第3話 罪なき女性たちの悲劇
【産業都市グランドシティ グランド防衛師団本部要塞 最高司令室】
パトラー侵入の報告を受けた俺はソファに座る。ついさっきまで、嫌がる女に性行為を無理強いしていた。その余韻でまだ身体がややだるい。
[コスモネット中将、ディランス閣下より、グランドシティを死守せよとのご命令です]
連合政府リーダーの1人・ディランスから譲渡された黒色の頑丈な戦術ロボット、バトル=タクティクスが俺に話しかけてくる。
「あー、分っとるわ。俺は九騎だぞ。9人しかいない連合政府の中将だぞ」
女どもが俺に服を着せ、装甲服を装備させる。この女たちもグランドシティの市民だ。
「さぁて、可愛い女2人を―― それと、市内外部で戦う政府軍を“撤収”させようではないか……」
俺はニヤリと笑い、グランドシティ最高司令室を後にする。俺の力を使えば、政府軍を撤収させることが出来る。なに、簡単な事だ。
◆◇◆
【グランド防衛師団本部 メイン・ロビー】
私はサブマシンガンで黒いロボットたちを撃ち倒していく。本部要塞内の兵員は思っていたよりも多い。……多いとは言っても、数だけだ。強くはない。
「ひぃぃ、逃げろ!」
よく見れば人間兵士もいる。彼らはまだ戦っているバトル=アルファやバトル=ベータを見捨て、金品だけ持って逃げ出す。
連合軍の人間兵士は多くが傭兵や犯罪者、賞金稼ぎだ(バトル・ラインと呼ばれる南の辺境大陸を統治するバトル・ラインの兵士も多くいるだろうケド……)。
「連合政府リーダー・ディランスは世界銀行「マネー・インフィニティ」の総帥だ。カネで何千人もの賞金稼ぎや傭兵を雇っている」
クラスタが剣で戦いながら話す。彼女を斬り殺そうと、バトル=メシェディが飛び込んでくる。彼女はそのバトル=メシェディの首を斬り裂く。
その時、奥の方で歓声が上がる。私たちもそっちに視線を向ける。そこにいたのは、黒い鋼の鎧に白いマントを羽織った男性――コスモネットがいた。その身体はかなり大きい。身長は2メートルはある。……横にも大きい。ブタとは言ってはいけなさそうだ。
「コスモネット……!」
「下がれ、お前たち! あの女は、この俺が倒す!」
コスモネットは長く黒いヒゲを揺らしながら、1階メイン・ロビーへと飛び降りてくる。怖そうな顔をした連合軍中将は、背に装備した長い剣を引き抜く。しかも、両手にそれを持つ。――2刀流だ!
「女好きのオスブタでも中将になれるのか」
「ンだとォ、穴奴隷が!」
クラスタの言葉にブチ切れたのか、コスモネットは剣を握り締め、こっちに走ってくる。うわっ、地響きがしそうだ。
「来たか」
クラスタも2本の剣を引き抜く。彼女もコスモネットと同じく2刀流の剣使いだ。どう見ても、コスモネットとクラスタじゃ後者の方が強そうだケド、偏見だろうか?
2人の剣が触れ合う。激しく何度も打ち合う。火花が散る。意外とコスモネットの技術は高そうだ。……でも、それでもクラスタの方が上だった。たちまち、コスモネットは片方の剣を叩き落される。
「むっ!?」
「そぅら!」
怯んだ隙にクラスタは残った剣も叩き落し、コスモネットの首に剣を付きつける。この程度の実力で彼は連合軍の中将なのか?
「ふへへ、やるじゃないか、クラスタ。だが、――」
クラスタの剣が、コスモネットの首を貫く。……“貫いただけだった”。
「…………!?」
コスモネットはへらへらと笑いながら、彼女に背を向け、距離を取る。首から血は出ていない。確実に貫いたのに。まるでゼリーに剣を突き刺したかのようだった。
「コスモネットは特殊能力者だ。能力はスライム。物理攻撃は全て無効化される」
「…………!」
そうか、パーフェクターだったのか……! それなら、あの弱さで中将も納得だ。
パーフェクターは生まれつき特殊能力を持っている人を指す。1000万人に1人という割合でそういう人がいる。能力はそれぞれ違う。コスモネットはスライムのようだが、かつて私が会ったことのある能力は電気や水、空間などだった。
「さぁ、我がスライム・スレイヴ・ドールよ、出てこい……!」
「…………!」
奥から何十人もの人が歩いてくる。……裸の女性たちだ。だが、彼女たち、普通じゃない。生気を失ったかのような顔をしている。
「なに、あれ……?」
私は口からそんな言葉がついポロリと出てしまう。奥から歩いてくる女性たちの性器や口から不気味に光る緑色の液体――スライムが蠢いている。彼女たちの動きもフラフラとしたもので、まるでアンデットモンスターのようだった。
「スライム・スレイヴだ」
クラスタがポツリと言う。スレイヴって確か奴隷って意味じゃ……?
「コスモネットは捕まえた女性を強姦するが、その目的は何も己の快楽だけじゃない。強姦して、自身の身体の一部を女性の体内に入れる。ああやって、自分の奴隷にするためだ」
「彼女たちも連合軍に協力できて嬉しいハズだろう?」
白目を剥いたコスモネットの罪なき奴隷たちは素手で戦わせられるのか、何も武器を持っていない。罪なき女性なら手が出せないだろう、ということか?
私はぎゅっとサブマシンガンを握り締める。あのブタ、最低だ。
「さぁ、パトラーとクラスタを捕まえろ! 我が連合軍の女兵士たちよ――!」