繋がり
「うおおおおおおっ!!」
剣が光の弧を描き、翼竜の首を貫く!悲鳴とともに倒れる翼竜。その影が地面に伸びる。
……まだ終わっていない。
倒れた翼竜の陰から──無数の影が蠢いた。
それは黒い小さな獣の群れ。闇の中に溶けるような獣が数百匹、レンを囲む。
「な……」
レンが息を飲む。
一匹が飛びかかる。避けきれず肩を裂かれる。
次々と襲い来る影。剣聖の力も及ばない多勢。
血が滴る。痛みが視界を赤く染める。
(負けられない……!)
「うわああああああっ!!!」
レンは叫びながら剣を振るう。がむしゃらに切り裂く。それでも群れは止まらない。
一匹が喉元に食らいつこうとした瞬間──
**ドン!!!**
地響きとともに森が揺れた。
影が纏めて吹き飛ばされる。土煙の中から現れたのは──
「レン!」
それはグレイスだった。彼の大槌が唸りをあげる。
「よく持ち堪えた」
「グレイ……さん……」
レンが膝をつく。
影の獣が再び襲いかかる。しかしグレイスの一撃が全てを粉砕した。
槌が大地を割り、黒い獣たちを飲み込む。
「間に合ってよかった……」
安堵の表情でレンを抱きかかえる。
グレイスの背後には、彼の部下たちが控えていた。バスクが子供を保護し、スクイヤーを救護班が応急処置している。
「報告を受けた……奴らを追っていたのか」
グレイスの声は硬い。
レンは震える手で彼の腕を握りしめた。
「ごめんなさい……勝手なことを……」
「謝るな」
グレイスの目が森の闇を睨む。
「お前は何も悪くない」
その言葉にレンの胸が熱くなる。
血に染まった森で、新たな闘いが始まる予感がした──。
***
「グレイス団長、一つ思い出したことがあります」
レンが息を整えて報告する
「バジリクスに刻まれていた刻印、そしてあの異形の卵 どちらも見覚えがあったんです」
「そうか……どこでだ」
グレイスがレンの言葉を反芻する。彼の顔には険しさが浮かぶ。部下たちも沈黙し、その場の空気が張り詰めた。
「僕が居た世界ではソーシャルゲームといものがありました、詳しい説明は省きますが、その中であの卵はガチャから排出される召喚アイテムでした」
「ガチャだと?」
「はい、僕がいた世界では ガチャというのは召喚アイテム…というか召喚行為そのものといいますか…。とにかくあくまでゲームの…想像の創作物の中の話になりますが、様々なモンスターやアイテムが出てくるものです」
「それがここで……」グレイスの目が細くなる。
「はい。あの刻印はあるゲームのシンボルマークでした」
グレイスは深く考え込む。
「……それで?」
「あの卵をもっと調べる必要があります。敵が何者なのか……もしかしたら敵も僕と同じ日本…異世界人なのかもしれません」
レンは自分の手を見つめる。戦いの中で何度も傷ついた手のひらが震えていた。




