6話【ココロオドル】ト【涙の理由】
真実の口のオブジェから言われたことが頭から離れない。
『部屋から出るには何がいるのか』
俺は思考を巡らせ、そして閃めいた。
この感情はとても言葉では言い表せないほどココロオドルような気持ちだ。
小学生の時、図工の授業でも似た感情があった。
何を作ろうか。どんな作品を、どんな絵を描こうかと心躍らせながら考えたもんだ。
同じ学年で隣のクラスにいるPTA会長の娘が、友達と休み時間に廊下で話しているのを偶然聞いてしまった。
生徒達が授業で作った作品を無断で学校側が、地域のコンクールに応募することがあるらしい。
入選された生徒は担任を通じてこっそり教えてくれるらしいのだが、俺にはピカソのような天才的な才能なんて持ち合わせていなかったので、賞を獲ることはなかった。
だけど、勉強よりも俺は芸術に触れている方が楽しかったんだ。
勿論日曜大工もその中に含まれる。
今から俺は脱出する為に〔ドア〕を作ろうと思う!
先ほどドアを作ると決めた俺は、真実の口のオブジェや石像の置いてある部屋に移動しようと思い、南壁から4つめの黒い点を見つけ指で穴を開けた。
そしてその中心には隣の部屋(オブジェ部屋)との壁が一切ないと判断した俺は壁紙を蹴破り、見事移動することに成功した。
成功したがこのオブジェ部屋にはドア作りに適した材料はあるのだろうか。
そう思い部屋の探索をする。
マネキンに混じって聖母マリアの石像を発見した。
マリア像の両目からスーッと赤い血の涙が流れている。
この涙の理由を数年前にネットで知った。
どうやら「災いの前兆」や「世界で起きる未来が悲劇であることを伝えている」らしい。
もしかしてこれから俺に災いや悲劇がやって来るのだろうか……。
そう思うと途端に手が震え出した。
落ち着け俺、まだ何も悲劇や災いなんて起こっていないだろ。
6話 End
お題【ココロオドル】24‘10/10
【涙の理由】24’10/11