東部戦線
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ここでスエズにいる日本主力部隊を見て見よう。
現在、スエズ運河を占領した日本軍はアフリカを抑え中東諸国と和平協定を結び、その後海岸沿いをトルコまで侵攻していた。
もうすぐギリシャ国境だがここでドイツイタリア連合軍の反撃にあい侵攻をストップしていたのだ。
さすがにドイツ側も陸上では強くウィンドパンツァーを含め戦車大隊を大量投入し空軍のジェット戦闘機隊も目を見張る働きをしていた。
ここで山本長官は新たな作戦を練り始めた。
『諸君、さすがに今の戦力で攻めていると消耗戦になってしまう。ドイツ軍はまだまだ戦力を投入出来るがこちらは日本からの補給が間に合わなくなってしまうだろう。
よって新たな戦略を立てなければならん。』
『長官、現在ドイツのジェット戦闘機隊にかなり手こずっており、こちらの艦載機は4分の1が現在やられてしまっています。さらに龍砲601部隊の3隻もそのジェットに大破させられている状況です。これをなんとかしなければ被害が増えるいっぽうです。』
『赤間大佐、何か意見はあるかね?』
『はい、一つ提案があるのですが宜しいでしょうか?』
『ほ〜何か良い案があるのか?』
『陽動作戦を実行してはと思います。まず戦線をギリシャ国境にて維持し、ソビエト方面より龍砲隊201部隊と301部隊を呼び寄せますこれには2日を要するでしょう。
さらに本国より新編成の龍砲隊701部隊もシルクロードを通り1週間で駆けつけさせます。その情報もうまく流させるのです。
それだけ戦力が集中する情報が入るとドイツも国境に戦力を集中して来るでしょう。』
『しかし、それではまた消耗戦の繰り返しになってしまうではないか?』
『はい、そこで龍砲601部隊を切り離し海側よりイタリア方面に移動させ夜間にドイツ前哨基地を奇襲させます。特に航空基地を中心にです。
さらにタイミングを合わせ富嶽をそこに投入し航空基地の壊滅と陸上部隊への爆撃をさせるのです。』
『なるほど、しかし601部隊にまた被害が出る可能性が高いぞ。さらにソビエト戦線はどうする?』
『はい、ですから601部隊には出来るだけ艦載機の支援をお願いします。
夜間戦闘はドイツも得意ではありませんのでうまく奇襲が出来れば損害も少ないとおもわれます。
ソビエト戦線についてはソビエト軍と陸軍に維持をしてもらいましょう。多少戦線の後退は仕方がないです。
そしてこの作戦が上手く行けば主力部隊はギリシャを越えイタリア方面に進出し、龍砲201部隊と301部隊は黒海よりソビエト戦線に参入させるのです。
ソビエト軍と日本陸軍と上手くタイミングを合わせるとこちらもドイツ軍の意表を突けるかも知れません。』
『なるほど、その作戦ではタイミングが命だな。やってみる価値はありそうだ。
よし、では改めて作戦を支持する。
龍砲601部隊は黒龍と空母2隻とともに海側から奇襲する。護衛に巡洋艦4隻と駆逐艦6隻が随行しろ。
残りの主力艦隊はここで待機。応援を待っている振りをする。
ソビエト戦線と本国にも連絡だ。
201部隊と301部隊の派遣、本国からは701部隊の派遣と富嶽の出撃要請だ。これは簡単な暗号文にしろよ。相手に解ってもらわなければならん。
さらに日本より我々の新型ジェット戦闘機【翔燕】50機が中国を経由してこちらに向かっておる。この隊はこちらの黒龍に30機、イギリスの青龍に20機配備予定だ。
以上、戦闘準備にかかれ!』
【翔燕】しょうえん
日本海軍所属 世界初のジェット艦載機
全幅9.75m
全長8.50m
自重 1,800kg
発動機 ターボジェット
最高速度 810km/h
上昇限度18,000m
航続距離 1000km
武装
機首30mm機銃2挺
爆装 500kg又は800kg爆弾1発
現在、龍砲部隊の配備状況も確認すると、
101部隊 龍砲8隻、龍砲改4隻 イギリス
201部隊 龍砲8隻、龍砲改4隻 ソビエト
301部隊 龍砲10隻 ソビエト
401部隊 龍砲10隻 太平洋
501部隊 龍砲10隻 イギリス
601部隊 龍砲10隻 トルコ
701部隊 龍砲10隻 日本
801部隊 龍砲10隻 編成中
合計82隻が就役している。
生産も順調ではあるが補充もある為、日本の国力ではこれが今のところ限界である。
しかし海軍工廠では新型龍砲の開発も進んでおりアメリカの協力も得て近々プロトタイプが完成予定になっている。
実践配備はまだまだ先であるがかなり機体の変更がなされているようだ。
この話しは次章の楽しみにしよう。