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大ウソつき! 2

 おかげさまで元気です。身体の皮がむける脱皮は終わり、原因不明の下痢と、ギックリ腰の危機はまぬがれました! 寒波で洗濯機が凍ってお洗濯できませんけれど、そのうち溶けるでしょう!


 前々回のお話(大ウソつき!)の続きを……。


 学生時代に私を手痛い目にあわせてくれた大ウソつきの元・親友が、どうやら結婚詐欺で逮捕されたらしい……という不穏な話は、単なる前置きです。ウソをウソで塗り固めた結果、逮捕される事態にまで発展したとしても、そりゃそうだと納得するくらい大ウソつきでしたから。


 私は数年おきに、こういう病的なウソつきと出会います。直近は、私に関わりのある大事な方の死因を、自殺だと断言した人でした。その方の狙いが何だったのか、いまだにナゾです。なぜ病死をわざわざ自殺と言ったのか? 私を落ち込ませたかったのでしょうか?? 私を落ち込ませたくてウソをついたのなら、大成功! でした! 私、ずうっと落ち込んでいましたから! それがウソだとわかったのは、他の方から教えてもらったからです。詳細は伏せますが(ごめんなさい)、教えてくれた方はお仕事で死因を知りうる立場にあったので、大ウソつきより信頼できたのです。さすがに病名までは教えてくれませんでしたけれど「確実に病死です。自殺はありえません!」と断言してくれました。私も自殺はありえないと思っていたので、やはりそうか……と納得しました。


病的なウソつきは、ウソの目的がわからない場合があるので怖いです……。


このようにウソつきにうっかり騙されて大きなダメージを喰らうので、私はウソは大嫌いです!

できるだけウソはつかないように、真面目に生きています。


あ! 小説のお話は、ウソではありません!「ホラ」です。ウソは自分を守るため、相手を傷つけるためのズルい方法ですが、ホラは自分や相手を楽しい気持ちにするものです。それに現実ではないと、自分も相手も了解しているファンタジーです。ウソとホラは違います!!


お話では大ボラを吹く私ですけれど、実生活は正直を心がけています。たまに「そこまで正直にならんでも……」と自分でツッコむくらい、正直です!


近所に私を心配してくれる方々が幾人かいてくださいます。どの方もご高齢で、私を娘か孫のように心配してくれる。それに加えて高齢者特有の、突っ込んだ質問をしてくれます。お若い方なら色々と配慮して聞かないことまで、訊いてくる。


問い:何で一人で暮らしてるんや?

答え:2回も離婚して、結婚は向いてないと気づいたからです。

問い:今日は仕事か?

答え:仕事は辞めました。

問い:なんで辞めたんや?

答え:仕事も職場も厳しかったからです。ついに、メンタルをやられまして……。ww

問い:また結婚せんのか?

答え:ぶっちゃけ、結婚に向いてませんから! 私、神経質なんですよ!


こういう突っ込んだ質疑応答を路上で繰り広げています……。内容がヤバすぎるやろう……。加えてみなさん高齢でお耳が遠いですから、問いも答えも大音量! です! 身も蓋もない受け答えを、町内中に響き渡る大声で叫んでいます……。私、ちょっと考えろよ……。


ずっと無職で引きこもり生活でしたから、皆さんとっても心配してくれていました。ですから本を出版してもらったときは、誇らしいのと安心してほしいので「私の本が出ました!」とご報告しました。その中に、ご近所の南川さん(仮名・80代・女性)もいらっしゃいます。


南川さんは80代というのに、真っ黒な髪の毛で若々しいおばあさんです。おばあさんと言うより、おばさんのほうがしっくりくる。シャキシャキしていて、ハキハキ物を言うので、私よりよほど若々しい。

 南川さんは読書が好きで、よく図書館に行くそうです。もちろん私の本が出たときは、本をプレゼントしました。「私の本を出してもらったんです! これが私の本です! もらってください!」 てっきり喜んでくれると思っていたのに、南川さんはビミョ~な顔をしました。「アンタが書いたん?」「そうです!」「そうか……」「もらってください!」「……お金、払うわ……」「いつもお世話になっているから、いりません!」「……じゃあ、もろとくわ……」

ものすごく歯切れの悪い会話でした。奥歯にモノのはさまったような……。


たいていの方は、本を読んだら感想を教えてくださいます。私は南川さんの感想を待っていたのですけれど、何度会っても本の感想は出てきません。待ちくたびれた私は、自分から切り出しました。


ソウ:私の本は、読んでくださいましたか?

南川:……ああ、読んだわ……。

ソウ:いかがでした?

南川:……ごめんなぁ。アタシがアホやから、話がサッパリわからんかったわ……。

ソウ:ファンタジーですし、児童向けだから、大人の方にはピンとこないのかも……。

南川:ごめんやで。アタシがアホなばっかりに。

ソウ:そんなことありません! ファンタジーは好き嫌いが別れますから! 私こそ、押し付けてしまってすみませんでした!

南川:……ごめんやで。


……どうやらお気に召さなかったらしい……。それにしても、お気に召さないだけではナイような気がする……。モヤモヤしますが他の世間話は盛り上がるし、私を何かと心配してくださるのは事実です。どうやら私の本に関する話を避ければ問題ないらしいとわかったので、本の話をするのはやめました。


そして去年の10月頃、珍しく南川さんから電話がかかってきました。南川さんのおうちは、私の部屋から歩いて1分もかかりません。それなのに電話……何だろう??


ソウ:もしもし?

南川:ねぇちゃん、ごめんな! アンタに教えてほしいことがあるんや!

ソウ:私でわかることであれば。何でしょう?

南川:コロナで国から5万円もらえるって話は知ってるやろ!?

ソウ:ネットニュースで見ました。

南川:あれな、どうやったらもらえるか、ねぇちゃんから役所に訊いてほしいねん!

ソウ:私、市役所は退職しましたから! ご自身から市役所に訊いてください!

南川:イヤイヤ! ちょっと訊いてぇな! 頼むで、ホンマ!

ソウ:困ります! 何かあっても、もう職員じゃないので、責任取れませんから!

南川:そんなん、責任取れとか言わんがな! ちょっと訊いておくれ! 後生やから!

ソウ:それなら市役所の電話番号をお伝えしますから、電話でお尋ねください!

南川:何を訊いたらいいか、それがわからへんねん! お願いやから、ねぇちゃんが訊いてぇな!


 私は不機嫌に電話を切って、しぶしぶ市役所のホームページを見ました。給付金の該当者には、役所から申請書類が送付されるらしい。その書類に記入して返送すれば、口座に5万円振り込まれるらしい。送付は11月から順次発送。今は10月だから、とりあえず待つしかないらしい。


私はイヤイヤ南川さんに電話をして「ネット情報ですから、間違っているかもしれませんよ!」そう前置きして、上記のことをお伝えしました。そして次からはご自身で市役所に問い合わせをしてほしいと、しつこくお願いしました。私は責任が持てないし、間違っている可能性があるから、答えられない! 何度も説明しました。


南川:わかった! 次から役所に訊くわ! 助かったで! ありがとな!!


そして先日、またもや南川さんから電話が! もう同じ失敗はしないぞ! 代わりに問い合わせをしてほしいと頼まれても、断固として断る!!


ソウ:……もしもし?

南川:ねぇちゃん、ちょっと教えてや!

ソウ:あきませんて! 役所のことなら、役所に訊いてください!

南川:ちゃうねん! ねぇちゃん、アンタ、給付金はもろたか?

ソウ:え???

南川:コロナの5万円や! アンタ、もう口座に入ったか!?

ソウ:あれって、非課税世帯に給付ですよね?

南川:そうや!

ソウ:私、今回は非課税世帯じゃなかったから、もらえませんよ?

南川:えええっっっ!? ウソやろ!?


ウソじゃナイです。前の仕事がカウントされる期間だったから該当者になれず、給付金はもらえませんでした。


南川:なんや、そうか! てっきりアンタも給付金をもらえると思ったから、色々と訊いてたんや!


なるほど! 以前に私に訊いてきたのは、私も対象者だとカン違いしてたんだ! どうりで断ってもしつこく頼んできたわけだ! 私も当事者と誤解してたのか!!


南川:じつはな、書類を送り返したんやけど、口座に入金がナイんやわ。それでどうなってるか知りたくてな……。ええわ、アタシ、役所に訊くわ!

ソウ:ぜひともそうしてください!! 私、カンケーナイですから!!

南川:アンタ、元気にしてるか?

ソウ:おかげさまで、元気ですよ♪

南川:たまにはアタシのうちに、遊びにおいでや!

ソウ:ありがたいのですけれど、今、二巻の追い込みでずっと原稿を書いてます。

南川:……そういうの、ええから。

ソウ:え?

南川:……ええて、もう。そういうウソ、いらんから。

ソウ:……え? ……ウソ?? え……?

南川:またいつでも遊びに来てや! ほな! (ツーツーツー……電話、切れた)


え? どゆこと? ウソ?? ウソって、なに??? 私、ウソつきになってる??

話を整理してみよう。南川さんから見た、私って、どうなってるんだ?


仕事を辞めて、無職になった。  ← これは伝わってる。

引きこもり生活をしている。   ← これも伝わってる。

コロナの給付金         ← 私は非課税世帯じゃないから給付されないって説明したら、ビックリされた。どうやら南川さんから見た私は、生活困窮者に見えてるらしい……。困窮してるっちゃしてるけど自分で望んで続けている生活だし、南川さんの思うイメージとズレがあるような……。

自分の書いた本が出た      ← 南川さんは、ウソだと思っているらしい……。


まとめると南川さんから見た私は「生活困窮で金に困っている無職の50代引きこもり女が、給付金はもらえないと見栄を張ってウソをついて、さらに本を書いたと大ウソをついてる」そういうこと!? そんなヤツ、めっちゃ痛いヤツやん! 大ウソつきやん! 私、大ウソつきになってますやん!! そんな人が実際にいるなら生活困窮で役所に行って、メンタルの治療を受けたほうがイイですって!!


……ちょっと、待って……。思い出した……。


以前に知り合いの女性に本を出してもらったって話したときに、「それって、新聞とかに載ってる? 載ってるなら、何新聞のいつの記事? 何面?」そう訊かれた! その時は掲載された新聞をズラズラ~って並べて見せた! フルカラーでバッチリ私の顔が写ってたし、ありがたいことに大きな記事ばっかだから感心してくれたけど、アレってもしかして、ウソだと思われてた!? 私、大ウソつきだと思われてる!?


安いボロアパートでボロい服着て、仕事にも行かずウロウロしてるから!? 私、ウソついてないし! 本当のことしか言ってないし! ムキイイイ!! こんなに真面目に生きてるのに、大ウソつきだと思われてた!!! これ以上、どないせぇっちゅうんじゃあああああああ!!!!!


というショックなことや寒波や体調不良が重なりまして、ずうっと寝込んでいた次第でございます。

そりゃ、ショックですわ……。自分が一番キライな大ウソつきだと思われているのですから……(涙)。

これって言えば言うほど、ウソくさくなるパターンですよね……。そして南川さんの誤解が解けても、私を大ウソつきだと思っている方は他にもいるはず……。

洗濯機の氷も溶けてほしいけれど、大ウソつきの誤解も解けてほしい……(涙)。


どちらも時間が解決してくれるのか…………???(涙)。


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