YouTubeに出させてもらって号泣した一日
今日のお話は「このエッセイを読んでくださるあなた様と、ツイ友の皆様に感謝をお伝えしたい!」という一念で書いていますので、ぜんぜん面白くないです。ふだんは「どう書いたら面白くなるかな?」と考えながら書いていますけれど、今日はその余裕がないので先に謝る!! ごめん! そしてありがとう!!
ずうっと前に「びわモニ」というYouTubeの番組に出してもらいました。滋賀県民なら全員知ってる「ミスター琵琶湖 川本 勇」さんの情報番組です。勇さんはプロデューサーや音楽活動、大学の先生や国体の理事とかもなさる多彩な男性。以前に地元のケーブルテレビに出してもらった縁で知り合いになり、勇さんの番組に呼んでくださいました。
前回は、はしゃいで鼻の穴に指突っ込んだり(!)したので、もう呼ばれることはないだろう……と思っていました。てっきり出入り禁止になったと思っていた。そしたら「出る?」とお誘いいただいたので嬉々として出させていただきました。
番組は朝9時から滋賀県大津市の勇さんのビル(!)にあるスタジオから生放送。私は前日から緊張して、ほとんど眠れませんでした。真っ暗な朝の4時に起きて、とりあえず吐く(!)。小心者なので緊張すると吐くのです……。
1時間以上かけてお化粧をします。なぜ1時間もかかったのかというと、お化粧の仕方を忘れていたから。順番を間違えるとメイクを落として化粧水、乳液からやり直しです。一番先に塗る下地を忘れてメイクを重ねて「あ……。土台ができてなかった……」とやり直すという……。何を塗っても代り映えしない顔ですけれど、せっかく見てくださる方に不快感を感じさせないようにしたい……! アレもコレもとヌリヌリします。
顔面が完成した6時、彼が車で迎えに来てくれました。スタジオまで電車で2時間かかるのを気の毒に思った彼が車でスタジオまで連れて行ってくれると言う。感謝です!
普段はジャージの私が、久しぶりに引っ張り出したスカートをはく。足首が寒いとカゼをひくので、毛玉だらけのレッグウォーマーを装着します。すごくカッコわるいから本番前に忘れず取ること……自分に言い聞かせながらレッグウォーマーを足首に巻く。
スタジオに到着したのは8時15分。大きなビルにビビりながら、おそるおそる入ってゆきます。スタジオではすでにスタッフの皆さんが働いている。勇さんもいらっしゃって、挨拶をします。
番組の看板娘ユウコさんと再会。相変わらず優しい笑顔で迎えてくださいます。
ゲストのマリ子さんが入ってきました。いつもネットで見ている歌手の方です。明るくて太陽みたいな方☆私は画面超しにいつも拝見しているので知り合いみたいな感じでいたのですけれど、よく考えたら初対面! あわててご挨拶をします。
前にご一緒したBUBBLE―Bさんは、飲食店のチェーン店を訪ねてご本を書いたり、CLUB活動でDJをなさっている男性。すごく穏やかで知識が豊富で、話していると落ち着く……。
ホームメーカーの社長で建築士の荒川 大介さんとは、初対面です。荒川さんから「ソウマチさんは、何のお仕事を?」と訊かれたので「何のお仕事をしているように見えますか?」と聞き返したら「お花?? ……美容関係?」 思わぬところで誉められた!! そういう風に見えていたのか!? 気合入れてお洒落して、良かった!!
番組前のミーティングは、サラサラと進みます。初心者は私だけですし期待もされていないので、フムフムと頷くだけ。でも、キンチョーする!!!!!
本番5分前。カワセディレクターがいきなり発狂! 今日の番組で使う画像が準備できないらしい! 大の男が頭をかきむしって「もうダメだ!」と叫んでいる! 怖い! 怖いです!!
でも周囲は「発狂してんなぁ」「もうダメちゃうか?」「なんでアカンのん?」皆さん冷静です。この業界って、これがフツーですか? 私は怖くて吐きそうですが……(涙)。
本番直前にボスの勇さんが「もう待てへん。足りない部分は俺がフォローするから、始めろ」ゴーサインを出しました。目の前には発狂しているデェレクターさん、カメラが回り出し笑顔で朝の挨拶をする勇さん……シュールすぎる光景に、心の整理ができない……。
結論から言うと、私はグダグダでした。前に出ようとすると勇さんが目で「出るな」と言う。そして実際「また後で。後で喋ってもらうから」と制止される。どこで話せばいいかわからないし、きっかけもつかめないまま番組終了。ツイッターであんなに皆さんに「見てね!」と言っていたのに、ぜんぜん活躍せず! 無念!
私のポンコツぶりとは対照的に、他の皆さんは上手にお話しています。今までテレビを見ていて「もうちょっと気の利いたことは言えんのかね?」とエラそうに思っていたけれど、見るのと出るのは大違い!! 途中で番組が途切れそうになったらユウコさんとマリ子さんがほんわかした雑談をして場を繋いだり、1分のコーナーで時間のカウントが出ず身体の感覚だけで(!)1分を測って笑顔でお話するユウコさんと、上手にその後をつなぐ勇さん! 視聴者さまにはわからない水面下で、次々と神業が炸裂している!
最後のコーナーで、テンパったディレクターさんが演出のネタバラシをしてしまいます! そりゃそうだろう! さっきまで発狂していたのですから、そのくらいのミスはするよ! よく最後のコーナーまで番組を切り盛りできたよ! でも皆さんの容赦ないツッコミが炸裂して、ゆるい笑いが起こる。すげぇ、皆さん台本なしでも笑顔で場を繋いでる! 私には、できません!! 尻尾巻いてヘラヘラしときます!
番組終わりの打ち上げで、勇さんに訊きました。「どうして私に出るなって言ったんですか?」
勇さん:お前が面白いのは、わかってる。でも今日はグダグダな番組でいい日やったんや。お前、作家やろ? 作家が前に出たら、嫌われるぞ。あの程度でお前は十分や。
私:え? 私のイメージが悪くならないように、制御してくださったのですか?
勇:そうや。
えええええっっっ!? テレビとかYouTubeは、人を使い捨てにする世界だと思ってた! 私が勝手に自爆したら放置プレイで「アイツ、おもんない」とか言われると思ってた! ほとんど知り合いでもない私のイメージが悪くならないように、番組を面白くするより私を大事にしてくれるとは!!! えええっっっ!? ボーゼンとする私の前で勇さんは他の方に「ソウマチは、めちゃくちゃ面白いヤツやねん!」と話してくださっている……。面白いなら使い捨てにすればいいでしょうに、そうじゃないんだ……。なんでかわからんが、大事にされているのだけはわかる……。
打ち上げはカメラが回っていないので、のびのびとお話することができました! 「わたしのお部屋、お湯が出ないんですよね……」と言うだけで爆笑される! 自分ではわかりませんけれど、独特の面白さがあるそうです。作家なら計算ずくで笑わせたいけど、それはできない……。楽しんでくださるなら、どっちでもいいや!
今回の出演をセットしてくださったスタッフのYさんから「また出てくださる!?」とお声掛けいただく。嬉しいですしぜひお願いしたいですけれど、プロの皆様のお仕事を拝見してビビりました! 皆さんのレベルには到底及びませんけれど、私でよければぜひ!
もしあなたが番組をご覧になったら「なんてことのないゆるい番組やな……」そう思うかもしれません。でもそのレベルに持っていくのが、すごく大変! だからテレビで活躍している面白い番組を作る方々って、さらに大変! あのレベルまで持っていくには、狂気が必要だと実感しました。
皆様にご挨拶をして、辞去します。彼は用事があって帰ったので、電車に乗って帰る。駅についたらほっとした。今日はスカートだったのに、寒くなかった。天気が良いのかな? でも顔は寒い……。なんで?
足元を見たら、ボロボロのレッグウォーマーが!!! 外すの忘れてた!! このまま出てしまった!!
いやああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
思わぬところで発狂! & 絶叫! 一生の記念に残る出演だったのに、ボロボロのレッグウォーマー!! お洒落は足元からって、台無しだよおおおおおおおおお!!!!!!!
……仕方ない。あきらめよう……。やっちまったもんは、しょうがない……。
落ち込みつつも「まずはツイッターで皆様にお礼を言おう!」スマホを取り出しました。
するとメールが一通。作家仲間のやすいやくしさんです。じつは自分の本を宣伝するには話題が古すぎる(今年2月に出版)ので、先日発売されたばかりのやすいさんの新刊「魔女リアシリーズ」の宣伝をしようと本を持参していた。でも皆さんにビビってしまって、宣伝できなかった。そのやすいさんからメールが……。
激励とねぎらいのメールでした。いつも優しくて胸に沁みるメールをくださるのですけれど、不安でいっぱいだった番組あとのメールなので、いっそう心に沁みた。お忙しいのに私を気にかけてくださって、わざわざメールをくださる。どうやってお礼をしたらいいんだろう……。
そう思いながらツイッターを見ると、ものすごい数の「いいね」や激励メール、そしてリツイートの記録が!!! えええっっっ!? こんなにたくさんの方が応援してくださっている!?
先輩作家さんからも、たくさんの激励が! 一面識もないのに、番組を見てくださったらしい……!!
とにかくおうちに帰ろう。おうちに帰って、落ち着いて皆様にお礼を言おう。電車を乗り継いで家に向かいます。そして今日は、絶対にやりたかったことがあるのだ!!
先日の東京行きで帰りにタクシーに乗れず、長くて濃厚だった旅の不安が解放されたのと、疲れてクタクタなのに雨の中トボトボ40分も歩いて情けなさに泣いた夜があったのですが、今日こそはタクシーに乗ってやる!! あの日はスニーカーだったから歩けたけれど、今日はブーツ! 歩くのは絶対に無理! あの時の無念を、今日晴らしてやる!
気合を入れて改札を抜けたら、目の前にタクシーが。なんの苦労もなくタクシーがつかまった。あの夜の苦労は、いったい何だったんだ? 思いを馳せていると、すぐアパートに到着。
私:そのアパートの入り口で降ろしてください。
運転手さん:ここ!?この(ボロい)アパートに住んでるの!?
なぜか驚く運転手さん。今日は頑張ってお洒落をしたので、ボロアパートの住人に見えないのだろうか?
運転手さん:お客さん、ここに住んでるの!?
私:??? はい。ここに住んでいます。
運転手さん:なんでっっっ!?
めっちゃ驚かれる。なんでもなんも、家賃が安いからです。驚く運転手さんにお礼を告げて車を降りる。普段のジャージ姿なら、驚かれなかったのかな? いつか試してみよう。
おうちに帰ってからも、続々とツイ友さんからねぎらいの「いいね」が届きます。それを見ているうちに、泣けてきた。一面識もない私のために、リツイートしてくださったり、いいねを付けてくださったり……(涙)。ネットの中でもツイッターは特に怖いと聞いていたけれど、優しい方ばっかり……(涙)。そうそう。大好きなじゅんちゃんさんにも、お礼を伝えないと。
じゅんちゃんさんは高齢の女性「らしい」です。お会いしたことはないので、本当かどうか知りません。いつも丁寧に作ったお食事の写真をアップしていらして、どれもすごく美味しそう。お庭で取れた季節の野菜や、ふだん使いの食材で家庭料理を作っていらっしゃいます。どれも丁寧に時間をかけて切ったり煮たりしているのが一目でわかる。日常の何気ないことに、あったかい愛情を注いでいる方です。大好きで、尊敬している女性。
「おかげさまで番組終わりました♪ いつか私がノーベル文学賞を取ったら、ご褒美にじゅんちゃんさんのお料理が食べたいです♪ 応援ありがとうございました♪」
YouTube出演は私にとって大きな出来事でしたけれど、遠い町のじゅんちゃんさんにとっては小さな出来事です。すごく感謝しているけれど、軽い感じでお礼を言おう。あんまり感謝すると、じゅんちゃんさんだけでなく、皆さん重たいよね? 軽く、かるく……。
じゅんちゃんさんから、短いお返事が届きました。
じゅんちゃんさん:ご飯は、いつでも食べに来てください。お代は、ゼロ円です。
これを見た瞬間、涙の堤防が決壊した!!! 皆さんの優しさに感謝していたところに、じゅんちゃんさんの無償の好意が! 冗談で取れもしないノーベル賞なんて書いた私に、今のままの私でいいと……(涙)。会ったこともない私に、いつでもおうちに来ていいよと……(涙)。
このエッセイを書きながら今も泣いているのですけれど、たくさんの方の親切が嬉しくて……(涙)。いつの間にかこんなにたくさんの方と繋がっていたんだなぁ……そう思うと、涙が止まらない! この涙は、嬉しい涙。嬉しくて、ありがたい涙が次々と溢れてきます。辛い涙はたくさん流してきたけれど、嬉しい涙はそうそうありません! この涙は皆さんのおかげ! 今日はめったに流せない嬉し涙を、たくさん流してやる! こんな幸せな日があったことを、絶対に忘れないようにしよう!!
という間に他の嬉しいこともたくさんあったのですけれど、割愛します。だってたくさん書くと嬉しいのが薄くなるから。大事に取っておいて、また他日に書きます。
皆さんのお優しい気持ちにお礼を言うことしかできませんけれど、「皆さんにイイコトありますように!」っていつでもお祈りしています。皆さんに授けていただいた「嬉しい」を、いつか私も誰かに贈りたいです。
本当にほんとうに、ありがとうございました!!!