告白
「僕たちの世界に存在したゲームのガチャはただの娯楽ですが、この世界でそれが悪用されているなら……見過ごすわけにはいきません」
グレイスの視線が鋭くなる。
「……その『ガチャ』とやらの知識は役に立つかもしれん。後で詳細を聞かせろ」
「はい…それともう一つ重要なことがあります」
レンが慎重に言葉を選ぶ。
「ゲームにもよりますが、『ガチャ』は人も対象です。つまり…僕は異世界人ですが、敵の手によってこの世界に召喚された可能性があります」
全員が息を飲む。
「……異世界召喚の儀式か」
レンが小さく頷いた。
「はい……この世界でもあるなら……僕以外にも何人も召喚されているかもしれません。敵が僕を利用して何かを企んでいる可能性があります」
グレイスが険しい表情で周囲を見回す。
「情報は限られている。今は休息しろ。明日以降、捜査を進める」
レンは深く息を吐きながら頷いた。
***
事件から一夜明け、レンは治療院のベッドに横たわっていた。
隣にはスクイヤーが眠っていた。
「……ありがとう」
レンが小声で呟いた。
外ではグレイスが部下たちと緊急会議を行っていた。
「あの卵の入手ルートを徹底的に洗え」
「了解しました」バスクが頷く。
「そしてあの黒フードの男、ヒョウ獣人の件もだ」
「既に目撃情報を集めています」
グレイスは沈黙した。
「レンを守る。それが我らの使命だ」
その言葉に部下たちは深く頷いた。
レンが治療を受けていると、グレイスが部屋に入ってきた。
「調子はどうだ?」
「まだ少しフラフラしますけど……大丈夫です」
レンが微笑む。グレイスは彼の手を握る。
「団長…?」
「お前は特別だ」
グレイスの目に強い決意が宿る。
「はい、僕は異世界人で…」
「……違う」
グレイスが首を振った。
「お前の出自が何であれ関係ない」
彼はレンの顔をじっと見つめる。
「俺はお前の特別な存在だ、俺はそれを示す言葉を知らん、だが必ず俺が守ってみせる。お前の存在は俺にとって……特別なんだ」
レンはその言葉に息を詰まらせた。
「レン……」
グレイスが言葉を探すように目を泳がせる。
「……俺はお前を守る」
グレイスが一歩踏み込みレンを引き寄せる。
「俺が守る」
その温もりに包まれレンは心を震わせた。
「はい……僕も……僕にとってもグレイス団長は特別な存在です……」
グレイスが微笑みレンの額に優しくキスをした。
二人の間に確かな絆が生まれた瞬間だった。




