別れ
突然、吉田が消えた。転校した。傷は癒やせなかった。僕は、忘れないだろう彼女の事を。姉の舞はモテモテ過ぎて追い回されている。忙しそうでなによりだ。パー子は、相変わらず僕にベッタリだ。
ボクシングもサッカーも続けている。弱小サッカー部だが木村颯が入部して来てから変わった。勝てるチームになった。木村の戦術は的確で青春を感じさせてくれた。そんな木村は何気に舞が好きなのだ。
舞にフラれてもめげないで告白し続けている。「姉ちゃんのどこが良いの?」ある日、パソコン教室で僕は木村に聞いた。「一回はあんな美人とセックスがしてみたい。」からだと。笑えるアメリカンドリームかって?「お前が羨ましいよ。」と木村が珍しく恨めしそうに言ってきた。「俺の目は節穴じゃない。舞さんは、桐山、お前が好きなんだろ?」くだらない。鼻で笑った。
確かにドキリとした。木村の頭脳はパー子よりも良いかもしれない。二人とも東大に合格出来ると言われている。凡人と天才は明らかに違う。パー子は絶対記憶力という特殊能力を持っている。木村は努力型。
僕の将来は大学に合格出来るか分からないぐらいである。「桐山は、魅力があるから社会に出ても大丈夫だ。」と木村に言われた。パー子には修ちゃんはフェロモンがあるから大丈夫と言われた。意味が分からない。