人生で一番後悔したこと 2
本題の前に、問題が解決したご報告を!
先日のエッセイ(第15部分 じつは実話です。)で、自動ドアやタッチパネルやスマホが反応しないようになって困っていたお話です。 なろう仲間の三屋城衣智子さまから有益な情報を頂きました!
(以下、引用)
タッチパネルはあるある!と思って拝読しました。
静電気で動いてるタイプは、指先がカサカサだと反応が悪くなるみたいです。
自動ドアは、センサーの種類がある様で、光の反射でみてるものなどは黒い服や毛足の長いもこもこ服だと反応しづらくなるようです。
(引用終わり)
なんてこったい! 冗談で「私、枯れてるんですよww」って言っていたら、ガチで枯れてたとは! まさかの水分不足! そして当時、たしかに黒い服ばっかり着ていました! それで自動ドアが反応しなかったのか!
長年のナゾが理論的に解けました! 三屋城さま、ありがとうございます! そして愛する読者の皆様も、水分不足と黒い服にはご注意ください! マジでめっちゃ困りますから!!
ではでは本題です。「人生で一番後悔したこと」です。
百戦錬磨の教習所の先生方が悲鳴をあげるほど運転がヘタな私は、先生方のおかげでトラックの運転免許を取得することができました! でも面接へ行ってもことごとく不採用で、トラックの運転手になる夢は叶いませんでした。あ~あ! 残念!!
せっかくトラックに乗れるようにはなりましたけれど、トラックを持っていないので普段乗るのは普通自動車です。普通自動車とは言っても優しい夫のおかげで、それなりに名の知れた外車に乗っていました。……もう時効でしょうから車種を言っても構いませんよね? BMWです。黒色の。
ある日、私は近くのスーパーへお買い物に行きました。そのスーパーは、ヤ〇ザの抗争で散弾銃の乱射さわぎ(!)があったスーパーです。あなたは思うかもしれません。「そんなバイオレンスなスーパー、いったいどこのスーパーなんだ?」
久留米市です。福岡県久留米市。今はクリーンな街になっていますけれど、当時は〇クザの抗争で大盛り上がり(?)でした。 武闘派ヤク〇の本部には、24時間体制で警察官が張り付いていました。ずうっと警察官が常駐しているので、その辺りはある意味安全?でした。
街の皆さんも慣れたもので「抗争で拳銃を使うのはわかるんよ! でも散弾銃はいけん(ダメ)やろ! 一般人もいるスーパーで散弾銃を使うのは、良くない!」と、ビミョ~におかしな価値観で怒りをあらわにしていました。拳銃は、アリなんだ……。
こういうホットな街でしたから、ヤク〇の皆さんもフツーに生活していました。だって乱射さわぎがあったスーパーって、組長さんが買い物に行ったからぶっ放された(← ケガは負ったが無事だった)のですもの。フツーに〇クザがウロウロしてました。
ヤ〇ザの見分け方はカンタンです。まずド派手な車に乗っている。センチュリーとかプレジデントとか、ロールスロイスとか。家が買える値段の車ばっかり。たぶんそういう車は、銃撃されても大丈夫なように防弾処理とかをしているのでしょう。知らんけど。
防弾処理で思い出した話があるので、してもよいですか?
以前に久留米じゃない町に住んでいた頃、近くにヤ〇ザ御用達の総合病院がありました。ウワサではヤクザが襲われて担ぎ込まれたらすぐに治療してくれて、警察の追及も知らぬ存ぜぬでかわしてくれるらしい。その病院、5階建ての大きな病院だったのですが、窓ガラスがすべて防弾ガラスだったそうです。「この病院に入院している間は安全♪」と、ヤ〇ザの皆さんに大好評だったとか……。
すみません。話を元に戻します。ヤ〇ザの見分け方です。ヤ〇ザの偉いさんたちは上等な背広を着ていて、パッと見では社長さんかな?と判断しかねる服装でした。よく見ると目つきが尋常じゃないので慣れてくればわかるのだけど、偉いさんはすぐにはわからない。でもお付きの若い方が独特だったので、セットで見るとわかる。若い方は丸坊主で、黒いスーツに黒いネクタイです。まるでお葬式みたいな服装 & 丸坊主。 ド派手な車の運転手さんがこの格好だったら、ヤ〇ザ。間違いない。
そういう車がそこかしこに、たくさん走っていました。私を含む一般人は、当たらず触らずです。ヤ〇ザさんも基本的に素人には迷惑をかけないようにしてくださっているので、問題が起こることはありませんでした。見ればすぐにわかるから、避ければいいだけです。
そして私はある日、銃撃のあったスーパーの駐車場で車に乗ってウロウロしていました。夕方の混雑で車をとめるスペースがない。おなかはすいてるし、車はとめられないし、私はイライラしていました。前方に車が3台ほど徐行していて、同じように駐車スペースを探しています。場内は一方通行なので前の3台が駐車しないと、私は駐車できない。「前の3台をパスしたら、すごく遠くの車がない場所に移動してゆっくり駐車しよう。そうしよう」。そう思っておとなしく後について走行していました。
すると急に3台の車が止まった。そしてバックしてきた! 驚いて見ると、前から真っ黒なロールスロイスが近づいています。一方通行なのに、逆走してる! 私の前の3台はバックで通路に入ったり、ギリギリまで車を寄せたり苦労してロールスロイスを通してあげました。逆走しているヤ〇ザは礼を言うでもなく、謝るでもなく当然のような顔で逆走してくる! 残るは私だけです。
運転席と助手席の2名、黒スーツ & 丸坊主のお若い方たちは、不貞腐れた顔で私をニラんでいます。後部座席にはスーツを着たお偉いさんが2人座っている。私は一人。4対1。ヤ〇ザ4人 VS 一般人の私1人。どう考えても勝ち目は無い。でも逆走してるのはあっちで、私は正しい方向で進んでいる……。どうする??
普段なら四苦八苦して車を横に寄せたと思います。そして通してあげたはず。でも私は「おなかがすいていた」そして「運転が超絶にヘタ」だった。この2つが重なった時、奇跡が起きたのです。
私は運転手さんを睨んでアゴを横へ動かしました。「お前がよけろ」のサインです。そして1㎜だって動かないことに決めた。まさか抵抗されるとは思ってもいなかったらしく、お若い二人は後部座席のお偉い方に指示を仰いでいます。そして4人が殺すぞという目でこっちを見ている。普段の私なら震え上がって逃げ出すのですけれど、なにせお腹がすいていた。しかも車を上手に寄せるテクニックは持ち合わせてない。私は4人に睨まれたまま、じっと睨み返していました。
突然、助手席のお若い方が車を降りた。私、拉致とかされて沈められちゃうのかしら? 私、殺されちゃうのかしら?
すると男性は車の後ろへ行って、オーライ、オーライと車を先導し始めたのです! ゆっくりとバックするヤ〇ザの車、じりじりと前に進む私。やっと離合できる場所まで来てすれ違う時、4人が私の顔をガン見していました。私は前方を見つめたまま4人をガン無視して、その場を通り過ぎました。この後、無事にお買い物を遂行できたか記憶はありません。たぶん尻尾を巻いて逃げ出したんじゃないかなぁ~?? あまりの出来事に、記憶が飛んでいます。
これが私の「人生で一番後悔したこと」です。ここまで読んでくださって、ありがとうございます! そうは言っても「え? なんで? これのどこが後悔した話なん!?」あなたはそう思うかもしれません。私もこの時は、まだ死ぬほど後悔するハメになるとは思ってもいなかったのですよ……(涙)。
異変が起きたのは、すぐでした。街中の交差点で信号待ちをしていたのです。隣に真っ黒なスモークガラスを張った大きな黒いベンツが並んだ。そして運転席(左ハンドルのベンツ)のガラスがスーっと下がると、黒スーツ & 丸坊主のお若い方が見えた。このあたりでベンツはヤ〇ザの中堅クラスが乗る車です。珍しいことではないので、私は気にせず前を見ていた。すると運転手のお若い方が、
ペコペコと頭を下げて私に挨拶してきた!!!
ええええええええええっっっ!? なんでっっっ!? なんで私に挨拶っっっ!?
動揺する私に、ヤ〇ザさんはペコペコと頭を下げ続けてくださってます! 私は無視してるのに!!
信号が青になったのでダッシュで逃げました! ビックリした! なんでヤ〇ザさんが私に挨拶!?
きっと誰かと間違えたんだ! そうだ、そうに違いない。それにしても、驚いた!
って言ってるうちに、街中で会うヤ〇ザの車が挨拶してくるようになった! 狭い街とはいえ、ヤ〇ザさんはたくさんいらっしゃいます! 何台もの車が挨拶してくる!! すれ違う車、横に並ぶ車、ど派手な車がこぞってご挨拶をしてくださる! 怖いです! めちゃ怖いです!!
私は考えました。あの日、私がヤ〇ザに道を譲らなかったのが原因に違いない。4人のヤ〇ザを相手に引かなかったせいで、私はどこかの組の姐さんと誤解されたのでしょう。あんなこと、しなけりゃ良かった! 私のバカバカバカ! たぶん私の乗ってる黒色のBMWで、ヤク〇の関係者と誤解されたのでしょう! この車に乗っているかぎり、どこぞの姐さんと間違われる! 車に乗らず、歩くぜ! メンドクサイけど、ヤク〇に目を付けられるより100倍マシ!!
車が原因という考えが間違いだったことは、すぐに判明しました。車に乗らず道を歩いていても、挨拶される!! あちらは車で判断してるんじゃない! 私の顔で判断してるんだ!! オーマイガーっっっ! どういう情報共有してんだっ!? 見事にシェアできてる! 私の人相が、完全にバレている!!
丁寧にご挨拶してくださるうちに、彼らは気づくでしょう。「ところであれは、一体どこの姐さんなんだ?」 「そもそもあれは、誰なんだ?」私、バリバリの一般人ですから!
ご挨拶を返せば会話に発展するでしょう。「ところで姐さん、どちらの組の?」「わたし、一般人です♪」なんて返した日にゃあ「おどれ、ナメくさった真似したのに一般人か!」って危害を加えられる恐れがある! かと言って無視を続けて身元がバレた日にゃあ「シカトこいてて一般人かよ!」ってボコられる可能性が……。どうあがいてもジ・エンド。私、終わった……。
身のすくむ日々は突然に終わりました。急に夫の転勤が決まったのです! 私は躍り上がって喜びの舞いを踊り、最速で引っ越しの作業を終えて街を逃げ出しました! 身元がバレる前で良かった!
生きて街を出ることができました!!
その後は色々な方々のご尽力で、ヤ〇ザは衰退の一途をたどっています。もうこんな目に遭うことは二度とないと思います。無事にトラブルを回避できて、ここであなたにお話を読んでもらうことができて、本当に良かったです(涙)。
もうヤ〇ザさんには、二度と逆らわないです。正義がどうとか道理がどうとか言うより、コワイ目にあいたくない! 長いモノには巻かれろ、です。おとなしくヘイコラして、言うことをききます!
無理が通れば、道理は引っ込むですよ! 私はしがない一般人ですから!!
え? もしも同じ場面になったら、どうするか? ですか? おとなしく車を動かして道を譲るか? ですか?
………………そんな運転テクニック、持ち合わせていませんから! きっと同じように「お前がよけろ」ってやるに決まってます!(← 死んでも学習できないタイプのバカ)




