第8話 越後屋の狸?
すいません、久しぶりの投稿です(~_~;)
ポケモン小説に集中し過ぎてこちらを疎かにしてしまいました。
こちらも書くようにしますのでよろしくお願いします。
「どうしてこうなった……?」
俺は首を傾げて頭をパリポリと掻いた。
「何でだろうね……?」
千歳も同じく首を傾げていた。
どうして二人揃って首を傾げているのかというとそれは約1時間前まで遡る。
生徒会長さんに連れられて訪れたのはこの妖魔学園の学園長室。
そこには千聖さんと……妖魔学園の学園長、妖怪の総大将と呼ばれている『ぬらりひょん』だった。
最初は何をされるのか焦っていたが、その第一声に驚いた。
『少年よ、この学園に通ってみないか?』
それを聞いた瞬間、とうとう耳がおかしくなったのかと思って耳を触った。
『冗談ではない。お主の生徒達と鬼嶋に打ち勝つ強さを見せてもらった。正直に言おう、お主の力は既に人を超えておる』
『天音、良い機会だからこの学園で自分の力を高めながら学園生活を謳歌しないか?青春をしないと色々損するぞ?』
『千聖さん……』
そうか、千聖さんが話をつけたんだな。
どうやって学園長を言いくるめたのか知らないけど……。
うーん、でも人間の俺が本当に妖怪の学校である妖魔学園に通って良いものだろうか?
そう考えているとふと馬鹿師匠の言葉が脳裏によぎった。
『天音、少しは青春を楽しんでウハウハしたいと思わんのか?ええい、勿体無い!お前のように器量が良くて料理が出来ればモテモテなのにねー!』
なんか物凄くムカついてきたが、ひとまずそれは置いておこう。
確かに今まで学校というものに通ったことのないから憧れというものはある。
『あの、その……人間の俺でも良いなら、この学園で学ばせてください』
『うむ、了承した。では、入学手続きといこうかの』
学園長は笑みを浮かべ、入学手続きの書類を出して俺はその書類にサインと親指の印に朱肉を付け、印鑑代わりに押した。
こうして俺はあっさりと妖魔学園の入学が決まった。
放課後に千歳と千聖さんと一緒に妖怪商店街の呉服店に向かうことにした。
「さーて!天音の制服とかその他諸々の服を買うぞ!」
「ここで、ですか……?」
訪れた呉服店は妖怪商店街の中でも特に大きなお店で中に入るとそこにはたくさんの種類の服が並んでいてたくさんの妖怪で賑わっていた。
「おーい、越後屋!出てこーい!」
「越後屋?」
「……誰かと思ったら……お前か、千聖」
千聖さんは大声で誰かを呼ぶと店の奥から派手な着物を着た女性の狸の妖怪だった。
「それで、今日はなんの御用だ?」
「こいつの制服と服を色々買いたい」
「こいつ?誰やその子は?何の妖怪や?」
「こいつは天音。妖怪じゃなくて人間だぞ」
「……はぁ!?」
千聖さんの爆弾発言に越後屋さんは目を疑って俺を見た。
☆
その後、千聖さんは俺のことを紹介し、後にこの妖魔国で大きな力を持つと言うぬらりひょん学園長が俺の事を公式に発表し、妖魔国の住人として認めるようにしてくれるらしい。
その事を越後屋さんや周りにいた妖怪達に説明した。
その間に俺と千歳は呉服店の中を周り、色々な服を見ていく。
妖魔国の呉服店だから和服とかが多いかなと思ったけど、そんなことはなく以外にも人間界でもよくある洋服がたくさん売っていた。
「色々な服が売ってるな……」
「この呉服店は妖魔国以外の色々な国から輸入した服を売っているんだよ」
「なるほどな……あ、そうだ。良かったら好きな服を買ってやろうか?」
「えっ!?でも天音はお金を……」
「大丈夫、物々交換出来るような物を持ってるから」
そう言うと俺は軽く振ると『ジャラジャラ!』と音が鳴る巾着を取り出した。
約三十分後、千聖さんと越後屋さんは話を終えて戻ってくると俺と千歳の元に戻ってきた。
そして、俺と千歳の購入予定の服の多さに驚いていた。
「多いな……よし、越後屋。半額に負けろ」
「ほう、うちを破産させる気か……?良い度胸じゃないか、九尾よ……」
「良いじゃないか。私とお前の仲じゃないか、化け狸ちゃ〜ん♪」
何故か二人から妖気が漏れ出して戦闘態勢を取る。
二人は仲が悪そうだけど、昔何かあったのか?
「あの、大丈夫ですよ。この国のお金は無いけど、代わりのもので払います」
巾着から取り出した物を越後屋さんに渡す。
「……はぁあ!?な、なんやこれ!?極上の宝石やないか!?」
越後屋さんに渡したのはルビーやサファイアなどの大粒の宝石。
「あ、宝石じゃダメですか?じゃあ……これで良いですか?」
宝石の次に渡したのは金色に輝く円形のもの。
「ほ、宝石の次は金貨ぁ!?しかもこれは全部金やないか!?」
「天音……宝石に金貨、何処で手に入れた?」
「昔無人島で適当に穴を掘っていたら大昔の海賊が隠した宝場のを見つけて、せっかくなので資金として貰いました」
「何だそのすごい幸運は?」
「と言うわけで越後屋さん。これで足りますか?」
「いやいやいや、足りる以前にこれで店の服全部買えるで!だからえっと、そうやな……この紅玉一個で充分や!」
そう言ってルビー以外の宝石と金貨を全て返してきた。
「そうですか?じゃあ千聖さん、好きな服を選んでください。俺が買ってあげます」
「良いのか?じゃあせっかくだから何着か選ばしてもらおうかな〜?」
千聖さんはるんるん気分で呉服店にある上質な着物を選び始めた。
「あ、支払いはこれで」
「毎度ありがとうございます!天音さん、だったっけかな?今後もよろしくなぁ〜」
追加でサファイアの宝石を渡し、越後屋さんも千聖さんと同じくるんるん気分で喜んでいた。
そんな感じで呉服店での買い物が終わり、色々物を揃えたところで早速明日から妖魔学園に通うことになるのだった。
.
次回から天音が妖魔学園へ行きます。
そこで色々なスキルを駆使します(笑)