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龍砲艦隊2 【…裕太がまたやらかした!】  作者: どうない あつし
19/21

小龍

35

各国政府が対策を決められない中、日本の海軍開発工廠では赤間大佐と技師達がある物を前にし会話をしていた。


『赤間大佐、これです。大佐がいない間に私達で作り上げた物ですよ。乗ってみませんか。』


『これまたカワイイ物だね〜おまけにかっこいいじゃん。1人乗り見たいだけどスピードはどれぐらい出るの?』


『状況にもよりますが前回テストした時は250kmまで出ました。』


『ほ〜、こんなに小さいのに大したもんだ。武装も凄そうですね?』


『はい!操縦席の前から戦車砲塔の様に飛び出しているのが50mm機関砲で1分間で45発撃てます。さらに前面両サイドには7.7mm機銃を搭載しています。

しかし、装甲はジープに毛が生えたほどですので期待は出来ません。』


『良いね。1人乗りの兵器としてはかなり強力な武装だわ。こいつは龍砲の護衛も出来るし単独でも使い方によればかなり効果があるぞ!』


『これの苦労したのはやはり推進機でした。浮上型にこだわった為に旋回性能がどうしても悪く、海ならまだ良いのですが地上では100kmも出すと交差点は間違いなく曲がれません。テストしたところ30kmが限度でした。

それで艦底にある工夫をして見ました。こちらに来て見て下さい。』


そう言うと技師は製作中のマシンのところに連れて行き説明を始めた。


『通常この推進エンジンの排気を底にある排気口からも下に吹き付けて浮上していますが我々はこの底面排気を左右二つにし旋回する時は推進よりも底面にパワーをまわし左に旋回する時は右から排気されるようにしました。

すると水平翼の力と排気の力で艇は大きく左に傾き飛行機のように旋回する事が出来るようになりました。

推進力と底面排気のバランスが一番苦労したとこです。』


『なるほど、まるで地上スレスレを飛ぶ飛行機そのものだね。市街地でも走行出来るとなると戦略は増えそうだ。』


『そうですが戦闘以外での市街地はダメですよ。なにせ小さいながらジェットエンジンですから一般の方々に迷惑をかけます。』


『そりゃそうだ…で名前はなんと言うんだ!』


『はい、最初は小さいので【小龍】にしていたのですがあまりに芸がなさすぎるのでみんなに投票してもらいました。

でいろいろ選考し選ばれたのが【虎鱏】コエイです。

見た目がエイのようですし、虎の様に強いと言う事と龍に虎って良いじゃないですか。』


『虎鱏か、良いね〜!早く実戦に出したいもんだ。』


『もうすでに上層部の許可が出て量産に入ってますよ。多分50隻ほど出来てるのではないですか。』


『なに!それは凄い、すぐにでも活用方法を検討しなければならないじゃないか。

こりゃ大変だ。また仕事が増えそうだわ。』


虎鱏コエイ

全長:7m

全幅:5.5m

高さ:2.1m

最高速:250km

武装:50mm機関砲1門、7.7mm機銃2挺


上から見ると縦長の台形の船体に真ん中から後方にかけて水平翼が左右に1mほど飛び出している。操縦席は真ん中より後方にあり戦闘機のキャノピーのような形状になっており、小型のジェットエンジン二機が艦底近くに設置されている。


『試しに乗っても良いかな?』


『はいどうぞ!操縦は右足ペダルがスロットルです。左足は逆噴射でブレーキですね。

つまり右足を思いっきり踏めば最高速で、そのまま左足を踏めば急停止になります。そこが車と違うところですので注意して下さい。』


『龍砲とは違うんだね。』


『はい、そうです。説明しますので良く聞いて下さいね。

まず右手と左手にある操縦桿を二つとも操作します。右手だけ左に倒すと普通に左旋回し両方とも左に倒すと急旋回します。今度は右手を左に倒し左手を反対に倒すと左にスライド走行します。そして右手のボタンが7.7mmで左手のボタンが50mmの発射です。わかりましたか?』


『あ〜比較的簡単じゃないか。龍砲は慣れるまでは大変だったからな〜

よし、ちょっと動かしてみるか!』


『実弾は入ってませんからね。』


裕太はキャノピーを閉め二つの始動ボタンを押した。押した方からエンジンがスタートし轟音が響き渡った。


そしてゆっくり前進し野原を突っ切り浜辺から海に出て行った。


海に出ると一気に加速していき右に左に旋回して見た。


『こりゃ、旋回時の圧力が凄いな。体力がなきゃ乗りこなせないぞ!』


散々乗り回し20分ほどすると戻って来た。

エンジンを止めキャノピーを開くと


『ワッハッハ!これはおもろいわぁオモチャ見たいだな。でもクタクタだわ…

しかし実戦ではかなり活躍しそうだ。』


『はい。次は下のスカートを取り払い5mぐらい浮上出来るタイプも開発してますので楽しみです。』


『そりゃもう飛行機だろ!今度は俺も参加するからな。正雄もなんか考えてる見たいだしな。』


こうして新たなガンシップが実戦に投入されようとしていた。


しかし、この時日本政府の混乱はピークになりとうとう東条内閣は総辞職する事になってしまったのだ。




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