お節介
その夜のことだった。
グレイスが見回りをしていると背後から声がかかった。
「夜分遅くに失礼するよ」
グレイスが振り向くとそこにいたのはカイレンだった。
「こんな時間に何の用だ」
「いやね……ちょっと気になることがあってさ」
カイレンが意味深な笑みを浮かべる。
「なんだ」
「グレイス……レン君をどう思ってるんだい?」
カイレンの声が低くなった。
「それはどう言う意味だ」
「彼に気があるんだろう?」
グレイスの目が険しくなる。
「……それがどうした」
「彼を愛しているんだね?」
グレイスは沈黙した。
「やっぱりね。まぁ別に答える必要はないよ」
「だったらなぜそんなことを聞く」
「そりゃあ気になるじゃないか」
カイレンが意味深な笑みを浮かべた。
「だって私……レン君を狙ってるからね」
「な……」
グレイスが一瞬驚愕した。
「君が彼を想っていても構わないけどさ。僕も負けるつもりはないよ」
カイレンがウィンクをする。
「待て……何の冗談だ」
「冗談?本気さ」
カイレンがニヤリと笑う。
「異世界から来た特別な子だよ。こんなチャンス滅多にないだろう?」
「レンは物じゃない」
「わかってるよ」
カイレンが肩をすくめる。
「だけどさ……彼は魅力的だ。だからこそ僕も本気だ」
グレイスが拳を握りしめた。
「俺が負けるわけにはいかん」
「楽しみにしてるよ」
カイレンが踵を返した。
「それじゃあね。グレイス団長」
グレイスは立ち尽くしたままその後ろ姿を見送った。
「やれやれ…少し発破をかけてやらないとこれ以上進展しそうにないからね。全く手の掛かる友人を持つと心労が絶えないね」
そんな事を呟きながらカイレンは家路についた。
夜の月はとても綺麗に輝いていた




