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世界がちがう! 2

 おかげさまでなろうに公開した小説「クソ田舎で冒険とかムリです!」は、閲覧数が伸びています。今日も少しずつ伸びています。 めっちゃ嬉しいです! ありがとうございます!


 「貴族のお遊びスキー」に行ったお話です。

 私は雪の降らない九州出身なので、スキーと縁遠い生活をしていました。高校の修学旅行でスキーに行って学年でトップクラスのヘタクソだったので、二度とするまいと誓いました。


 社会人になってから友人たちはスキーやスノボを楽しんでいましたけれど、車は必要だわ遠いスキー場へ行くのにお金はかかるわ、高価なお道具が必要だわで、横で見ていて「スキーは貴族の遊びだ! 私がする遊びではない!」そう思っていました!


 そんな私が、スキー場のゲレンデに立っている……。どうしてこんな羽目になったのか?

頭の上は真っ青な空、目の前には真っ白な雪の世界☆ 遠くに雪化粧をした美しい山々が見えます。なんてキレイ☆ なんて素敵♪ 美しい光景を目の前にして一番に浮かぶ言葉は「おうちに帰りたい!」


 心に浮かぶだけでなく、実際に口に出します。


私:おうちに帰りたい……。

彼:スキーは楽しいよ!

私:おうちに帰りたい……。

彼:さあ、滑ろう!

私:おうちに帰りたい……。

彼:…………この斜面を滑って下まで行かないと、おうちに帰れないよ?

私:イヤ! おうちに帰りたい!!


どうしてこんなことになったのでしょう? 山の上で、私は記憶をたぐり寄せます。


たしか最初は、バイキングだった気がする……。

彼が「バイキング料理が素晴らしいホテルがあるから、泊まってみない?」そう誘ってくれたのです。

私はバイキング料理が大好き! 最近はビュッフェとかブッフェとも言いますが、要は「食べ放題」! どれだけ食べても自由! 好きなお料理を、好きなだけ食べていい! 子どもの頃はダメだったけど、野菜は食べずにお肉とデザートだけ食べてもいい! なんて素敵! なんて自由!


私はバイキングが大好きで、彼は温泉が大好き! この両方を実現した「滝の湯 グランドホテル」という素敵なホテルが長野県にあるらしい。 ネットで見ると、豪華な食事会場やプールみたいな露天風呂が載っています! 素晴らしい!! 行きたい! 食べたい! ついでに温泉も!


彼いわく「普通はバイキングの料理って、1ヶ所に固まってあるでしょう? ここは種類が多くて、3ヶ所あるんだ。会場に石窯があってピザを焼いているし、デザートも種類が多い」

夕食のバイキングは、お料理が70種類(!!)もあるらしい! すごい! ぜんぶ食べたい!

ミートローフ、ハンバーグ、から揚げ、天ぷら、お刺身、ピザ、パスタ、新鮮な野菜サラダ、たくさんのデザート! 食べたいです! ぜんぶ食べる!


彼:夕食ほど種類は多くないけど、朝食バイキングも素晴らしいですよ。ライブキッチンがあって、目の前でオムレツや、おにぎりを作ってくれます。


できたてのオムレツ! おにぎり! 食べたい! プロに作っていただきたい!!


彼:じゃあ、そのホテルに予約を取りましょう。翌日はスキーに行きましょう。もし天気がイマイチだったらスキーはやめて、観光しましょう。


今思えば、彼の作戦だったのではないでしょうか? スキーが苦手な私を連れ出すべく、魅力的なエサ(バイキング)でおびき寄せた。楽天的な私は天気が崩れてスキーが中止になるのを願っていたのですけれど、用意周到な彼ですから晴れる日をバッチリ選んだに違いありません。


彼の仕事の都合で、滋賀県から長野県へ出発したのは夕方でした。高速道路を走ってホテルに到着したのは、夜の23時頃。ホテルのカウンターに誰もおらず、ベルで呼び出してチェックインをお願いします。ホールにお風呂くらい大きな暖炉があるけれど、すでに火は消えています。


スタッフ:〇〇様(彼の名前)でお部屋を二つ準備しております。


あざす! 私は一人じゃないと眠れないので、彼と違う部屋です。


スタッフ:そのお部屋ですが、サービスでレベルアップしております。


ワオ! ラッキー! ありがとうございます! 幸先の良いスタートにウキウキしながらドアを開けると、モダンで広々としたお洒落な部屋でした! 改装したばかりらしい。 でっかいベッドが2つあるけど、私は1つで十分です! ウキウキして荷物を運び込んだら暖かい! さすが長野県! 暖房設備もバッチリ! ご機嫌で上着を脱ぎます。 まずはベッドのシーツを引っぺがして、枕をベッドの足元に置きます。 これ、皆さんはやりませんか? 私は寝るときにバンザイして寝るので、普通に寝るとベッドのヘッドレスト(ベッドと壁の間にある板)に手が当たるのですよ。


……思い出した。また話が横に逸れますけど、お許しくださいませね?


 以前に滋賀県から福岡県へ帰るのに、夜行バスで帰ったのです。いつもは新幹線を利用しているのですけれど、夜行バスのほうが安いのと、バス停が駅から近いのでバスにしてみた。シートは一人ずつ独立して、ほとんどフラットにできる席でした。こりゃあ良かですばい! 寝てたら着きますばい! 今度からバスにしますばい! 大喜びで乗り込んだのですが、最悪でした!!


長時間の移動なので寝るでしょう? 寝ると無意識にバンザイするのですよ。 するとシートに手が当たって「ゴン!!」とすごい音がする! 私は自分のクセですから仕方ないのですけれど、周りのお客様に大迷惑! 静かな車内にゴン!と音がするのですから、眠っているお客様が起きてしまう!

申し訳ないので眠らないように頑張ったのですけれど、どうしてもウトウトしてしまう。そして気づかないうちに眠りの海に沈んでゆくと…………ゴン!!

私も他のお客様も眠れぬ一夜を過ごし、二度と長距離バスには乗らないと心に決めたのでした(涙)。


そういうワケで、ホテルのベッドもまともな向きでは眠れません。バンザイしても大丈夫なように、頭と足の向きを逆にして寝るのです。そのためにシーツを引っぺがしてヨイショ、ヨイショと掛け布団の向きを変えていると、なんだか暑い……。着ていたカーディガンを脱ぎます。さすが長野県。寒さ対策はバッチリだぜ……。って、暑い! めっちゃ暑い! ハンパなく暑い! あわててエアコンを見ると、Maxになってる! 暑いから! 電源オフ!

長そでシャツをまくっても、暑い! 脱ぎたいけれど、もう脱ぐ服がない! 寒い場所への旅行ですから半袖シャツは、もちろん持ってきていません! 暑い! ズボンも暑い! 半袖と短パンになりたい! でも持ってきてない!


電源をオフにしたら適温になると期待したのですけれど、ハンパなく暑い! おそらく長野の皆さんは、こういう部屋で快適にお過ごしになるのでしょう。かたや私は、滋賀県のビンボー人です! すきま風が吹きすさぶボロアパート、たまに氷が張るアパートで、暖房代をケチるために厚着をして暮らしています。豪華な暖房設備に、カラダがついていかないのです! 結局、窓を開けて(!!)寝ました。豪華なお部屋でビンボー人の耐えられる温度にするには、窓を開けるしかなかった……(涙)。せっかくの豪華なホテルと設備なのに、馴染めないビンボーが憎い……。


それとですね、普段は狭い部屋に住んでいるので、広々とした空間に馴染めませんでした。いつもは台所もベッドも押し入れもすぐそばにあって、何か取ろうとしても2歩で手が届く。ところが豪華なお部屋は、ゴミ一つ捨てるために大移動なのです! いくつかゴミ箱はあるのですけれど、部屋が広いので遠い! それから狭いアパートなら夜中にトイレへ行っても寝ぼけてるうちにベッドに戻ってくるのですぐ二度寝できるのですけれど、広いお部屋を横切ってトイレに行くと、歩いているうちに目が覚めてしまうのです! 眠れない! ってか、何でこんなに広いの!?


眠れぬ一夜を明かし、翌日です。朝のバイキングです! 色々ありましたけれど、張り切って行きます! オープン20分前からドアの前でスタンバイです! 彼と私の他に誰も来ません! でも並んで待ちます! 次のお客様が来たのは、開店5分前でした。それなら10分前に並べば余裕だったのですけれど、後悔はありません! 窓際の眺めが素晴らしい席に陣取って、すばらしい朝食を堪能しました!


おにぎりも、オムレツも、目の前で作ってもらいました! オムレツの具は4種類。野沢菜、チーズ、トマト、(あと一つは忘れた)、どれを入れてもらおうか真剣に悩んでいたらシェフさまが「全部入れましょうか?」そう言ってくださった! 具がたくさん入った豪華オムレツは、大変おいしゅうございました! すぐに長い行列ができて具の全部入れどころか、オムレツをあきらめたお客様もいらっしゃいましたから、早くから並んだ甲斐がありました! 茹でたてのおそばも、料理人さんが焼いてくれた焼き魚も、長野県産のハムやウインナーも、とろりと甘いコーンスープも、シャキシャキサラダも、揚げたてポテトも、一口サイズのホテルパンも、デニッシュも、ホテル特製のプリンもソフトクリームもケーキもコーヒーゼリーも、大満足でした!!


美味しい料理をおなかいっぱい食べて出かけます。天気は快晴! スキー日和! 晴れ晴れとした天気とうらはらに、私のテンションはどんどん下がってゆきます。帰りたい。おうちに帰りたい。

何でスキーに来ちゃったりしちゃったんだろう?? 私のバカ、バカ!!


2日に渡って前置きを書いてきましたが、本編のスキーについては端的に書きたいと思います。

 

ひどい筋肉痛と、むち打ちになりました!!!!! それがすべてです!! 踏んだり蹴ったりでした!!  以上!!


初心者なので、ずうっと緊張していたのです! ガチガチに緊張していた! おかげで派手に転んだときに、ひどいむち打ちになってしまいました(涙)。 首がイタイのなんのって! こんなにイタイのは、車で事故った時以来ですよ! ってかこんなの、事故じゃん!!


なだらかな斜面でもガチガチに緊張して前のめりで踏ん張っていたので、ブーツがあたる弁慶の泣き所に青タンが……。あんなに長時間ガシっ!ってブーツが食い込んでたら、弁慶じゃなくても泣くぜ!

そして手も足も首も、身体中が筋肉痛……(涙)。あんまり久しぶりの筋肉痛だったので、何の痛みかと怯えて震えましたよ! ヘンな病気になったのかと思った!

やっと帰る際にも、ひと騒ぎありました! ブーツを脱ぐのに、右足がつったのです! 走る激痛! 響き渡る悲鳴! 彼もスタッフの方も「大丈夫か!?」心配してくれます! ごめん!

何とか足を伸ばして、左足を脱ぎます。あんなに注意したのに、またつった! 走る激痛! 響き渡る悲鳴! (以下略) 死ぬほど痛かった!!!


そういうコトがありましたので、あんなに楽しみにしていた夕食バイキングは、記憶の彼方です……。今となっては痛みしか思い出せない……(涙)。


命からがら帰宅して、そのまま倒れるように寝込み、回復したのは3日後でした。とはいうものの、いまだに肩や首がイタイです……(涙)。


今日の結論:貧乏人は、貴族様のお遊びに手を出してはいけない。




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