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オレの弟@-ホームページ-

一話から読むのを推奨、タイトル通り、弟の影響を受けるも

弟のために色々頑張る兄ちゃんです(今後の予定)


俺の弟の事を簡単に語ろうとしよう。


2つ年下、よくある二人兄弟である。



弟は凄い、全てが平均+αの自分に対し、


運動能力はそこそこ良いし、勉強のセンスがある。


ただ めんどくさがり屋な所があるので、なかなかその調子が生かせていない。



簡単に言うと、 特に勉強もせず、60人中15位ぐらいに入るような奴だ。


自分は、勉強してやっと、60人中25位前後といった所だろうか。



上位を狙った人なら分かるだろう、この10位の差が天と地ほどあると。



クラスで人気ではないが、嫌われてはいない、たまにクラスメートから勉強のことを聞かれることもあるらしい。



まぁ、生真面目優等生という所だろうか?


そんな様子だから、親友の一人や二人いるのかもしれない。



しかし、あんな変な……いや変わった本というか、うーん。



あ、一応俺にも、親友に近い男女一人ずついる。



幼稚園から幼なじみの大人しいけどしっかり勉強は出来て運動は、凡人レベルの女子一と



中学の時テニス部で知り合い、若干弟と性格や身体能力学力も似ているせいか、気のあう男子だ。



昼が過ぎる。



空腹に起こされ、俺は、ベッドから置き、台所へ向かう。



適当に母が用意してくれていた食べ物を食べてから、ふと弟が俺の名義で買った同人誌が気になる。



ハマったというわけではない、興味本位だ。



だから無性に読みたいという訳ではない、暇な時に読める状態であれば読みたいというぐらいだ。



ご飯を食べ終わり、暖かい緑茶を飲みながらしみじみ思う。



『ズズッ……』



(世界は広いなぁ……)



母親は、まだ出かけているようだった、友達とでかけているか、ジムで健康的に運動しているかだと思う。



 朝から出かけていたはずだから夕方には帰ってくるだろう。



 ふと、封筒の糊付けが気になり、俺は、弟の部屋に入った。



 弟の部屋は、俺の部屋の隣で、俺の部屋とほぼおなじ広さで部屋の内容もほぼ一緒だ。



 8畳程の広さ+押入れがあり、本棚2つに、勉強机とベッド、後は、中位の大きさの壁掛けの鏡と、普通の大きさの液晶テレビとゲーム機、それと、勉強机の上にデスクトップのパソコンがあるぐらいだ。



 平等な待遇で育てるのが我が家の方針らしく、俺が高校入学前にパソコン買ってもらったが



 数カ月後、弟もパソコンの魅力(ネット環境があれば、手頃なゲーム※フリーゲームし放題、調べ学習に最適、というのに惹かれ弟もパソコンを買ってもらえたのだ。)



 弟の趣味を鑑賞するつもりはないが兄弟間でマンガを無断で持ち出し、読んだ後返す、というのはごく当たり前、とはいえ、弟のほうが俺のマンガをよく持ち出すのだが



 他の兄弟はどうかわからないが、エロ本の話をしたことはない。



 お互いにそれを所持しているという事実も定かではない。



 俺も持ってなくはないがそこまでエロに興味はなかった。



さっきたまたま、弟のエロ本をついつい見てしまった訳だが



 机に無造作においてある、先ほど来た俺の名前を利用して届けられた同人誌が入っていた袋に手を伸ばし、糊付けによる事故が起きてないか確認する。



 ……。



 問題はないようだ。



 それから、机の上に戻した時、ふと差出人の名前の横に(もぐもぐ)と変わった名前だかニックネームだかが書かれていた。



(変わった名前だこと……)



 それだけ思い、自分の部屋に戻る、ベッドの上で、だいぶ前に読んだマンガを読み返していたが



 まだ頭のなかに今読んでいるマンガのシナリオが残っていてつまらなかった。



 携帯を開きメールが来ていないか確認すると、メールは弟からの返事が来ていた。



『わかった、報告ありがとう兄ちゃん、嗚呼早く帰って読みたい、ぐふふ(*´ω`*)』



 …………。



 まて、弟、その顔文字、中身を知ってしまった自分には分かるぞ、まさかあれを読んで……。



 と、とりあえず返事は必要なさそうなのでスルーする。



 先ほど語った親しい友人二人に何かメールを送ろうか、そうは思ったが



 それよりも、頭によぎったのは、



 同人誌の封筒の差出人の名前の(もぐもぐ)だった。



 パソコンを起動し、検索サイトで 『もぐもぐ 獣人』と検索すると



 その人のHPが開いた。



 プロフィールを見ると、 HN もぐもぐ と書いてあった、



 HNというのはネット上の名前だっただろうか?



 オンラインゲームをたまにすることはあっても、自分のサイトを持ったりはしたことないので



 HNというのには無縁だった。



 弟も何かHNを使ってるのだろうか?



 もぐもぐさんのHPの項目は以下のとおりだった。



 このサイトについて(TOPページ)



 プロフィール



 ギャラリー



 ブログ



 通販 



 リンク 



 だった。



 ギャラリーには、もぐもぐさんが書いたと思われる、先ほどみた絵と少しにた、ややリアルな獣人のイラストがいっぱいあった。



 古ければ古いほど、少し絵に不バランスを感じたが、



 新しければ新しいほど、先ほどみた同人誌の絵みたいに凄く上手かった。



 しかし、昔の絵も昔の絵で、不バランスによるぎこちなさはありつつも、真剣に書いてるんだろうなというのが伝わり、気がつけば、50作品ぐらいある絵を全部チェックしていた。



 1つ3~4時間として、50作品、単純計算で150時間から200時間とか真剣に書いてきたのか……。



 そういう風に思うとなんか、凄いなと思った、



 そして、それを知ってか、それとも、絵にはまっていってるのか分からないが



 今一度、あの本を一字一句丁寧に読んでみたいと思った。



 俺は、ぼちぼちしか努力をしない人間だが、努力をしている人間を見るのは好きだ。



 そういえば、あの本、40ページとかはあっただろうか?



 となるとこの人は、おそらく何百、いや何千時間と絵に時間を費やしてるんだろうな……。



 続いて気になる。



 通販のページを見る。



 なんとなく予想していたが、同人誌で在庫があるのを購入できたり、再販希望という申請をするものらしかった。



 普通の漫画に比べれば、ページ数は少ないし、更には高いのだが、



 もぐもぐさんの絵が、作品が見たいというスイッチが完全に入った自分は、



 数時間前までこんな高い本誰が買うんだ、 みたいに思っていた自分をちょっと悔い改めた。



 俺は、トップページに戻り、そこをブックマークしてから、次はブログを見ることにした。



 ブログの更新は不定期だった。



 1週間に3回更新している時もあれば、一ヶ月に3回しか更新していない時もあった。



 気がつけば、一部流し読みが入ったが、もぐもぐさんを知りたくて



 ブログの記事に読みふけっていた。



 それから、無心で読みふけっていたのだが、母親の帰ってくる気配を感じた。



 ふと我に返り、時計を見ると、時計は3時になろうとしていた。



 パソコンを起動してから約1時間ぐらい魅入っていた用だ。



 ブログを見てから思ったのは、結構人気らしい、そりゃ、あれだけ作品を手がけていればいやでもファンは出来るだろう。



 ブログの記事を平均すると1つの記事辺り4~5人からコメントが来ていた。



 その半分は、管理者のみが閲覧できるメッセージだったが、管理者こともぐもぐさんの返事を見て、どういうメッセージが書かれていたのかはなんとなく分かった。



 それから、台所へ向かうと、母は、友達とお出かけ&買い物をしにいっていたみたいで



 ケーキとスーパーの袋が置いてあった。



 冷蔵庫に入れるのを手伝ってから、ケーキを一つ食べ、それから家の手伝いをした。



 洗濯物をとり込んだり、風呂掃除をしたり、そうこうしているうちに弟が帰ってきた。



 弟は、異様にウキウキしていた、そうか、そんなにもあの本が楽しみだったのか



 もぐもぐさんのファンになってしまった自分にもなんとなく分かる。



 というより もう一度読みたい。そして、残りの4冊も気になるところだ。



「ケーキあるわよー」



「あ、うん、少ししてから食べる」



 そう言って、弟は手洗いうがいをすませ、部屋に戻った。



 俺は気になり、残りの風呂掃除をサッと終わらせ、弟の部屋の前のドアに耳を当てた。



「わっひゃっ! 嗚呼、もぐもぐさんマジ神っ!! あひゃひゃぁ……おやつ前に楽しもうか、おやつの後にじっくり楽しもうかぁ、 あーもぅーマジ悩む!究極選択だわぁーっ!!」



「……」



 俺は、言葉を失った。



 弟にドン引きした。 弟はもぐもぐさんを崇めているのだろうか?



 ふと、ハマっている自分に嫌気が差した。



 俺はとりあえず自室に戻って、ベッドの上で弟の様子を見守ることにした。



 というより、普段もうちょっと大人しく冷静な弟だと思っていたんだが



 あんな一面もあったのか……。 誰かに聞いているともつゆ知らず、独り言をハイテンションで呟く……。



 それから、着替えが終わったらしく弟は



「腹が減っては戦は出来ぬ! っつて! おやつ食べたらいざっ! てなわけで待っててね同人誌ちゃん!!」



「……」



(あぁーもー痛い痛い……)



 それから、少しだけ強く弟が自室のドアを閉めて出て行ったのを確認した。



 ……。



 うってかわって祭りの後のような静けさになった弟の部屋



 弟は甘いものが好きだだから、最低でも数分かけてケーキを食べるだろう。



「……はぁ……。 やれやれ 何がそこまで弟を虜にするんだろうな……」



 ふと、小腹を満たしたくなり、ベッドから起き上がり、自分の部屋から出る。



 今、弟の部屋の机の上はどうなっているだろうか?



 同人誌が乗っているのだろうか?



 ふと、脳裏によぎるのは、寝る前に見たうろ覚えの同人誌内容。



 更には、数年かけて熟練したもぐもぐさんの絵の数々。



 そして、その努力が集結したものが、あの同人誌。



 弟の机の上にある、あの同人誌。



 弟が神みたいにあがめているもぐもぐさんの同人誌。



 ちょっとエッチなシーンがあるけどもぐもぐさんの書いた同人誌。



 他にもなんと4冊もあったもぐもぐさんの同人誌。



 18禁というのは子供が見ちゃ駄目という意味の同人誌。



……



 まったく、如何わしいシーンがあるなんてけしからん……同人誌……。



 それでも読みたくなる同人誌。



 



 俺はハッとした。



 気がつけば弟の部屋にいて、最初に読んだ同人誌を手にしていたのだ。



 俺が予想したとおり、封筒から出した後表紙を一度見たんのだろう、



 同人誌が机の上に広がっていた。



(待て待て、弟が戻ってきたらどうする)



(いやいや、仲のいい弟だったらそれぐらい……)



(待て待て、万が一にだ、弟の友達が弟にお願いして買ってもらったものだったら?)



(いやいや、それはない、あの喜び様は自分で私的目的で買ったはずだ)



 


……読みたいといえば読みたい、読みたくない?と言えばそうではない。



 ぱらぱらっと見るぐらいいいよな?



 そう思い、同人誌を軽くぱらぱらっと見た。



 中には、もぐもぐさんの絵じゃない絵もあった。



 もぐもぐさんより明らかに下手糞だったり、逆に、もぐもぐさんよりうまい絵があったり



 でも、すべてにおいて言えるのは、楽しんで描いたんだろうなということだった。




 その時だった。



「やっぱ、ケーキを嗜みながらまったりと楽しもうっと えへへ……」



 弟が戻ってきた、様子からすると、ケーキとジュースをお盆に載せて、自室で同人誌を読みながら食べようとしたのだろう。



「やばっ……」



 せまりくる弟、俺は、なるべく、最初の状態に同人誌を戻してから、弟の本棚へと足音を立てず、飛び込んだ。



 そして、ゆっくりと部屋のドアノブが回った。




……ガチャッ。



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