第1話 あなたは誰?
さあ、始まりました人間と人外たちのハチャメチャな異世界ライフ!
「お前……」
「あなた……」
俺は突然目の前に現れた少女と一緒に声が合わさりながら尋ねた。
「狐、か?」
「何……?」
何故俺が狐と言ったかというと、その少女は可愛いのは良いんだけど色々とツッコミどころがあった。
まずは容姿の髪や服装。
綺麗な長い金髪で巫女装束のような服装をしていた。
ここまでならまだいいが、ツッコミどころは『耳と尻尾』だった。
少女の頭にはピンと立った狐の耳、そしてお尻の辺りから九本の尻尾が生えていた。
しかも本人が自由自在に動かしている九本の尻尾って……え?これってもしかして本物?
「うーん……」
「どうしたの?」
「とりあえず……えいっ」
ギュム。
「ヒャッ!?」
何だか知らないけど無性に耳に触りたくなり、両手でそのまま両耳を優しく触っていく。
「おお、柔らかいなぁ」
まるで水を含んだ小麦粉の生地のように柔らかい耳に思わず癖になりそうになった。
「いや、あう……み、耳はダメ、なのぉ……」
「あ、ごめん。じゃあ……」
モフモフ。
「キャアッ!?」
耳はダメならと次はフサフサの尻尾に触る。
手入れが行き届いている柔らかくていい匂いがする尻尾に触るだけではなく思わず頬ずりしたくなるほどの肌触りだった。
ああ、この尻尾に包まれながら寝たらどんなに最高だろうか……。
「こ、この!変態!」
「ふぎゃあ!?」
モフモフしていない残る尻尾に弾き飛ばされてしまった。
「って、ああっ!ついやっちゃった!?ごめんなさい、大丈夫!?」
「いや、俺の方こそ……ごめん、可愛らしい耳と尻尾だったかつい……」
「か、可愛い!?え、えっと……まあ、許してあげないこともないかな?可愛いって言ってくれたし……」
あまり言われ慣れていないのか、少女は可愛いと言われただけで顔を真っ赤にした。
「ところで、ここはどこだ?中国の岩山じゃないけど……」
周りをよく見渡すとそこは川が流れている森が広がっていた。
あれ?いつの間にこんなところに移動したんだ?
「中国……?ここは『妖魔国』の『九尾神社』の境内だよ……」
「妖魔国……?九尾神社……?」
「あなた、妖力が感じられないけど……」
「妖力?何を言ってるんだ?俺は人間だぞ?」
「に、人間!!?」
俺が人間と聞き、少女は目を見開いて酷く驚いていた。
それにしてもこの少女は一体なんなんだ?
九本の尻尾を持つ女の子なんて聞いたことが……あれ?
そう言えばこの子、さっき九尾神社って言ってたよな?
もしかして……。
「あわわわ……た、大変だぁ……」
何が大変かよく分からずキョトンとする俺に少女は手を掴んできた。
「と、とりあえず!うちに来て!」
「うちって、君の家?」
「うん!それじゃあ行くよ!!」
「えっ、ちょっ、うわぁあああああっ!!?」
女の子は凄まじい速度で走りだし、その勢いで俺は腕の関節が外れそうになりながら引っ張られていく。
「お母さーーーん!!!へるぷみー!!!」
いや、助けてほしいのはこっちの方なんだけど!?
そんなツッコミが出来ないまま、俺は少女に連れ去られるのだった。
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さあ、主人公とヒロインが出会いました。
名前はAGと同じ天音と千歳で、性格はもちろん違いはあります。
そして、あんまり長く書くと大変なので1話1話短めに書いて出来るだけ更新を多くできるようにします。




