episode1
___先日行方不明になった””逢依さんですが未だ行方が分からず____
私の友人がいなくなってからもう一週間たった。
警察はほとんど何もしてくれなかった。
不審な人物は見られなかったといい家出だろうとまで言われた。
あの子が行方不明になったのは学校からの帰り道私と別れてからだった。
別れる前に私はあの子と次の日に出かけようと約束をした。
『真友ちゃん、また明日!」って言ってた。
あの子は約束を破るような子じゃない。
ほかの友達や先生達は知らんぷりだ。
表ではどうしたんだろうとか心配だねとか言ってるけどどうせ本心じゃないんだろう。
醜く汚い人間。
あの子はどこにいるのかなってぼうっとしていたらいつの間にか夕方になっていた。綺麗な夕日・・・。そんなふうに思っていたらふっと昔の懐かしい記憶を思い出した。こんなふうに綺麗な夕日の中あの子と二人で神社の境内でかくれんぼをしていたことを。
神社・・・もう全然行ってないな・・・久しぶりに行ってみようかな。
しばらく来ていなかった神社はだいぶ寂れていた。
「こんなだったっけ・・・?」
あの頃はもっと綺麗だった、もっと・・・キラキラしていた。
そんなことを考え始めると、止まらなくなってしまう。そう思い私は無理やり考えることをやめた。
昔のことを思い出しながら境内の中をぶらぶらしていた。
不意に後ろの草むらが音を立て始めたの。ガサガサって。
何故か逃げなくちゃって思った。けれど足は言うことを聞かない。
だんだん音は近付いて来た。草むらから出てきたものを見たとき息が止まるかと思った。
「どうして・・・?」
___昨日行方がわからなくなった小名川真友さんですが、未だ行方が分からっていません。警察は二週間前に行方不明になった天川逢依さんと何らかの関連があるとして___
きっと私たちが見つかるのはもっと後だろう・・・それまでは・・・
ふたりっきりでかくれんぼしよう?ねぇ、真友・・・死んでも離れないから
episode1 天川逢依 アイビー
end