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「リズは呪われているの・・・?」
どこもかしこも美しいリズは全然呪われているようには見えないのに。
「ああ、呪われている。忌々しい魔女に・・・」
そう言ったリズの顔は憎しみに満ちていてとても恐ろしかった。
リズを怒らせたくない、と強く思った。
「魔女?」
「そうさ。強欲で愚かな魔女だ・・・。この私に呪いをかけるなど。思い出しただけでも悪寒が走る。」
そういうとリズは震えを抑えるかのように身体をさすった。
「一体どんな呪いをかけられているの・・・?」
「聞いてくれるかい・・・?」
リズが憂いを帯びた顔で私を見つめる。
力になりたい、と思った。
「もちろん、聞くよ。」
「ありがとう、マリ。」
リズは美しく微笑んだ。
―――――――――――――…
目を覚ますとそこは見慣れた自分の家で、私は二階の自分の部屋のベットで寝ていた。
「リズ・・・!?」
さっきまで目の前にいたリズはいない、ルーももちろんいない。
夢・・・だったのだろうか。
それにしてはリアルな夢だったような。
呆然としていると、母が階段を上ってくる音が聞こえた。




