動物にナメられるタイプ
動物は、かなり好きです。好きすぎて、動物からナメられるくらい(苦笑)。
〇スズメ
せまい小道を歩いていました。道に水たまりがあって、スズメたちが水浴びをしていた。
「ごめんねぇ~。ちょっと通らせてねぇ~」
私がそう言いながら通ると、飛んで屋根に逃げたスズメたちからメチャメチャ文句言われた!
スズメ1:おふろのジャマしないでよ! チュチュン!
スズメ2:なんで通るんだよ! バカ!
スズメ3:おまえ、なまいきだぞ!
スズメ4:あっちいけ!
スズメ5:どっかいけ! チュチュチュチュン!!
具体的に何を言ってるのかわからんが、ボロクソに言われてることだけはわかる!(← 外国語と同じ。ニュアンスでわかる)。 たとえ小さなスズメでも、そこまで言われたらキズつくのですが……。スズメたちは私が通り過ぎると、これ見よがしに水たまりに戻って水浴びしていました。
〇ニワトリ
観光牧場にニワトリがいた。100円でニワトリにあげる野菜が買えるのですが、私は野菜を持ってなかった。
ニワトリ1:ごはんちょうだい!
ソウ :ごめんね。ごはん持ってないんだ。
ニワトリ1:ちょっと、きいた!? ごはんもってないんだって!
ニワトリ2:サイテー! 手ぶらかよ!
ニワトリ3:ごはんないとか、ありえない!
ニワトリ4:なんもないのか!?
ニワトリ5:ケチ! ケチ!
……そこまで文句言われたら、買う気も失せるわ! ぜったいにあげないんだから!(← ニワトリと同レベルで争ってる)
〇ハト
広い道の向こうから、ハトが歩いてきた。ハトは急ぎの用があるらしく、まっすぐこちらへ向かって歩いてくる。広い道だし、相手はハトだし、よけるか飛ぶかするでしょう。私はそのまま歩いていたが、ハトがよける様子はない。このままだと、ぶつかる。でもハトが飛ぶかよけるかするはず……。
勢いよく歩いてくるハトの気合に負けて、私が道を譲りました(涙)。ハトは私を完全に無視して、歩いて通り過ぎてゆきました………。ハトに気合で負けた……(涙)。他の鳥でも同じ経験あり。鳥に気合で負けます(涙)。
〇マック
マックは雑種の保護犬です。我が家で19年と11カ月生きたワンコです。あと少しで20歳だったけど、老衰で虹の橋を渡りました。
とても賢い母犬が、死ぬ間際に子犬だったマックを、私の母の職場へ連れて来た。母犬は病気で死んで、残されたマックが我が家にやってきた。子犬だったマックはとても賢くて、ウヒャンウヒャンと人に吠えると、せまい隙間に逃げ込んでいた。隙間に入ればつかまらないから「や~い! や~い!」と人をバカにして逃げ込んでいた。
他の人は大人なので「かわいいねぇ」そう言って目を細めていたけれど、私はちがった!
ソウ:ふざけんな! 人間、ナメんな!
そう言って隙間から引きずり出して抱き上げて、撫でくり回した。まさか捕まるとは思ってなかったマックは、目を丸くしてビックリしていました。
私はすでに家を出ていた(文字通り、家出中だった)ので、マックと会う機会は少なかったです。子犬のマックはすぐに大きくなって、成犬になった頃に私が家へ帰ってきた。
大きくなったマックは、キツネとオオカミを足して2で割ったような怖い顔の犬になっていました。目つきがするどくて、やせている。太らせようと良い食事を食べさせても、小食なので太らない。そして、ぜんぜん可愛くない。実際に散歩していると「オオカミ!?」とか「キツネ!?」ってよく訊かれました。キツネもオオカミも可愛いコはいるのですが、野性的な可愛くないキツネやオオカミを想像してください。それがマックです。見た目も可愛くないが、性格も可愛くない。賢すぎて、油断のならない犬になっていました。
マックからすれば、私は後から家に入ってきた後輩です。賢いマックは私にエラそうな態度をとるようになった。例えばマックがご飯を食べている時に私が近づくと、ウウウ~!とうなる。私が家に帰ってくると、ワンワン吠える。他の家族には吠えないのに、私には吠える。これは完全に、ナメられていますね……。
そう思った私は、体重8kgのマックを抱き上げました。どっちが上か思い知らせてやる(← 大人げない!)。
大人の人間ばかりの家で育ったマックは、抱っこされるのに慣れていません。ウウウ!とイヤがって降りようとするのを力づくで抱き上げて、グルグル回った!
ソウ:わたしはね! アンタよりも強いの!
地面に降ろすとマックはフラフラしていました。彼のバックをとって、交尾の体勢を取る(← 犬同士のマウンティングです。バックを取ったほうが強い)。
ソウ:今日から私がアンタのボスだからね(← 本当に大人げない)!
ボスにはなれませんでしたが、仲間くらいにはなれたと思います。それから威嚇されることはなくなった。
家を建て替えることになった時、マックは数カ月ワンコの訓練所に入れられました。ホテルの代わりに訓練所へ預けたのですけれど、ご好意でついでに訓練してくれた。何度か会いに行きました。そのたびに、訓練氏さんから絶賛されました。
訓練士:マックはすごく賢いです! こちらの指示を理解して、ちゃんと従うことができます!
成犬になると、なかなか指示を理解できないらしい。マックはその頃すでに8歳でしたから、かなり珍しいそうです。若い頃から預けられている血統書付きのワンコでも、すべての指示をこなすのは難しいと言われました。
訓練士さんは実際に実演してくださいました。マックは訓練士さんのすぐ側に張り付いて、同じ歩調で歩いたり、待ての指示で立ち止まったり。テレビで見る警察犬みたいな動きでした。
半年ほどして訓練所を出るときに訓練士さんから「マックに教えることは、もうありません! 全ての指示を完璧に理解しています!」そうお墨付きをもらって退所しました。私はワクワクです! 小さい頃に憧れた警察犬だ! マックが警察犬になった!
ソウ:マック、付け!
マック:…………。
ソウ:マック、待て!
マック:…………(あくび)。
めちゃめちゃ賢い犬が警察犬の訓練を受けるとですね、賢すぎて指示がわからない「ふり」をするのですよ……。「なに言ってんすか? オレ、わかんないっす!ww」ちきしょ~!! 取ってこいもできるはずなのに、ボールを投げても「…………は?」って顔をする! 仕方なく私が拾いに行くのでした。キイイ! くやしい!!
そういえば「コイツ、ほんとに賢いなぁ!」そう感心したことがあります。
マックは知らないお客さんには、番犬として吠えます。噛みついたりはしませんが、すごく吠える。
何度か会って慣れてくれば吠えなくなります。ある時に私が何気なくマックに言いました。
ソウ:今のお客さぁ、もう来てほしくないんだわ。次からもずっと、吠えてくれる?
いつもなら2~3回で吠えなくなるのに、そのお客だけはずうっと! めっちゃ吠えてくれました! たぶん「噛んでくれる?」って頼んだら、噛んだと思います。さすがに言いませんでしたが……。
客観的に見ると可愛くない犬ですが、私にとっては可愛いマックです。マックがいなくなったのはずっと以前ですが、今でもことあるごとに思い出します。
マックは無口で触られるのが嫌いな犬でした。犬でもオシャベリなワンコはいますが、マックは無口だった。散歩は大好きですが「楽しいね!」とか言うのは皆無でした。淡々と散歩をして、気が済んだら帰る。でも帰り道で誰もいない場所で、必ずお座りをして私をチラリと見上げていました。
ソウ:撫でてほしいの~? ヨシヨシ~! マックちゃんは、可愛いねぇ~!
マックは昭和な漢なので、撫でられているのを他の人に見られたくなかったみたいです。30秒ほど撫でると、すぐ立ち上がって家に帰っていました。この儀式は、マックと私だけの秘密だと思っていました。
マックが亡くなってから10年くらいたって、やっと気づきました。ずっと不思議だったのです。どうして儀式が短時間なのか、なぜ必ず散歩の帰りなのか。
なぜなら………………、
アレはマックが撫でてほしかったのじゃなくて、マックを散歩に連れて行った「私へのご褒美」だったのです!! 撫でられるのがキライなマックが、撫でさせてくれるのが不思議だったんですよ! どうして毎回「もう、いいわ」ってすぐ立ち上がるのかもナゾだったのですよ! 私が撫でるの好きだから、イヤイヤ撫でさせてくれてただけだった!! だから散歩の帰り限定だったんだ!!
マックが亡くなって10年超しのナゾが解けたのはよかったのですけれど、結局ワタシ、ずうっとナメられてたんだと気づきました。飼い主にご褒美をくれる犬…………。完全にナメられてた……。
でもいつか、またマックと会いたいです。他の人から見ればぜんぜん可愛くない犬ですけれど、私にとっては大事な可愛いワンコでした♪ そして撫でさせてもらいたいです♪




