2話【たそがれ】ト【奇跡をもう一度】
隣の部屋から声の音量がたそがれ始めた。
それもそうだろう。
誰だって1時間以上も叫べば、疲れてしまう。
聞いているだけの俺でさえ疲れて来た。
壁から耳を離し、ベットに戻り少し横になった。
枕の下に手を入れると何かが手に触れる。
それを掴んで、仰向けになった。
起き上がり、胸の前で手を開くと小さく4つ折りに
折られた紙切れを手に入れた。
紙を広げるとこんな文章が書いてある。
『過去の自分へ こんにちは。
知らない部屋にまた来てしまったんだね。
どうすればいいのか、何をしたらイイのかわからないだろう。大丈夫さ周りをしっかりみて判断するんだ。君なら出来るさ!冷静になれよ!そうだ。大事なことだから覚えててくれ、【黄昏】にはくれぐれも気をつけろ』
【黄昏】には気をつけろ、どういうことだ?
謎が深まった気がする。
だけどこれだけははっきり分かった。
俺は一度この部屋に来たことがあるらしい。
未来の俺はこの部屋から脱出したのだろう。
だったら奇跡をもう一度起こして、また脱出すればいいだけの話だ。
紙切れの文章にはヒントがある。
まずは部屋の周りを見ることから始めよう。
ベットは部屋の中央に置かれている。
特筆したレイアウトではない。
一人暮らしを始めたばかりの、友人の家に遊びに
行った時がそんなレイアウトだったなぁと
思い出した。ぐるりと一周して分かった事、
この部屋には窓がない。
おかしい、おかし過ぎて笑えない。
不自然過ぎる部屋のレイアウトの箇所に俺は、
疑問を抱くのだった。
2話 End
お題【たそがれ】24‘10/2
【奇跡をもう一度】24’10/3




