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あなたに、祈りを。

 もしあなたのために祈る人がいたら、あなたはどう感じますか?
















 じつは私が、あなたのことを祈っています……。













 気持ちわるいとか、言わんといてください!




 以前は、まいにち泣いていました。つらくて涙が止まらなかった。朝起きて泣いて、泣きながら仕事に行って、帰り道で泣いて、泣きながら眠っていました。でも辛いのが人生だと思っていたし、泣きながらでも働かないと食べてゆけないので、仕方のないことだと思っていました。我慢して我慢して我慢して、自分の限界を超えても我慢した結果、私は死ぬことにしました。死ぬのが一番良い解決方法に思えたのです。


 ずっと前から準備はしていたし、場所も決めていました。後は実行するだけ。


「私は今日、死のう」


発見を遅らせるため夜になるのを待ちました。暗くなって人通りもなくなった頃、道具を持って家を出ようとした時、


「死ぬくらいなら、逃げたら?」


 どこからか、声がしました。


 それは、私が今まで何度も言った言葉でした。悩みを抱えて相談に来てくださる方々に、何度も言った言葉です。「辛い、死にたい」という方たちに、何度も何度も投げかけた言葉。


私:お仕事もご家族も大事だけれど、あなたが一番大事です。お仕事が辛くて死にたいのなら、お仕事を辞めましょう。ご家族との関係が辛くて死にたいのなら、今はご家族を捨ててください。一度逃げて、元気を取り戻しましょう。元気になってから、また問題と向き合えばいいです。あなたはとても大事な人です。あなたより大事なことなんて、この世の中に一つもありません。あなたの命を大事にしてください。あなたが生きていることが、一番大事なことです。


 ずっと相手に投げかけて来た言葉が、今の自分にはね返ってきた。私は、どうだろう? 私の命は、大事だろうか? 私は生きていても、いいのだろうか?






イイに決まってんじゃん!!! 死ぬな!! 生きろ!!!


 もう一人の私が、言いました。そこからは、起死回生です! 大事な仕事を投げ出して、不義理を承知で失礼ぶっこいて、あらゆる責任を放り投げました! 何より生きる気力が尽きていましたから、責任とか義理をどうこうする元気はなかった! 周囲にものすごく迷惑をかけましたけれど、それに対して謝る気力さえ失っていた。とにかく休もう。泣いて寝てを繰り返す日々です。一日、16時間(!)寝ていました。その前はどんなに疲れていても気持ちがザワザワして4時間しか眠れない日々でしたから、異常な長さです。まさに病的! 16時間寝て起きている間は、ずっと泣いてる(苦笑)。人と会うなんて、とんでもない! 人が怖くてコンビニさえ行けませんでした。 


 ずうっと引きこもりの生活を続けたおかげで、少しずつ回復しました。眠る時間は10時間くらいになりましたけれど、まだ人と会うのは怖い。ごく少数の限られた人に助けてもらいながら、一進一退しつつ回復してゆきました。人と会うのは怖いけれど、私はもともと人が大好きです! 現実の人と接することができない代わりに、空想の世界で人と付き合うことにしました。そして生まれて初めて、お話を書き始めたのです。


 その時に書いたお話が大賞を頂いて、本になることが決まった。私は自分へ手紙を書きました。


「私へ。これから楽しいことばっかりしてください。好きなこと楽しいことだけをして、ずうっと笑っていてください。そして幸せになってください。未来のあなたがいつでも笑っていられるように、今の私は祈っています。私に、イイコトありますように☆」


 以前の仕事を見ていた方が「うちの職場に来てくれない?」と声を掛けてくださいました。まだ人と会うのは怖かったのですけれど「前よりひどい職場なんて、あるわけない」と思えるだけの理性が戻ってきていたので、ありがたく就職しました。
















 前もひどかったですが、今度は地獄でした……(涙)。

 辛くて辞めた前職よりも、さらに辛い環境です。イチャモン付けられて不当な叱責を受けて、自分がどんどん卑屈になってゆく日々。人様のお役に立ちたいのに「いらんコトしたら、叱られる」と見て見ぬフリをするようになってしまった。それ、私の一番イイトコだったのに……。それでも異常に前向きな私ですから「かなりキツイが、私に期待して厳しく指導してくれているのだから、頑張ろう」と思っていました。


 ある日、ある人に言われました。
















「あなたね、いじめられているのよ……。」


そうだったのか!(← 本当にニブい) 指導だと思っていたけど、いじめだったのか!(← 気づくのが遅すぎる)


「私、とある理由から知ってるんだけど、あなたが辛くなるよう故意にされてるから。故意、わざと、いじめ。それを知っているから、横で見ていて辛いの」


 故意なら話は別です! 今までワザとじゃないと思ってたから黙ってたけど、もう黙ってる理由はない!

 私、大泣きしながら大暴れしました! ほんとは泣かずに暴れたらカッコ良かったのですけれど、今まであんまり辛かったから、泣かずにはいられなかった! 泣きながら今までのことを糾弾した! 泣きながらではあるけれど理論的だったのは、自分で自分を誉めてあげたい!! 


「手のひら返し」という言葉の意味を知ったのは、この時です。暴れて一夜明けたら、私の扱いがゴロっと変わった! 今まで完全に無視されていたのに、チヤホヤされるようになった!

 自分で言うのはアレですが、お仕事はちゃんとできていたのです。小さなミス(私は機械に激弱い)はしていましたけれど、本来の相談業務はできていた。だからチヤホヤされるようになった。それに今ならわかる! たとえ仕事ができなかったとしても、人格変わるまで責められるいわれはないっっっ!!


 これで解決と思うでしょう? 本当に辛くなったのは、ここからでした。いじめの対象が、別の人になったのです。それまで私がいじめられていたのに、別の人がいじめられるようになった。自分がいじめられるのも辛いですけれど、他の方がいじめられているのを見ているほうが、ずうっと辛かった!


私:アカン。詰んだ。終わった。仕事、辞める。


 今ならその方を助ける元気はありますけれど、当時はなかった。だから逃げ出した。ご安心ください。その方、ご無事です。後に安否確認をしました。今はその方、ご機嫌さんです。





 ということがありまして、あなたのために祈ることにしたのです。


 辛い時、私は一人ぼっちだと思い込んでいました。誰も私を助けてくれない、だから死ぬしかない。でも本当は、手を差し伸べてくれている人がたくさんいました。目の前が見えなくなって、差し出された手も見えなくなっていた。もしもあの時「あなたが幸せになるように、いつでも祈っているよ」と言ってくれる人がいたら、あんなに辛くなかったかも……。


 私は祈るしかできませんけれど、それでも祈ることだけはできます。いつも寝る前に「みなさんに、イイコトありますように!」とお祈りをしています。世界中の人の幸せを願うほど私の器はデカくありませんけれど、私と関わってくださった皆さん、これを読んでくださっているあなたの幸せを願うことはできます。


 あなたが辛い時に「でも一人は確実に、私の幸せを願っているヤツがいる」と思い出してくださったら、私は嬉しいです。

 今は幸せです♪ 好きなことをして、笑って暮らしています。将来に不安がないワケではないのですけれど、いま笑える元気があるなら、とりあえず今日は笑っておこう!







 あなたにイイコトあるように、いつでも願っています。そして私にもイイコトあるように、それも願っています☆










だから気持ちわるいとか、言わんといてください(笑)。

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