんっ…調子にのりましたっ…』

まったく…といいながらノゾミンは椅子に座った

『じゃあケンタくん、彼をあの部屋につれていってくれるかしら?』

そういうとノゾミンの背後にあったドアが開いた

『ありがとうございます…ほら、タスクくんついてきて』

そういうとケンタは扉に入っていった

俺もそのあとを追って扉に入った

『あ!あと!』

ケンタが扉を閉めながら言う

『そいつ…好きにしていいんで…では』

扉が閉まった


『…だそうだけど遺言は…?』

ノゾミンが注射器を構えながらゆっくりしとやかにムツキに近づく

『…ノゾミン…パンツみえてたよ…』

『……殺すっ!!』

『冗談だってっっ…注射だけは勘弁っっ!』

ムツキの叫び声が響いた…








ムツキちゃん…ヤツらをまくなんてやっぱり

”選ばれし者”なだけあるわね…


ノゾミンに言われてもお世辞にきこえますよ…


謙遜しちゃって…可愛い後輩もいるしね


ケンタくんのことですか?まだまだ彼は未熟ですけどね…


あの子を見てると昔のムツキちゃんを思い出すわぁ…


ふふ…彼はいつ俺を越えてくれるんでしょうね


とても楽しみです


二人の静かな笑い声が診察室にこだました















































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