2話
-昨夜また能力による殺人が起きました-
男性ニュースキャスターの声がテレビから
発せられている
椅子に座った男はその箱から出される雑音を聞き流しながら小さく溜息を吐き出した
『困ったものだ…疑われるのは我らだというのに…野良が要らんことをするな…』
『リュウヘイ様…?』
暗闇からまた違う男の声
どうした?と椅子に座ったリュウヘイが聞き返す
『どうやら野良が粋がったことをしたようで…これ以上厄介事がでるのも困りますので少し偵察に行ってまいります』
リュウヘイが”よろしく頼む”と返すとその男
は御意とだけ残して消えた
『…近いうちに素敵な出会いをする…そんな気がするよ…』
リュウヘイは足を組み替えた
〜時を同じくしてディスコルディア3区にて〜
『夏休み始まったってのにあぢぃしダルいな…』
ワックスで毛先を遊ばせ前髪をヘアピンで止めたチャラ男風の少年はけだるそうに灼熱の川沿い道を歩きながら吐き捨てるように言った
季節は夏
彼、チャラ男風の少年”タスク”は夏休み初日からすることもなく散歩をしていた
『うわ…靴ひもほどけてるよ…めんどくせぇな…』
タスクはかがんで靴ひもを結び直した
その時
タスクの頭上を白くて勢いのある何かが空を切った
『これは…野球ボール…?』
すみませーんっ!!遠くから野球のユニフォームを着た小さい子供達が走りながら謝ってきた
『まったく…危ないから気をつけるんだぞ?』
はい!すみませんでした!!
誠意はあるみたいだし許してやるか…
タスクは野球ボールを手渡した
『ばかな…高校生なのに”きわ”をつかえるだと!?危険を予知した…?それとも…』
黒いコートを着た男二人はタスクを見ていた
そして衝撃を受けていた
我らの仲間が…?
なんにせよ捕獲して”リュウヘイ様”に知らせなくては…
『元気のある子供達だったなぁ』
タスクは少し昔を懐かしみつつ散歩を続行しようとした…
しようとしたのだが…
一歩踏み出せない…
目の前に広がる景色が異様過ぎて踏み出せないのだ
こんな灼熱の真夏日に全身黒コートで顔もフードで隠した二人組の人間が目の前を遮っていた
『君をつれていかなくてはならなくなった』
声からして男であろう黒コートの人が言った
冗談じゃない
こんな奴らに連れて行かれてたまるか
タスクは苦笑を浮かべながら逃げようと考えていた
嫌な汗が汗が地面に落ちる
ここで捕まったらおしまいだ…何されるかわからない…
『逃げることを考えているだろう…でも君は逃げることはできない…この能力があるからね…』
能力…?ニュースでよく聞くあの…?
ほんとにあるのか…
だが油断してるいましかチャンスはない!!
タスクは振り向いて走り出した
『〜…』
後ろで黒コートの男が何かをつぶやいたが聞こえなかった
走る
なるべく行き先が眩ませれるように複雑な道をとおって
『はぁ…はぁ…逃げ切れt『御機嫌ようタスク君』
驚いて周りを見渡す
川沿い道からだいぶ走ったのになぜ…?!
あの男がいた
横断歩道の向こう側…
『大人しく捕まってくれれば痛い思いをせずにさらってあげよう』
ゆっくりこちらに歩いてくる黒コートの男の背後に不気味な眼が見えた気がした
その眼は俺の全てを見透かしてるようにただよっていた
多分逃げても無駄なんだ…本能が逃げるのを諦めた
灼熱の真夏日、俺は黒コートの男につかまった
to be continue…?
黒コート2
『まいったね…こりゃどうも…』
もう一人の黒コートはご無沙汰であった
to be continue…