表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

4話【星座】ト【過ぎた日を想う】

 鞄の中にヒントが書かれた紙切れを発見した。

真っ黒に塗りつぶされて、中央に4つ白い点が

描いてある。

指で点と点を結ぶと歪なひし型に見える。

下の点の位置が上の点と左右の点に比べて異常に下の方に離れて描いてある。


もしかして全ての点と点を繫げることが間違っているのだろうか。

もう少し鞄の中を探してみよう。

すると内ポケットからもう一枚半透明の紙を

発見した。

先ほどと同様な位置に白い点が描かれてその点の隣には「α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)」と文字が書かれている。


これはギリシャ文字だ。意味がありそうだな。

とりあえず、2枚の紙を重ねるとピッタリと4つの点が重なった。


俺は思い出した。昔、小学生の時遠足でプラネタリウムに訪れたこと。

同じクラスで友達のあいつは、やたら宇宙や星座のことが詳しくて、俺に一生懸命教えてくれたっけ?


「南十字星っていう星座、日本ではあまり見えなんだよ。ボクさ、大人になったら絶対見に行くんだ!!」


あいつ今頃どうしてるだろう。

小学生を卒業して俺は、私立の中高一貫校へ

入学したからあいつとは小学生を卒業してから

春休みに一度会ったきりでそれ以降全く会って

いない。

あぁ、なんだか久しぶりに会いたくなった……。


昔の記憶を思い出していると、よく親父に言われた言葉がある。


『過ぎたこと()をいつまでもくよくよ想っても現実(いま)は何も変わらねぇ。だったら未来()に進しかなねぇんだよ!!』


それに対して俺は……


「親父に何が、わかる!?俺が……俺がどんなに悩んでいても、俺の話を聞こうとしないで何でも勝手にホイホイ決めやがって!!ウゼェんだよ!」


顔を合わせる度に親子喧嘩して家を飛び出した。

だけど当時の俺は中学生で進級がかかった大事な時期だった為、御袋(おふくろ)がすぐに警察に連絡してしまい俺はものの数時間で、居場所がバレて補導され家に戻された。


親父が軍人、御袋が警察官だと正直気が休まらなくてツラかったなぁと、知らない部屋にいながら過ぎた日を想うのだった。


4話 End



お題【星座】24‘10/6


  【過ぎた日を想う】24’10/7

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ