ケルト海戦
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日本アメリカ連合軍はアイゼンハワーに率いられ北大西洋の真ん中辺りを大船団を組み進んでいた。
各国の戦闘艦艇と上陸部隊を合わせると軽く3000隻は超えているだろう。
大きく4っの艦隊に別れている。
一つは龍砲艦隊、二つ目は空母を中心とした機動部隊、3つ目は戦艦を中心とした主力部隊、最後に上陸部隊である。
作戦は次のようである。
1、ドイツ艦隊の撃滅。龍砲艦隊が担当。
2、アイルランドへの空爆。機動部隊が担当。
3、イギリスV2基地及び航空基地への空爆。機動部隊が担当。
4、上陸地点への空爆及び艦砲射撃。龍砲艦隊、主力部隊が担当。
5、上陸開始。
艦隊は3っに編成されそれぞれ目的地を目指していた。
一つは龍砲艦隊が索敵機を飛ばしながら真っ直ぐ西に向かい。
もう一つは全艦隊の5分の1でアイルランドを目指し、残りの部隊がイギリス南部を目指していた。
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先に火蓋をきったのはドイツであった。
いきなりアイルランド方面に向かった艦隊にV2ミサイルが飛来し始めたのだ。
V2はほぼ無音で急速に飛んでくる為気付かない場合が多いのだ。
同時に100発ほどが飛来し、先陣を切っていた駆逐艦8隻、巡洋艦1隻があっという間に火達磨になってしまった。
このV2は対艦用に作られた物で、もともと地上攻撃用に開発されていたのだが戦況が変わり海上用に開発変更されたものだ。
弾頭の中に40kgの徹甲弾が20発入っており中の炸薬の爆発により半径100mに広がるのと同時に徹甲弾を加速させるのである。
V2自体落下時の速度はマッハ2を超えているため徹甲弾が落ちた時の破壊力衝撃力は凄い物がある。
実際、上空で爆発されるとその下にいる艦艇は穴だらけにされてしまうのだ。
連合軍は慌てて散開し後方の空母部隊が艦載機を上げ始めた。
そこにV2の第二陣100発が飛来した。
今度は空母1隻を含む6隻が被害にあってしまった。
イギリス方面に向かった部隊にその報告がもたらされると即座に艦載機を上げ避退を始めた。
やはりV2はそこにも飛来し始めたのだが分散していたため被害も最小限に抑えられた。しかし、駆逐艦1隻と巡洋艦2隻に数発の穴が空いてしまったが誘爆も無く小破で済んだ。
その後V2はそれぞれの艦隊に第三派まで飛来したがほとんどのミサイルが検討違いの方向に飛んで行ってしまった為それ以上の被害はなかった。
V2の攻撃が終わり、次にドイツの航空機がやって来たのだ。
さすがに航続距離の短いジェット戦闘機は混ざっていなかったが激しい空中戦になっていった。
しかし、イギリス軍やアメリカ軍も優秀な戦闘機を持っていた為、これまた艦隊への被害はほとんどなかったのだ。
連合軍の艦載機はアイルランドとイギリス上空に差し掛かると目標に対し空爆を開始していった。
かなりの対空砲火により何機かは撃墜され、中には火達磨になったまま特攻した者もあったが、第一次攻撃と第二次攻撃により滑走路とV2の基地を中心にかなりの戦果を上げる事に成功したのだ。
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ドイツの虎の子の艦隊はイギリスの南西500kmの海上の位置にかなりの艦隊を率いて連合軍に向かっていた。
戦艦ビスマルクを筆頭に戦艦8隻、巡洋艦20隻、駆逐艦60隻と陸軍国としては結構な規模の艦隊を率いていた。
イタリア軍なども混ざりかなり寄せ集め的な様相を呈しているのだが一艦隊としての戦闘力は大した物だ。
さらに空母を持っていないドイツ軍がイギリスから摂取した軽空母も4隻混ざっている。
そして、ウィンドパンツァー50隻とグスタフ・ドーラⅡ 2隻が艦隊前方を航行していたのだ。
この艦隊の艦艇数だけを見るとかなりの戦闘力になっている。これに対抗するのはかなり困難な戦いになるだろう。
そこに第一、第三龍砲艦隊が立ち向かおうとしていた。
龍砲は101から108、501から510の18隻である。
相手から見ると140隻対18隻である。
普通は勝ち目がないので撤退をするのが当たり前だが竹内中将はここに真向勝負を挑んで行ったのだ。
龍砲隊の隊長、白木光一中佐は先陣を切って全速で敵に向かって行った。
『向こうは数が多いぞ!撃てば当たる状態や、突っ込んだら撃ちまくれよ。』
龍砲に敵艦載機が爆撃に来たがこれは完全に空振りである。
龍砲の200km以上のスピードにまったく狙いが合わないのだ。
『よーし全艦、新型散開弾用意!508、509、510は三式弾装填。』
スエズで行った戦法を敵のウィンドパンツァー部隊に行おうとしていた。
『あともう少しや、まだやで〜、
今や全艦砲撃開始!』
砲弾は敵上空で次々に爆発し燃料をばら撒いた。
そこに三式弾が炸裂!
物凄い轟音と共に1km四方に気化爆発がおこった。
これにウィンドパンツァー20隻が巻き込まれた。あるものは誘爆し、あるものは爆風により横転し範囲内にいた艦はあっという間に無力化してしまった。
残りのウィンドパンツァーは慌てて散開し龍砲に向かって来た。
『相手のウィンドパンツァーは無視して構わんぞ。置いてけぼりを食らわしたれ。全艦回頭!』
その言葉の通りウィンドパンツァーが急接近して来ると反転し追尾させたのだ。
そして撃たれる前に速度を上げ本当に置いてけぼりにしてしまった。
『全艦各個に突撃や、打って打って撃ちまくれ!』
ドイツ艦隊は回避行動に入ったが遅かった。
それで無くてもドイツ艦隊は海戦に慣れて無く、それもこんな大艦隊の指揮は統一性も無く各々が勝ってに動き回る状態になっていたのだ。
これにより味方同士で進路を塞いだり、衝突する艦まで出てしまった。
大型艦に至っては進路が邪魔で速度も出せないでいたのだ。
これでは龍砲の独壇場である。
船と舟の間を高速で滑走しながら前に現れる艦に次々と土手っ腹に風穴を開けていったのだ。
ビスマルクには7発もの弾が突き刺さり
そこから浸水し船体はあっという間に傾き横転してしまった。
グスタフⅡ 2隻は何も活躍しないまま誘爆し沈んで行ったのだ。
その他の艦艇も一発で轟沈するものや誘爆し火災が発生しているものなど戦闘が始まって30分で壊滅状態になってしまった。
18隻の龍砲で約300発の弾が敵艦に突き刺さったのだ。
『全艦離脱!被害報告せよ。』
龍砲はそれでも6隻に火災若しくは何処かに被害を受けたが全艦無事だった。
後ろから来た母龍と青龍に戻って行き無傷の艦は青龍に、修理が必要な艦は母龍にて補給と修理を行い次の戦闘に備えた。
いよいよ上陸作戦が開始されようとしていたのだ。