新たな戦い
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各軍に対し新たな命令が下された。
陸軍はモンゴルに50万の兵力を動員し、海軍は第二龍砲艦隊をウラジオストックに、東南アジア編成軍の龍砲301から310の10隻をモンゴルに派遣した。
山本長官率いる太平洋艦隊は現在シンガポールをインド洋に出たところだ。このあとスリランカ沖を通過し紅海沖まで行く事になっている。
それより先に第一、第三、第四龍砲艦隊の三艦隊はもうすでにインド洋を越えアフリカ大陸の最南端を目指していた。
龍砲の数は第一の12隻に加え、特別編成軍の501から510と601から610の20隻、
龍砲改10隻の計42隻が参加していた。
もう間もなくケープタウンである。
そこを越えると大西洋に入り、予定ではガラパゴス諸島まで北上しサンタマリア島沖でアメリカ大西洋艦隊と合流予定である。
11
ドイツでは日本の宣戦布告を受け対応に入った。
まずイギリスの軍備の増強を急ぐとともに大西洋艦隊を再編成したのだ。
戦艦ビスマルクを筆頭にウインドパンツァー50隻、グスタフ・ドーラⅡ 2隻、他多数の艦艇で新編成した。
ソビエト戦線では補給が伸びきっていたのと日本軍への警戒のため、一度エニセイ川まで撤退し強固な布陣を敷き日本軍を待ち構えたのだ。
まず戦端が開かれたのはモンゴルの航空基地から発進した日本戦爆連合200機である。
ドイツの最前線に向け攻撃が開始された。
迎え撃つのはドイツ空軍のフォッケウルフやメッサーシュミットである。
あっという間に空戦に入ったのだが爆撃機隊が上手く敵戦闘機を躱し攻撃に入った。
そこでパイロットがある物を見た。
『あの高速で動き回ってるのは龍砲のドイツ版だな、たしかウインドパンツァーと呼ばれていたはずだ。
あれには狙いが付けられないから他の標的にするぞ。』
さらに進行すると
『おい、見ろ!あのデカイの。龍砲の軽く4倍はあるぞ。
ドイツもとんでもない物を作るな。
よし!アレなら当たりそうだ。
全機突っ込め〜』
爆撃機隊はグスタフ・ドーラⅡに向かって急降下を始めた。
するとグスタフは急に動き出し機銃を撃ち始めたのだ。
その数がとんでもない!
軽く30挺はあるのではないか。
カーテンのように弾幕を張り、そこに爆撃機は突っ込んでしまった。
蜂の巣にされあえなく撃墜されてしまったのだ。
それを見た他の機は急降下を中止し高高度爆撃に切り替えた。
しかし、それではすぐに交わされほとんどが外れてしまったのだ。
日本航空隊は他にもあまり損害を与える事が出来ず損害機も多く初戦はドイツの判定勝ちである。
しかし、帰投したパイロットによりドイツ軍の装備が事細かく報告された。
戦車や榴弾砲の他
ウインドパンツァー 約40台
ウインドパンツァーⅡ 約30台
グスタフ・ドーレⅡ 2台
が特にエニセイ川流域に配備されている。
これを見るとソビエト軍が押されていて当たり前である。
当時の各国の戦車は一度止まってから狙いを定め打ち合っていたのだが、龍砲型にはそれは通用しないのだ。
当時ドイツの機甲師団だけが撃ちながら前進しおそれられていた。
そしていよいよ新型龍砲が戦線に参加である。