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成瀬
「あんたみたいな、男一番嫌いなんだよね。」
成瀬に、俺は言われた。ショックだった。初体験。
何も答えられなかった。女に拒絶された?助けようとしたのに。イライラがマックスを越えた。「俺だってお前みたいなキモい女嫌いなんだよ!」廊下で成瀬の腕を掴んで俺は言った。成瀬は、ファイティングポーズを取った。女に暴力は嫌いだがやる気ならこっちも本気だ。
一発、成瀬のみぞおちにフックを入れて気絶させた。肩に担いで家に帰った。成瀬は、熟睡してしまった。「おい!起きろ!成瀬!」やっと起きたと思ったら「何かした?」と鋭い声。「してねーよ。お前弱いのな。」成瀬は、俺の部屋を見渡してボンボン!と言ってきた。
「成瀬、お前、超貧乏だろ?」と俺はふてくされている成瀬に聞いた。「母子家庭なんだよ!」と成瀬は答えた。「じゃあ、バイトしねーか?」
もちろん、ボクシングジムのバイトだ。会長が泣いて喜んでくれた。成瀬は照れくさそうにもじもじしている。「掃除と会計と電話番頼むよ。」と会長が成瀬に言った。会長は、パチンコ好きで良くジムを留守にする。ありがたい成瀬である。古いジムなので掃除も必要だった。どんぶり勘定には会計は必須。




