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正体を見極めよう


「じゃあ龍神ちゃん。今後は裸になっちゃダメだよ。世の中には計り知れない危険な人がたくさんいるんだから」


人差し指を立て、ベッドに正座している龍神ちゃんにもう一度注意をしておく。


「主が起きないからじゃないですか〜」


うぐっ、耳が痛い。確かにその通りなのだが……


「ていうかその主って何?分かってると思うけど、僕は有桜の兄貴の鋼介こうすけお兄さんね……」


「有桜って誰ですか?私が分かってるのは、主が私の主ってことだけです」


なんですとっ!?いや、そんな訳ないか。僕は用心深いから玄関の鍵は絶対に掛けた筈だ。つまり合鍵を持つ有桜がいなければ中に入る事は不可能。

という事はからかっているのか?とてもそんな風には見えないけど……。


「じゃあ聞くけど、どうやって僕の家に入ったんだ?鍵は掛けていたと思うけど」



「??ずっと主のお側に居ましたけど……」



完璧にからかっているな。考えてみれば、有桜から鍵を借りればいいだけの話だ。


しかし、だとしたら何がしたいんだろう。

わざわざこんな嘘を吐くなんて、意味あるのか?


その時、机に置いていたスマホが振動する。メールが届いたようだ。

手に取って確認してみると、有桜からだった。


『ごめんー寝坊した囧rz。お昼はご飯作りにいくねV(^_^)V』



これは、判断しかねるな。ずいぶん都合のいい時にメールが来たものだ。

このメールには、有桜が今この家にいないことと、龍神の事を知らないという事を示している。


だが困った事に、もし本当に龍神が有桜の友達じゃないなら、もっと別の問題が発生してしまう……。


一人暮らしの高校生の家に体操服を着た少女が一人いる。

これはどう見てもヤバい気がする。おもに僕がだ。

取り敢えず二人が嘘を吐いてない事を前提に話を進めてみよう。


さいわい有桜が来るまで時間はあるみたいだし、何とかして少女の正体と目的を聞き出すとするか。


「龍神ちゃんはさ、ずっと僕の側にいたって言うけど、何で僕の側にいたのかな?」


「何でって、主が私を生んだんですよ?」


「……えー、と。龍神ちゃんは今いくつかな?」


「0歳と3ヶ月です!」


「うん。嘘だよね。そんな訳ないよね。ちゃんと答えようか」


「正確には3ヶ月とちょっと」


「あまり変わらないよね!?ていうかいい加減にしようかホント。お母さんやお父さんは?」


「お母さんは主ですって、さっきも言ったじゃないですかもうっ」


「あっごめんなさい。……っじゃなくて。僕はそもそも男だし、こんな大きな3ヶ月の子いないから。警察呼ぶよ、ホントに」


実際呼ぶつもりはないけど、子供でも警察は怖いと思うはずだ。少し可哀想な気もするけど、家に不法侵入されてるかもしれないし、これ以上関わるのはダメな気がする。おもに僕の地位的な意味で。


「むうぅ、まさか本当に私の事分からないんですか?自分で作ったくせに……」


少し悲しそうな顔をする龍神。作ったって一体……あっ!

僕の脳裏にある事が思い浮かんだ。

それは僕が小遣い稼ぎが目的で始めた宗教。名前は確か、龍神教!

全く流行んなくて信者が三人しか集まらず、自然消滅した筈の宗教だ。

確かに龍神教を作ってから3ヶ月ぐらいだ。

龍神の言っていることは、理にかなっている。


ってそんな事あるわけないよな。ありえるはずがない。

目の前でスマホが浮いてるけど、何かのトリックに決まってるよ。


「これがすまほというやつですね、やっと触れました。昨日まで宗力が弱くて、幽霊みたいな存在だったんですよね、私」



「いやまて、僕は信じないぞ!お前は一体何者なんだ!?」


「何って、私は主から生まれた龍神ですよ?」


半ば想定していた言葉にも関わらず、僕は動揺してしまう。


「しょ、証拠が欲しい。信じるに値する証拠を提示しろっ!話はそれからだ!」


「……分かりました、じゃあ少し時間をください」


















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