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異形

カイレンの指示で負傷者達は治療所の中央に集められた

そこを中心に冒険者達とレンが防衛陣形を敷く

先陣を切ったのはスキットだ。


「俺が先に行くぜ!」


俊敏な動きでスパインラットの群れに突っ込み短刀を閃かせる。鋭い爪による攻撃を紙一重で避けながら素早く斬撃を叩き込んでいく

しかしスパインラット達は怯むことなくスキットに殺到してきた。


「スキットさん!」


レンが叫ぶがアーサーが落ち着いた声で制止した。


「大丈夫だ……あいつはああいう手合いを倒すのが得意なんだ!」


アーサーの言葉通りスキットは余裕の表情で攻撃を躱し続けている。彼の動きには無駄がなく的確に急所を狙っていくので次々とスパインラットを葬っていった。


「ほらほらぁ~こっちこっち!」


スキットは笑いながら攻撃を避けつつ更に奥へと駆け抜ける


「全くスキットったら派手に暴れて……でもこういう時は頼りになるわよねぇ」


マルーシアは苦笑しながら杖を握りしめる


「さぁて私も頑張らなくちゃね!」


そしてスキットが誘導したスパインラット達を待ち受ける形で治療所の入り口に魔法陣を描き始めた。詠唱が始まると地面に複雑な紋様が浮かび上がり光を放ち始める。


「来なさい!」


そして光が収束した瞬間───!


ズガァァン!!

爆音と共に激しい衝撃波が治療所全体に拡散した!


「うわぁぁぁ!!?」


レンは必死になって飛び散る瓦礫を受け止める。


「……あれ?痛くない?」


不思議そうな顔をしているレンを見てマルーシアが微笑む


「安心して……味方には一緒に防御結界も施しておいたから♪」


「ありがとうマルーシアさん……凄い……!」


レンは感嘆しながら改めてマルーシアを見つめた。

そして再び戦いに集中しようと振り返ったところで───!


ギャリットが空中を自在に跳躍しながら次々と矢を放っている姿が目に飛び込んできた!


「すごい……あれじゃ簡単に反撃できないね……!」


スパインラット達は接近することも出来ずにギャリットの一方的な攻撃を受けていた。彼の華麗な動きには目を奪われるばかりだ。


「さて……こちらも本気を出させてもらおうか……!」


アーサーが槍を構えて疾風の如き勢いで駆け出した!

その一閃が黒衣の男に向かって放たれた刹那───!

黒衣の男の身体が宙に舞う!


アーサーの一撃を回避しつつ空中で回転し鮮やかに着地する。


「ほう……なかなかやりますねぇ……!」


「お褒めいただき光栄だな」


アーサーはにやりと笑いながら再び槍を構えた。

二人の間に緊張感が漂う。


「貴方の相手はこちらにしてもらいましょう」


男は新たな卵を取り出し地面に落とす

時空が歪み

───そこから現れたのは巨大な影だった!


「なっ……まさか……!」


アーサーが驚愕に目を見開いた次の瞬間───!


ズンッッ!!!!


轟音と共に巨大な足が地面に踏み降ろされた!


「ダスクハーピーだ!」


「嘘……!なんでこんなところに……!」


治療所内の悲鳴が上がったその時───!!


「はあああぁぁっ!」


スキットが颯爽と姿を現しスパインラット達を一掃し終えたようだ。


「よしっ!ここからは俺達も参戦するぜ!」


彼の声を聞きスキット達が加勢に入ろうとした途端……

ダスクハーピーが奇声を発しながら羽ばたくと周囲に凄まじい突風が吹き荒れスキット達を吹き飛ばそうとする。


「くっ……なんて威力だ……!」


咄嗟に地面に伏せて堪えながらアーサーが唸る。


黒フードの男はレンを見据える


「さあ、君の器としての力を見せて下さい」


新たな卵を取り出すと、おもむろにそれを口に含む


「全ては理想の世のために…!」


「一体何を……!!」


そして黒フードの男は自身の中に取り込んだ卵を孵化させる!

時空が歪み男の周囲に黒い霧が立ち込める……


「……うっ」


突然黒フードの男が苦しみ始める

そして男は霧に包まれたまま

姿を変え始めたのだ


「なっ……何…これ……!」


レンは言葉を失う。

霧の中から現れたのは禍々しく歪んだ巨躯を持つ異形だった。黒き甲殻に覆われた体躯に無数の触手が蠢く姿はまさに悪夢そのものである。

その中心部には辛うじて人であったとわかる面影を残す頭部があったが最早それがどのような存在なのかすら定かではない……


「……やつは何しやがったんだ!?」


スキットが呆然と呟く中

異形となった男の身体が脈打ち

耳を劈くような咆哮を上げる!


「グォォオオオ!!」


その叫び声だけで治療所全体に凄まじい衝撃波が奔り瓦礫が飛び散る中……レンは震える手で剣を構えるしかなかった。


「皆さんは負傷者を連れて退避してください!ここは僕がなんとかします!」


「おい!無茶するな!」


「無理はしません!大丈夫です!」


そう叫ぶとレンは治療所の出口へ向かい駆け出した!


「お前の狙いは僕だろ!ついて来い!!」


「グォォォォオオオ!!」


異形の男が追ってくる!


「やるしかない!やるしかないんだ藤宮蓮!お前が、今ここで!」


そう自分に言い聞かせレンは勇気を奮い立たせた

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