Chapter1-1
処女作。初めて書いてみましたが、書くって難しいですね……
俺、クロス・バーテンは飾り気1つない小部屋に追い詰められた。唯一の出口は無数の銃弾が絶え間なく痕をつけている。窮鼠猫を噛む、なんて状況を回避するのは鉄則だが、追い詰められる他なかったのなら、オババも許してくれるだろう。
「あー、そこにいる優しそうなお兄さん達、壁を撃ち続けても得なんてありませんよー」
『……』
肉声の代わりとばかりに、銃声がいっそう鳴り響く。
「……おぉ、怖い怖い」
当然のように相手は無言が最大の武器だと知っている。
もし、可憐な少女が無言で撃ってくるのと、屈強そうな大男が何か問いかけながら撃ってくるのでは、前者が恐ろしい。もちろん、前者のようなケースに遭遇するとは1ミリも考えてない。いや、1度くらいは拝んでみたい気もする。
「この状況を打開する策は、これだ、っと……お兄さん達、怪我したくなかったら逃げなよ!」
お手製の閃光弾と煙幕弾を1つずつ取り出し、放り投げる。
わざわざ危険を背負う必要は一切ないので、そそくさと近くの壁に爆弾を設置して爆破した。無傷で逃げ果せた暁には、お目当ての物を悠々とせしめれたら万々歳だ。
爆破の煙が収まり始めた頃、異変に気が付いた。一応、銃を構える。
すると目の前にディエゴが平然と立ち、その部下6人が俺に銃を向けていた。
「ありゃ……」
「これでチェックメイトです、と言いたいところですが、バーテンくんに相応しい場所を用意してあります。どうです? 少々、私の余興に付き合ってくれませんか」
「どうせ拒否したら撃たれるんだろ。どうぞ、お好きに」
諦めた顔に変え、両手ゆっくりと上げた。