わたくし、国際的な貢献をしておりますですばい!! ~本日の気づき。
私は外国に住んでいます……!
すみません。ちょっとホラ吹きました。正しくは「外国みたいな場所に住んでいます」です。
私の住んでいるアパートは、市内でも屈指の安アパートです。住んでいるのは海外から出稼ぎで日本に来てくれた外国人の方がほとんど。会社が社宅として部屋を借りて、そこに外国の方々が住んでいます。以前はほとんどがブラジル人だったのですけれど「日本で働いたお金でブラジルの息子が大学を卒業したから帰国する!」とか「家を建てる!」とか「公営アパートが当たった!」とか「もうちょっとマシなアパートメントに引っ越す!」とかで、ブラジル人の方はかなり減りました。「もうちょっとマシなアパートメントに引っ越す!」…………たしかに!ww
なんせ築年数が、50歳の私より年上なのです。一言で言うとボロアパート。昔の建物なのでコンセントはちょっとしかないし(困る)、水道管は老朽化してヘンな味の水が出るし(困る)、窓はガタガタですきま風が入るし(困る)、何もかも古くて昭和な感じです(これはちょっと気に入ってる)。
そんなアパートなので、住んでいる住人もそれなりです。端的に言うとビンボー。私も当事者なので失礼な物言いになりますが、同じ目線で暮らしているので仲間みたいな感じです♪
今いちばん多いのは、ベトナムの方かなぁ? アパートの敷地内で聞こえてくるのは、たぶんベトナム語がいちばん多いと思います。次にブラジルの方たちが話すポルトガル語。あとはペルー語とか、中国語。私はどの言語もまったく話せませんけれど、ずっと聞いているとリズムやノリはわかってくるので、勝手に分類しています。
日本人も暮らしているのですけれど、ほんの少数です。ほとんどが独居の高齢者の方たち。晩年を一人で賃貸アパートで暮らすなんて気の毒に、淋しくないだろうか? 最初はそう思って一方的に同情していましたけれど、私だって中年です。何度かこの方々の孤独死を見るにつけて、少しずつ覚悟はできてきました(苦笑)。私もこのアパートで、一人で死ぬでしょう。最後の瞬間まで自由に気ままに過ごせるのですから、それはそれで悪くない人生だと思います♪
そんなアパートですから、掲示板やお知らせはポルトガル語やベトナム語で書いてあります。ポストに入っているチラシ、住宅会社や宅配ピザ、求人募集はすべて外国語。もちろん通路に貼ってある「ゴミを捨てない」「タバコを吸わない」などの注意書きも、すべて外国語。たまに日本語の話し声が聞こえると、ビックリします。歩いている方たちも、ほとんどが外国の方々。何語でご挨拶すればいいかわからない、そもそも外国語は話せないので、いつでも日本語でご挨拶します。ぜんぜん問題ないです♪
そんなアパートで暮らしていると、とんでもない音が聞こえてきした。最初は工事の音かと思いました。何かを打ち付けるような、すごく大きな音です。工事にしてはずっと聞こえてくるし、夜の10時くらいに音がすることもある。たぶん引っ越してきた方が、大きな家具を組み立てているのだろうなと思っていました。それにしては、あちこちの部屋から聞こえてくる。とくに休日、次に夜が多い気がする。ダン! ダン! ダン! 力いっぱい何かを叩きつける音です。1年ほどたって、ようやく気づきました。これたぶん、麺を打ってる音だ! 思えばベトナムの方が増えた頃から、音がするようになった! ベトナムの麺ですか!? 私も食べたい!!
音はまだ麺かどうか確定していませんが、ニオイは良いニオイがたくさんします♪ ブラジルのお部屋から漂ってくるニンニクやポテト、ベトナムのお部屋からは魚醤(ヌクマム?)やパクチーの香りが漂ってきます! めっちゃ良い香り! 私もお相伴にあずかりたい!!
お相伴にあずかりたいが、言葉がわからないので挨拶をするくらいしかできません。それでなくても出稼ぎに来ているのは20代前半くらいの若い子たちです。たとえ言葉が通じるとしても、何を話せばいいかわからない。わからないから、笑顔で挨拶するだけ。
ある日、私は両手に4ℓの命の水(ウィスキーとも呼ぶ)を抱えて、集合ポストをのぞき込んでいました。4ℓの重たいペットボトルを両手に持っているので、ポストを開ける手が足りない。郵便物が届いてないかと、ポストのすき間からのぞいていたのです。
え? 4ℓ✖2本で8ℓもの命の水(別名・ウィスキー)を、誰が飲むのかですか? 私です。私が一人(!)で飲みます。小さなビンじゃ追っつかないので、業務用のペットボトルを買っています。
たまに健康診断で毎日の飲酒量を聞かれます。「一日にウィスキーを350mlくらい飲みます♪」って答えています。お医者さまはコレを水割りだと勝手に勘違いなさっているようですけれど、私も突っ込まれないのであえて誤解は解きませんけれど、350mlの原酒ですから。水割り用の水は、別途用意していますから。お酒を呑まない方にはピンとこないかもしれませんけれど、尋常な飲み方ではありません。健康面から考えると、完全にアウトな酒量です。でも貧血以外は、健康なのですよね……。
こういう生活をずうっと続けていまして、ある時看護師さんから「肝機能などの数値は正常ですが、一日くらいは休肝日を設けましょう」そうアドバイスされました。何せ大人になってから毎日呑んでいるので、看護師さんは心配してくださったのです。私は真顔で聞きました。「それって年に1回ですか?」私は真面目に真剣に、年1回なら頑張るつもりだったのです。
週に1回に決まってるでしょうがっっっ!!! 1年に1回くらいじゃ意味がないでしょうが!!!
初対面の看護師さんに、ガチ切れされました! めっちゃ怖かったです! めっちゃ怖かったですけれど、いまだに休肝日は設けていません……。
そういうワケでお酒ラヴ(アル中ともいう)な私は、両手にペットボトルを抱えて集合ポストの前にいました。するとベトナム人の男の子(20歳くらい)が歩いてきました。私が通路を塞いでいるので、彼は通れません。私はあわてて「こんにちは! すみません!」そう言って脇によけました。
通りすがりに彼が笑顔で「お先♪」と言った気がしたのです。私はとっさに「どうぞ♪」と答えたら彼が「ウハハハ!」と大ウケしました。私はなんか、間違えたらしい。よく考えると「お先」じゃなかった気がする……。はて、彼は何と言ったんだろう?
しばらく考えてわかりました! 彼は「お酒♪」って言ったのです! なぁんてカワイイんだ!! 一度も話したことがないのに「それ、お酒!(たくさん呑むね!)」って言いたかったの!? めっちゃ人なつっこい! めっちゃ可愛い!
はっっっ! 急に思い出した! ここまで書いて、急に記憶が!!
前にアパート前の道を、一人でテレテレ歩いていたのです。周囲には誰もいなくて、私はのんびり歩いていた。すると頭上から男性の声がした。聞こえてきたのは、英語です。声がしたので反射的に見上げたら、ベトナム人の男の子(20代)がアパートの手すりに手をかけて、あらぬ方向を見ていた。彼の見ている方向には、誰もいません。その場にいたのは、彼と私だけ。彼が?? なんで??
え?? もしかして、私に言った??? えええええ!? なんでえええええ!?
彼が言った英語はですね……、
ハイ! ハニー♡
だったのですよ!! 君は中学生のヤンチャ坊主か!? どんだけ可愛いんだ!! やることが可愛いすぎるだろうよ!! 何より50歳の私に言ってくれるなんて、君は天使か!?
たぶん……。たぶん彼らも私と話したがっている気がする……。話せるようになったら、お友達になれたら、私はダン! ダン! ダン! の騒音の麺を食べられるのか!? 食べたいです!! どんな味がするのか、知りたいです!!
もし麺をご馳走になれたら、お礼にウィスキーを振るまおう! いや、教育上、それは良くない! たとえ成人でも、お酒をすすめるのは良くない! 私みたいな大人になったら、一生を棒に振る!
お酒だけじゃなくて、引きこもりだし、昼夜逆転した生活だし、無職だし、人としてダメな見本をフルラインナップで見せることになる!!
…………わかりました。今後も彼らと付き合うのはナシにします。せっかく日本まで来てくれたのに、悪い人間に引っかかって悪い生活習慣を身に着けたら、残念な大人になるから。これからも可愛い彼らをそっと見守るだけにして、交流はしないように避けて生活します。
あえて避ける、国際交流…………。そういう国際貢献もあるのですよ…………(自分でも、初めて知った!! そして自分で自分が切ない!!)




