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悪魔の如く、天使の如く

作者: 銀狼

 植物が子孫を残すため、次代を得るために落とす果実、その中身。いつ誰がひらめいたものか知らないが、「種に火を通して煎る」「煎ったものを粉に挽く」「粉に湯を注いで抽出する」という過程を経て、ようやく我々の前に姿を現す。

 口元まで運んでみれば、独特ながら香ばしい香りが鼻をくすぐる。そっと口に含んでみれば、苦みや酸味が舌を刺激することだろう。その味が苦手という人もそれなりにいる。しかしようく味わう余裕が生まれたならば、その奥にある深いコクや豊かな香りを楽しめることだろう。より楽しみたいという者は、産地や煎りの深浅、挽きの粗さにまで気を配り、己が納得するこだわりの味を探求していくことになる。

 そうはいってもやはり味が、というのなら、砂糖やミルクを入れれば良い。邪道だなどとのたまう輩もいるだろうが、そんなものは個人の好みの問題である。そもそも何も入れずブラックで飲むのは日本くらいのものであり、世界的な観点で言えばブラックで飲むことこそ「邪道」であり「クレイジー」なのである。もっと言うならば、冷やして飲むのも日本だけである。

 とあるフランスの政治家は、それについてこう語ったという。

「良いものは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い」と。


 幅広い味を持つ奥深き飲み物、人はそれを「コーヒー」と呼ぶ。

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